第43話日本人の性なんだそうなんだきっと

一体どれほど進んだのだろか。体内時計も狂うほどひたすらに進み続けた。日は高く登り日が西に傾いてきたその時、普通に大きめの文明がなさそうな無人島が見つかった。それにいかだのメンバーのみんなは。


「島だぁぁぁぁ!」

「やっとだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「ノリこめぇ! 取れるもん全部奪うぞぉ!」

「なぜか一人だけノリが海賊のやつがいるのだが?」


もう完全に精神崩壊が起きてい「僕は崩壊してないぞ?」...ハーム以外のメンバーは皆精神崩壊を起こしていた。


「何か新しいものを探してレッツゴー!」

「おーーーーー‼」

「奪いつくせェ!」

「君達一旦落ち着きたまえ」


いつもならまともである咲も、ずっと立ち尽くしてただひたすらに海を見つめていただけだったせいか精神崩壊を起こしてしまっていて、ハームだけでは止めることができない。


ーーーーーー

一度落ち着いた方がいいですよ。

ーーーーーー


その一言で咲の精神は瞬く間に復活し。いつもの平常心を取り戻す。脳内に直接声が届くと案外簡単に正気に戻るものなのだろうか。


「私は何を...は、みんなちょっと待って。一旦落ち着いて準備をしてから行きましょう」

「咲くんが正気に戻ってくれて助かるよ」

「「はっ!? 俺(僕)はいったい何を」」


まさに鶴の一声だ。その一言で二人とも一瞬で正気に戻った。これがこのいかだの最高管理者の力なのか。


「つっても用意なんて別にすることないしな。レッツゴーだ」

「そうね。じゃあ行きましょう。精神崩壊してる状態じゃ正常な判断もできないだろうし正気に戻るだけでも結構ありがたいものよ」

「ははは。次もし正気じゃなくなってたら咲さん。手をひねって正気に戻して」

「出来たらね」


今の私の力じゃルナちゃんの腕をひねるほどの力もなさそうだ。実際今まで持ってた武器とかは最初からあったスキルの《武術》で体が勝手にやってたものだもの。多分無理ね。


「それにしても空気がうめぇ!」

「これがシャバの空気ってやつ?!」

「シャバって外って意味でしょ。私たちはずっとシャバの空気吸ってたわよ」

「はははww」

「ハームも笑ってないで。ツッコミが追い付かないわ」

「いや正直に言ってここじゃあ何人ツッコミがいても全員ボケにされて終わりだよww」

「ああ。確かにありえそうねw」

「どういうこと?」

「いや一人ド天然な奴がいるからな。そいつのペースに引っ張られそうだなって」


みんなの視線がルナちゃんに集う。彼女は自分たちがとおってきた道を忘れたり全く意味の違う言葉を言い始めたりするかなりのド天然なのだ。まあみなさんもうご存じなのでしょうが。


「それにしてもここまで人工物が見当たらない島はかなり久しぶりに感じる」

「だよな。ここ最近は人工物ばっかの島を2個続けて回ったからな」

「でもここまで自然な島だったら逆にやることなくない?」

「...なんにでもやることやることに理由を見出そうとしてしまう。日本人の悪い部分出てるわね」

「www。それは全人類共通であってほしい。日本人固有のものであってほしくない」

「いや僕はただ面白そうだからとかの理由で行こうと思うけどもう君達ダメじゃない? 精神科の病院に行かせたくても行かせれないね。ないから」


いや日本人はこれが平常運転です。ことあるごとに理由を求めたがるんです。これは私だけじゃない。日本人みんなそう。そうなんだよきっと。


「やることねぇ。新しい果物とか野菜を探す? 島をめぐって洞窟探してみるのもいいかもね」

「いやぁ。俺としては速くいかだとか開拓してそのままのノリで車とか作りたい。こういう山をバイクで登るのが夢だったんだ」

「ワイルドス●ード?」

「そういう感じ」

「つまり電車と並走とかビルとビルをとんだりするってことぉ?!」

「そのルナのテンションは意味不明だがまあそういうのもやってみたいとは思う」


...エンジン自体は作れるし案外近いうちに車とか作れたりしてね。

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