親切心

 ストレスの影響えいきょう胃潰瘍いかいようわずらった22歳。

 卒業式の様なよびかけをこちらに書き込まさせて頂く。

  

 俺は20代の前半にストレスで、精神的に参っていた時期が存在する。

 発散させる為にガンダムのフィギュアを集める事にした。

  

 小学時代のガンダムフィギュアには色が付いていなかったのだが、フルカラーのガンダムフィギュアを見た俺の心は「色が付いてる」と感動で心が満たされたのだ。

  

 よって色々なリサイクルショップでフィギュアを集め始めた。

  

 気付くと部屋はガンダムフィギュアに包囲ほういされていた。

 いつ射撃しゃげきされてももおかしくない状態である。

  

「買い過ぎた」とわれにかえり、俺は再びリサイクルショップへと買取してもらう事にした。

  

「買取お願いします」

  

 しばらくすると男性店員さんから呼び出しがあった。

  

「これ、ここで売るより、ネットで売った方がいいっすよ」と優しい言葉を頂いた。

  

 店の利益りえきより客を大事にする心に俺は感動したが、こう返答する。

  

「いや、いいです」と。

  

「そうっすか。それなら全部で500円っすね」と少し悲しげな表情になる。

  

 人の親切心しんせつしん無下むげするのはよくない事なのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る