第150話 穴あきだらけの組織図
「ふむ」
「もう一度きちんと決めておいたほうが良いのではないかと」
本日の業務もお疲れ様でしたって事で、カタリーナと温泉に浸かりながらお話。
最近人数が増えてきて、命令系統が曖昧になってきてるらしい。二重命令とかがあったり、混乱が起こってる。
一応階級章みたいな感じでメダルを作ったりしたけど、それもあんまり役に立ってないしなぁ。
「確かに最初に軽く決めただけで、正式な感じでは決めてなかったからなぁ」
恩恵持ちや人員が増えてきたから、そろそろ一回ちゃんと決めておくか。
やっぱり裏組織には幹部とかそういうのが必要ですよ。一気にそれっぽくなる。
「明日の仕事はそれにしよう。手が空いてる恩恵持ちは会議室に来るように言っておいて」
「かしこまりました」
って事で翌日。
会議室に恩恵持ちが全員集まった。
なんだかんだ全員揃うのは初めてじゃないかな。個々で交流はあるみたいだけどね。
「とりあえず大枠は戦闘部門、生産部門、商業部門、情報部門で分けてそこから株分けしていく感じでいいかな?」
「そうですね。あまり複雑にしすぎるのも良くありません」
紙に組織図を書いて、各部門から線を引いていく。
まずはボスの所にレイモンド(お飾り)
お世話役にカタリーナ。
「私の役職名はお世話役ですか? カッコよくありませんね」
「秘書に書き直します」
だっていつもお世話してくれるし。
確かにかっこよくはないから秘書にしておきますね。
「戦闘部門自体のまとめ役はアンジー」
「私はもっと楽な所が良かったんだけどねぇ」
ローザを実力で御せるのはアンジーしかいないし。これはある意味仕方ないのです。
戦闘部門 アンジェリカ
|--傭兵 ローザ
|--冒険者 サラ
|--裏社会 未定
|--警備 未定
こんな感じかな。
とりあえずリーダー役には恩恵持ちになってもらう予定。マーヴィンとかチャールズとか、恩恵持ちじゃなくても優秀な人間はいるんだけどね。
そういう優秀な人間は、副官として誰かを支えてもらう感じになるかなと思います。
ローザとか、ローザとか、ローザとかね。
「生産部門自体のまとめ役はエリザベス」
エリザベス自体はまだお子ちゃまなんだけど、意外とみんなの面倒見が良い。
既に生産連中には頼りにされてるみたいだし問題ないだろう。研究に熱中し過ぎるのが玉に瑕だが。
生産部門 エリザベス
|--魔道具 未定
|--薬品 未定
|--鍛治 未定
|--細工 未定
|--農業 未定
|--土木 未定
|--料理 ウルファ
|--教育 未定
「生産部門の人手不足が深刻すぎわろた」
「何のために決めてるのか分からなくなってきますね」
部門分けした数が多いってのもあるし、生産関連の恩恵持ちの人数が少ないってのもある。二人しかいないもん、当たり前だよね。
「逆にこれだけの生産部門を今までエリザベスがまとめてたのが凄いんだけど」
「特に何もしてない。偶にアドバイスを求められたら答えてるだけ」
と、本人は言ってるけど、マジで色んなところから頼りにされてるんだよな。
錬金術が結構万能で幅広く対応してるってのもあるけど。
「負担になってたりしない?」
「大丈夫。無理そうならちゃんと言う」
まだ10歳にもなってない子にこれだけの事を言わせてしまうのは果たして良い事なんだろうか。本人は大丈夫って言ってるけど、ちょっと注意して見ておかないと。
「商業部門のまとめ役はホルト」
これはこいつしかいませんよ。
今でも『ルルイエ商会』のほとんどを差配してるんだし。
商業部門 ホルト
|--商会 未定
|--会計 未定
|--運用 未定
|--管理 未定
「ボス、時期尚早だったかもしれません」
「俺も思ってた」
とうとう未定オンリーが出てきちゃったよ。まあ、こんなピンポイントな恩恵持ちなんてそうそう居ないよね。
恩恵 中間管理職 みたいなのないのかな。こう、組織の歯車としてピッタリみたいな。ご都合主義が過ぎるか。
「まあ、ここは商業って言っても書類仕事が多い所もあるし、ホルトだけに負担がいくような場所じゃないから、なんとかなるか」
商会はそのまま商会関連、会計は『クトゥルフ』全体の給料管理、運用は得た利益をどう使うかの計画立案とか、管理は組織内の銀行だとでも思ってくれれば。うちの人員のお金を預かって、必要な時に引き出せる場所だ。
「で、最後の情報部門なんだが…」
「にゃー。アタシにまとめ役は無理にゃ。勉強は苦手だし、体を動かしてる方が性に合ってるにゃ」
って言われちゃって。
こうなりました。
情報部門 未定
|--暗殺 アリーナ
|--収集 未定
|--精査 未定
|--潜入 未定
|--拷問 未定
「やっぱり人手不足か。恩恵持ちをリーダーにするってのが無謀なのかな?」
「どうでしょうね。ボスが本格的に組織作りを始めてそろそろ4年が経ちますが、4年でこれだけの人数を集めれたのなら、そのうち集まるのではとも思います」
ふむぅ。穴あきだらけでせっかく気合いを入れて作ったのに、なんか拍子抜けだぜ。
「暗殺は情報部の仕事なのね?」
「まあ、俺のイメージ的な問題なんだけど」
アンジーがもっともな事を言ってくる。
これは迷ったんだ。戦闘部門にするか、情報部門にするか。でも何故か俺の頭では暗殺は情報部門って事になってる。
何でかは上手く言語化出来ないんだけど。
「とりあえずこんな感じかな。必要に応じて増やしていったりもするだろうけど」
「新しく人員が入ったら、これに振り分けていく事になります」
ぱっと見でもエリザベスの負担が半端なさそうに見える。これは俺がスカウトを頑張らないといけないな。
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人数が増えてきたなーと思って、組織図でも書くかーと思ったら、全然人が居なかった件について。
見にくくないですかね?
レイモンド君には早くこの穴あきを埋めてもらいたいもんです。
他にもこんな部門があれば良いってのがあれば教えて下さい。
良いなと思ったらしれっと書き足しておきます。
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