第32話そりゃあそれなんだから

「そういえば飛ぶ時なんだかいつもより速く飛べた気がするのだけどもしかして?」

『その服の恩恵だね』

「この服本当に恥ずかしいとこ以外は完璧に近いわね。動きやすいし」


解せぬ。この服にはスカート、しかもフリルまでついているのに空を飛んでいてもそれが動くことは無い。なのに普通に歩いたりすると動く。どういうことなの?


「あなたって神様なの?」

『ん? どうしたんだい急に』

「いやこんなすごい服用意出来たり人に念話をすることができるってあなたが神様なんじゃないかなぁって」

『最初にあった時いったじゃん』

「え? 本当なの?」

『いや最初の時僕「僕の名前は海の神ワタツミだよ」って』

「あれは意識が薄れてって聞こえなかったわよ?」

『そっかじゃあ改めて僕は神だ』

「...ワタツミってどんな神様なの?」


私はあまり神話に詳しいというわけではない。でもゲーム内で聞いたことがあるような気がしなくもない。


『分かりやすく言うと日本神話に登場するポセイドン的な立ち位置』

「えらいのね」

『まあ父がイザナギで母はイザナミだからね』

「それは知ってるわ! 確か日本を作ったって言われてる神様よね?」

『そうだよぉ』

「つまりあなたって。すごいえらい立場なのね」

『じゃあ僕の言うとおりにする?』

「いえ、それとこれとは別。あなたの言いなりになったら私人として終わる気がするもの」


彼に私の身をゆだねた瞬間この服よりもやばいもの着せてきそうだからいやになるわね。でもなんで私なんかのところにそんなえらい神様が?


「ねえなんで私のもとに『そうだ! その服もうそのままあげるよ』

「いらないわよ」

『非常用非常用』

「いつもの服は返してもらえるのよね?」

『収納の中に入れとくだけだよ』


それだけなら? ...は! 私は何を考えているんだ! こんな服もう二度と着ない!


「とにかく! も、もらわないからね!」

『いやぁ。収納の中には入れといてあげる』

「いらないって言ったでしょ!」

『ふぅん』


彼の顔なんてよくわからないがだが今この時はにやにやしていることが感じ取れた。


~~~~~~

私は階段を駆け下りる。今度はループみたいなのはしてなさそうだ。そしてこの会の資料もすべて集めて次の階に行く。


「いったいどこまで続いてるのかしら」

『僕はそれに関して答えないよ』

「別にあなたに聞いたわけじゃない」

『ソウダネェ』


私はその後耽々と資料を回収して行くのを繰り返して6回ほどだろうか。階段を下りて急に当たりの雰囲気が変わった。


「この奥から?」

『そうなんじゃない? それと僕はここからは外に出るまで黙っておくよ』

「急にどうしたの?」

『......』

「はあ。ここからは何を言っても完全に独り言って事ね」


私は服の効果を信じて堂々と道の真ん中を歩いていく。もちろん道の真ん中にネズミが居たら避けて行っているが。それにしても不自然だ。まるでボス前の回廊のように何もない廊下が続いているだけだ。


『(いやそれボスの前の回廊的存在だからだろ)』

「?」


今彼が何か言ったのだろうか? 少し私は馬鹿にされた気がした。


奥に進むにつれ、廊下の幅は広くなっていく。そしてあるところを境に急に広い空間に出た。


「あれが...」


私の目の前には一つの培養液? みたいなのが入った大きいカプセルがあった。そしてその中には人がいる。そしてその手前には電車ほどの大きさのネズミがこちらを向いていた。そこに後ろから「ガタンっ!」と何かが落ちる音がした。


「まさか...ね」


私は恐る恐る振り返るとそこには先ほどまであった扉が封鎖されていた。


「キーーーーーーー!」


ネズミが叫んだ。周りから巨大ネズミが3匹出てくる。こいつらは私を音で感知できるから厄介だ。そして巨大ネズミが出す酸を回避する。


「あなたは私の存在をどれくらい認知してるの?」


私は戦えるように構える。どうして神獣は人間を襲うのだろうか。私はふと思いついたそんなことを忘れるように激しく走り始めた。


◇■◇

知ってますか? 今日2024年、2月の1日、スクラッチというサイトにて傾向に乗っている作品を報告乱用でつまらないことをしようとした人たちが現れました。その中には恐らく調子に乗ったキッズもいるでしょう。自分はこういう他人の努力を自己満足のためだけに壊すのは嫌いですみなさんはしてませんか? だいじょうぶですよね?

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