恵方巻き

 勝手かって独断どくだん偏見へんけんになるのだが、二月三日は恵方巻えほうまきを無言でしょくす事を一日の課題にしている人も多いはずだ。

  

 一人で食べれば簡単にその課題かだいはクリア出来ると思われるが、俺はあえて、知人ちじんとなりにいる状態で、尚且なおかつ恵方巻きを食べたりしていない人限定という中で食す事にしている。

  

 前触れもなく、その場で恵方巻きを俺は口に加え、ミッションスタートを開始。

  

 一口ひとくち二口ふたくち進んだ辺りから、知人は

「美味しい?」等の感想を求めてくる様になる。

  

 この場合はうなづけばいい場合が多いので助かる。

  

 次に「中身は何が入ってんの?」等の会話も断面だんめんを見せれば、大体は処理しょり出来る。

  

 最大の難関は「そういえばさ…」等のまったく関係のない話を振ってくる時があり、大体はここで会話をしてしまい、俺のミッションは失敗に終わる。

  

 恵方巻きも今ではこんなにも根付ねづいているのに、俺の知人はそのルールを知らない者ばかりみたいだ。

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