第37話休暇です

あの後離兎達を部屋から解放してハームにいくつか質問をしてもうこの島にめぼしいものがないことを知り、どこかに行くことにした。


「今日は自由気ままに船で旅をしよう。休暇だ」

「海の景色でも録画しよっかなぁ。この前はスキルの事よくわかって無くて使えなかったから」

「録画もできるのね」

「配信者でしたから」

「向こうの世界での行動がこっちの世界でスキルになるのか?」


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否定します。ルナさんが録画などのスキルを持っているのは偶然です。

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そこは夢を見させてよナビゲーターさん。


「そうだ。ナビゲーターさん。普通の釣り竿って作れたりする?」


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木材と糸、鉄材を少々で作成可能です。

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「なんに使うんだ?」

「普通に釣りがしたい」

「お前魚いないのにどうやって釣るつもりだ?」

「...いやどっか異空間から魚が出てきて釣れないかなぁとか」

「今とっさに考えたでしょ。なんならその今考えたことも無理があるし」


まあ本当に魚がいないことは失念してたけど今考えたのもあるんじゃないかなって思ったんだけど。さすがに無理か。


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通常の釣り竿を作成すると周りに魚が現れます。

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「嘘だろ!?」「本当?!」

「うわぁすごいや。なんでも有りだぁ」

「神の力...なのか? 僕は天才なのに理解が追い付かない」

「悲報、天才壊れる」

「wwww」

「大丈夫かな?」


と、言うわけで第一回釣り大会! なんでもこの世界の釣り竿は色々釣れるらしい。色々...ね。


「この釣り竿。本当にさっき馬鹿でかいマグロを釣ったのと同じ釣り竿か? 咲のやつだけ特殊な効果とかついて無いか?」

「何を弱気になっているんですか離兎さん! 心意気が重要なんですよこういうのは! あれですよ! あの某大人気開拓ゲームで主人公がジンベイザメを片手で掴んでポケットの中にそのまま入れてるのをやるのと同じです」

「その大人気開拓ゲームとやらが何かは分からないが心意気が肝心なのは同意見だ」

「離兎以外結構ノリいいね」

「うおぉ! 引いてる! これホントにこのまま引けばいいの?」


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一本釣りと同じ要領です。

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「一本釣りなんてやったことねえわ!」


離兎は大きく腕を振り上げ釣り竿を上げる。魚が宙に浮く。その魚を見てその場の全員が仰天の顔をした。


「いや海でピラルクが釣れんじゃねぇ!」

「離兎! 収納!」

「そうだ!《収納》」


離兎は急いでピラルクを収納の中にしまう。


「いやナビゲーター!? 色々釣れるとは言ってたよ? ね、確かに言ってたよ? けどさ、淡水魚が出てくるのは違うだろ!?」


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海の水舐めたことありますか?

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「ないよ? 逆に水分が欲しくなるだけだもん」


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舐めてみてください

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私はナビゲーターさんの言う通り指先を海につけてその指をなめてみる。


「!! これは」

「どうした?」

「甘い!」

「甘い!?」


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実は海の水というのは甘くて水分を取ることはできないけど糖分の入手が可能な液体だったのです。

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「海への意識がかなり変わりそう」

「糖分が取れるのか。それは便利だな」

「君たちは適応するのが速くないかい? 普通海というのは塩分が混じっていて糖分なんて取れるモノじゃないんだよ!?」

「あ、それは一応こっちも同じ認識だったんだ」

「こっちもとはなんだい?」

「あ、ここにいる3人異世界から来たものなんで」

「もう訳が分からないよ」

「こっちの世界じゃそれが常識なのかと納得したわ」

「そうですよね」


そういえばハームには私たちが転生者って事話してないんだっけ。まあ今言ったからいっか。


「まあ、釣り大会を続けようよ」

「賛成」「賛同」「右に同じく」

「君達仲良いの?」

「「「分からない」」」

「絶対仲良いわね」

「「「ありがと」」」


ここまでくるとやらせを疑ってしまう。

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