ミニ四駆の大会

 幼い頃、空前くうぜんのミニ四駆ブームが到来、青い髪と茶髪の少年のアニメも絶賛放送中ぜっさんほうそうちゅうもあって、どこを見てもミニ四駆野郎で溢れていた。

  

 コースを所持していなかった俺達は砂利じゃりの混ざった道路でミニ四駆を楽しんでいた。  

 たまに車に引かれそうになるけど、俺達は元気です。

  

 何かのブーム期というのは、どこかしらで大会が行われているものである。

 

 近所の商店街でもミニ四駆大会が行われるの知った俺は、ママンにお願いして連れて行ってもらった事があった。

  

 会場は自慢のマシンを片手に、キッズ達があふれかえっており、俺もその中に混ざった。  

 勝敗はいかに早くコースを周回するかというシンプルなルール。

  

 白熱した勝負が繰り広げられる中、俺の出番がやって来る。

  

「道路で走らせてる実力見せてやんよ」と気分はアニメの主人公だ。テンションは最高潮さいこうちょうに達したが、その後はコースアウトで失格となった。

  

 それからの記憶はあまり残っていないのだが、参加者達の順位に合わせて、景品が用意されていたのは覚えている。

  

 もちろん失格となった俺にも景品は用意されていた。メロンであった。

  

 コースアウトになって、メロンを頂けるなんて、道から外れるのも悪くないと思える出来事。

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