第38話釣果、なんて読むか知ってるKAI?

そしてルナちゃんの時に来たのは何とジンベイザメ。まさにあつ森になってるよ。


「僕もそろそろ釣れてもおかしくはないと思うのだが」

「天才でも釣りの才能はないのか」

「む、今のセリフは僕が寛大であるからこそ許すがその言葉遣いはあまり褒められたものじゃないね」

「ああすまんすまん(こいつさっきの喧嘩は止めなかったのに今そういうこと言うのかよ)」


「.......ハームって結構自己中?」

「は?」

「いやさっきルナちゃんと離兎が喧嘩してた時は傍観してたのに自分が貶されたときはそうやって反論してるじゃない」

「言わない方がいいのかと思ってた」

「いや言ったらダメだろ」

「いや、え? そんなわけ。......あ、うぅ」


何かに気づいたようにハームは頭を抱えてしゃがみ申し訳なさそうな顔をしてしまった。


「確かにそうかもしれない。僕は自分にかかる火の粉だけを飛ばして他人に降りかかる火の粉は見てみぬふりをしていた」

「急なネガティブ」

「凹んでんじゃねぇよ」

「ごめんなさい。言い過ぎたわね」

「いやぁ。元は僕が悪いから」


みんなが黙ってしまったその時ハームが垂らしていた釣り糸が、釣り竿が大きく動いた。


「!!ハーム!」

「え、釣れたの?!」

「ちょっと速く! 強い」

「つか俺潜って仕留めてくるわ!」


離兎が海の中に飛び込んで数秒で戻って来た。


「あれはやべぇ!」

「え?」「釣るぞ!」


私とルナちゃんが抑えてるところに離兎が全力で引っ張り上げて魚が宙に浮く。いや、魚じゃない。あれは。


「ダイオウイカ!?」

「にしてもでかいだろ? しかも足の数足りないだろ?」

「クラーケン?!」

「かもね」


とりあえず【収納】


「収納の中での名前は...ええと、動く孤島ムーブアイランド?」

「なんかでかそう」

「このいかだよりはデカかった」

「化け物クラスだね。世界記録にでも載りそうだ」

「でもこれ島には見えないわよね」

「大きさがって事だろ」

「というより今まで結構な距離移動してたけどこんなでかいの見たことないよね?」

「ああ確かに。まあ、タコ焼きとかが作れると思えば」

「材料が足りないよ」

「(´;ω;`)」


ケッカハッッッッッッピョォォォォォォォォ!!!


「と、いうわけで第一回釣り大会の順位付けを行います!」

「いやもうわかってるだろ」

「一応だよ。建前は大事」


順位は圧倒的だった。最下位は最初の方にハームを煽っていた離兎、3位はハーム、あのタコ以降なにも釣れなかった。本人は萎えてた。2位は私、これといって何かあるわけでもなく普通に結構釣れた。1位はルナちゃん。釣果ちょうかはジンベエザメ2匹、謎の本(なぜか濡れていない、染みていない)1冊、シャケ3匹等々、地味に色々釣ってた。


「ルナちゃんが1位! おめでとう!」

「今日は釣った魚でパーティーだ!」

「僕が料理しますね! 咲さんというわけで調理場を作れますか?」

「いいよぉ。あったらね。私はもうちょっと釣ろっかなぁ」

「それよりこの変な紫色の本が何かを考えようぜ」

「僕もその本の考察の方が興味はあるね」

「ハームは釣れないからじゃないの?」

「それは言ったらだめだよ咲さん」


私は釣り竿を2本垂らしハームと離兎はルナちゃんの釣った謎の本をもって部屋に戻っていく。私は3階に調理スペースを作る。ナビゲーターさんがどんなふうにすればいいか教えてくれた。調味料(醤油や塩などの基本なものからマイナーなスパイスとかまで幅広い)がホオリノミコトさんから謎の力で届けられた。


それにしてもこれどうやって向こうの世界から持ってきてくれるんだろう......ルナちゃんが喜んでくれたからなんでもいっか。(親バカに近い...親戚のおばちゃんみたい?)


そしてパーティーが始まる。始まる直前にワタツミの方からお酒とジュースが届けられた。それとピザもあった。すごいなんだか混ぜてみたいな感じだった。だって脳内でワタツミの「混ぜ」まで聞こえたもん。それでそのあとホオリさんが仕事終わってないでしょ見ないなこと言って連れてった。神様の仕事って何?

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