バンド

 学生時代、友人から

「バンドを組んだからお前も来るか」と言われて、向った先はファミレス。

 

 どうやら、今日は話し合いだったらしい。

  

 席には見慣れた顔ぶれがあった。というか見慣れた顔しかいなかった。

  

「お前らかよ!!」と一人さまぁ~ずを心でつぶやき、席に座る。

 

 久しぶりの挨拶に始まり、会話は役割分担の話しに移ったので俺はただ、聞くだけに集中した。

  

「俺はボーカルをやりたい」


「俺だってボーカルをやりてぇ!歌詞も作ってきた」


「俺も楽器出来ないから、ボーカルやりたい」

  

 俺俺おれおれ言ってて、紛らわしいのだが、俺は会話に一切関わっていない。全て友人達の会話になる。

  

 話し合いはなかなか収まることがなく、この日でこのバンドは、解散した。

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