書き散らし
退屈なスライドショーを見せられているような気分だ。知らない人、知らない人、知らない人、どの写真にも僕の知り合いはいない。病院で起きた時母親と妹だという女性どもに合ったがどうにもぴんとこなくて他人事のようだった。
何かに没頭していた記憶はある。その間だけは生活の息苦しさから解放されていたような気がする。ただ盲目であるだけで決して幸せではなくて日々募っていく重圧に心臓が音を立てて割れそうだった。日々記憶力も落ちていく。痴呆みたいになっていくのがどうにも、苦しくて、ふらふらと外を歩く。
気づけばベッドの上だ。
布団は硬く、ポリエチテルの布団は安っぽくて優しさがみえない、守ってもらえそうになくてまた不安になる。
悩みなんて昔からなかった。否、無かったのではない皆みたいに出力の方法が分からず汚泥を体の内に溜め込んでいただけだ。それに誰も気づくことはない、表面上は傷なんて見当たらず小綺麗なのだから。
寄り添って気にかけてくれる人なんていない。誰も助けてくれない。自分では這い上がれずもがくでもなく諦めている。
夢の中で腹を刺された。電車の中で刺された。夢なのに確かな痛みがあって直ぐに着いた駅で降りて改札にいる係員に助けを求める。反応はない、人形みたいだった。そこで目が覚める。腹には当然傷もない、ただ少しの違和感だけがあった。
足音、足音、足音、自室で眠ったはずなのに畳の上で眠っている。天井には顔に見える模様と柱が3本ある。昔ながらの日本家屋の天井だ。自分の上には人の形をした白いモヤが乗っている。それも5人ほどおり動けない。これは夢だとわかるが動けない。目を開けると自室、でも動けない。目を閉じると白い人が見える。しばらくは震えて動けなかった。これがかなしばりなのだろうか。
昨日の自分が書いたであろう文を読む。どれも違う時の自分だろう。思ったことをそのまま書いている。退屈な文だ。だけれど実感はある。今書いているこれも次の自分には酷評なんだろうな。
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