排便行為

 従兄弟いとこと俺は幼い頃、2度3度、動物になった事がある。

  

 途中で森に捨てられ、動物と家族のちぎりを交わした訳ではなく、排便行為はいべんこういを真似て野グソの醍醐味だいごみを学んだ事があった。

   

 最初は従兄弟の「お腹痛い」から始まった。

 子供の頃の活動場所はおもに外だった為、トイレをする場所等はないのが、当たり前だった。

 

 俺は仕方なく、木の影に隠れて排便するようにうながし、従兄弟もそれにしたがった。

  

 開放的な場所で排便する事に快感を得た従兄弟は、それから外で排便を行う様になる。

  

 尻を拭くのは葉っぱという非日常的ひにちじょうてきな行為も大変、お気に入りだ。

  

 俺も「やってみよう」と思い、行為に移るまで時間はそうかからなかった。

  

 野グソという、最強の武器を手に入れた俺達は腹痛で怯える日々に、グッバイした。

  

 そんなある日、従兄弟の自宅でくつろいでいた。

 

「ウンコしたくない?」という従兄弟の誘いに乗り、自宅から外へと飛び出し、野グソ行為を行った。

  

 気付けば家にいても、外で排便する様になっていたのだ。

 今思えば、大変危険な行動だったと思う。

  

 野グソを終えた俺達は、家の中へと入るが、そこには従兄弟のお姉さんが立っていた。

  

「お前らは犬か!!」とトラウマ級の罵声ばせいを受けた俺達は、事の重大さに気付き、野グソからは足を洗った。


 いや、尻を洗ったと言った方がいいのかもしれない。

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