第35話ぬるっと流される新情報

『その目、まだ僕を殴るのをあきらめてない目だね』

(ふっ、違うわね)

『違うんかい!』

(本題よ。あなたけっこうえらい神様なんでしょ。なんでそんなえらい神様が私みたいなのを観察してるの?)

『う~ん。そうだなぁ簡単に言えば神のみんなでゲームをしているのさ。僕は地球にいる神の中だと一番の力を持っているからね』

(私はそのゲームとやらに付き合わされているの?)

『そうなるね』


ゲーム。その種類にもよるが種類によっては神たちは人間の事を実験動物のようにしか見ていないのと同意議だ。


(そう。それで聞くわね。あなた達からした私達って何?)

『...そうだねぇそれは神にもよるかな。神によっては愛すべきものやかわいい生き物なんてあったりする他にも忌むべきものや愚かなものなんてのもあるよ』

(あなたは?)

『面白い生き物』

(即答ね)


私は呆れることも喜ぶこともなくただ神、ワタツミの方を見て冷静に人間を見下していそうな神を考える多分あの神「建前だと思ってるんだろうな」とか思ってるんだろうね。


(話はもうないわ。いつもなら帰れるのにどうして戻れないの?)

『僕も用はないよ。でもこの感じ別の誰かが君とはなし『あなた! この子が例のプレイヤー?』


ワタツミの隣から急に女の人が出てきた。私はその姿を見て固まってしまった。その姿はあまりにも、あまりにも似ていたのだ。ルナちゃんに。


(ルナ...ちゃん?)

『あら? 私はルナなんて名前じゃないわ。ワタツミの夫であり妻のホオリノミコトことホオリよ』

(ホオリ? というか夫であり妻って?)

『あれ? 知らないのかい? 神に性別なんてものはないんだよ。男でも女でもどっちにでもなれるんだよ』


驚きの情報がそんなぬるっと出てくるのね。


『あなた。彼が勝手に始めたゲームに巻き込まれてるけど大丈夫?』

(あ、このゲームワタツミが勝手に始めたんだ。そして気になったのは、ゲームゲーム言ってるけどこのゲームの最終目標ってなんなの?)

『それは『言うなよ?』


ワタツミはその言葉と同時に先ほどののほほんとした空気からは考えられないような圧を発し、圧に私は体が動かないはずなのに気づくと体が地に伏せ体が動かなくなる。


(!? 急になんなの?!)

『ああごめん人間の君にはきつすぎる圧だね』

『もう。言おうとしたのは悪いと思うけどさすがにその量の圧はひどいわよ』

(本当に悪いと思ってるの? なんだかそんなわるびてなさそうなんだけど)


すると私の意識は遠のき始める。


『最後にこれだけは言えるわ。この子の言葉に惑わされず頑張ってね』

(...ありが)


そこで私の意識は途切れた。途切れたというより起きたといった方が正しいか。結局このゲームの最終地点は分からなかった。だけれどあのホオリさんのおかげでいくつか分かった。そんな重要な話ではないが。


「まずこのゲームというのはワタツミが勝手に始めたこと。神に性別の垣根は関係ないこと。ゲームの最終地点は教えれないこと。...他なにかあったっけ?」

「あ、咲起きたの? ねえ出れないからその扉の前にあるって言う柱消して?」

「本当にごめんなさいごめんなさい許してくださいおなかが減りました」


私はルナちゃんが気づかないように細心の注意をして内側の柱を壊し扉を開ける。私の部屋だけ引き戸なのがここで役に立った。そして外側の柱を壊してすぐに出てもう一度柱を立てる。いまさらだけど柱なのは移動させれないからだよ。


「本当に反省したの?」

「...」

「ん?」

「い、いいの? こっちにはハーム君がいるんだよ! ハーム君が惜しければ今すぐここから出しなさい!」

「...人質を取ってきてる辺り反省してなさそう。それにハームくん私そんな気にかけてないからいいや」

「そんな殺生な!?」


この会話昼まで続けれそう。というよりハーム君なにげに巻き添え食らったね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る