ガキ大将

 幼い頃、団地に住んでいた俺はガキ大将だいしょうと呼ばれる人物と遊んでいた。


 何でも一番でないと気がすまなかったガキ大将は、俺達が新しい物を所持していると

「何でオレより先に買っちょんか!」とよく激怒げきどしていた。

 

 毎回、激怒されていた俺達はある日、泣いてしまう。

  

 その姿を見てあたふたするガキ大将。

 新しい一面いちめんと弱点の発見である。

 

 泣けばいいのか…。

  

 泣けば、ガキ大将を困らせる事が出来るとさとった翌日から実行に移した。

  

 ガキ大将が激怒した瞬間しゅんかんに、目で合図あいずおこない、一斉いっせいに泣きだす。

 まるでオーケストラかのような行動。息もぴったりだ。

  

 たまに先走さきばしじるを出してしまい

「そんな事で泣くな!」と通用つうようしない事もあったが、俺達はチームワークというものを学んだ出来事。

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