第25話ポジティブシンキングって大事

私達はここがどこか、どうしてここに来たのか、それらを説明した。ナビゲーターさんが。ルナちゃんは最初ナビゲーターさんの声にも驚いてたけど説明を聞くうちに慣れて普通に話すようになった。


「ようするに僕は君たちのせいで死んだってこと?」

「「そうなるわ(な)」」


するとルナは悩み込むように顔を下に向け腕を組む。かわいらしい。


「まあ異世界に来ちゃった以上前の世界のことなんかいいよね! これからよろしくね!」

「よろしく!」「よろしくな」

「で、僕はなんでこの世界に呼んだの?」


、、、なんでだっけ。確か神獣のあいつを倒すための人手が欲しんだっけ。いや違うな。ええと、そうだ! できたからだ! 招待券作れたからとりあえず作ろうってなったんだ!


「特に深い理由はないの。ただ新しく人が来てくれるならいいなぁって思って」

「えマジなの?」

「大マジだ。ガチで作れるから作ろうぜって感じで招待券作った」


ルナは理由が薄すぎたせいか考えが追い付かず瞬きすることも忘れぽか~んとしている。


「は! 僕は何を」

「考えが追い付かずに思考放棄していたようにみえたわ」

「いや考えが追い付かず思考停止したように見えたな」

「「何が違うの?」」

「知らね」


「そうだルナちゃん今釣り竿持ってない?」

「持ってないよ!?」


するとルナの足元に釣り竿が現れた。


「出てきた!?」

「ナビゲーターさ~んルナちゃん説明してくれない?」


再度ナビゲーターさんがルナに釣り竿やスキルの事について、さらにそのついででこの人工島の事と神獣のことも説明してくれた。それと初耳の情報で神獣と鉢合わせている間はナビゲーターさんの声は私たちに届かなくなるそうだ。


「ふむふむ。なるほどなるほど」

「で、釣り竿強化する?」

「あ、もうできるの?」

「2回できるよ」

「そんなに!?」

「3段階あるよ」

「強化回数は少ない!?」

「現状確認できるレベルではね」


私達はルナの釣り竿を2回強化しそして私たちが明日やろうとしていることを教えた。そして急遽3階を設置、2階を住居スペースにして3階に作物やプランターを移動してご飯食べて寝た。ルナちゃんにはなぜか風呂に入らなくても奇麗なままと伝えたが気持ち的な問題で入りたいらしい。私も入れるなら入りたい。


◇■◇次の日◇■◇


「で、今日はバッテリーっていうのとそれを充電するための装置の素材を探しに行くんでしょ!」

「そうそう。あわよくば装置そのもので置いてあったら楽なんだけどな」

「いつもなら散策だけど今回は神獣がいるから全員固まって動こう」

「そんなに神獣って危険なの?」

「この世界の文明は神獣の急な大量発生で滅亡するくらいには危険よ」

「ほへぇ」

「早く行こう? 捜索する時間が減っちゃう」


私達は昨日と同じように線路の上を歩いて分かれ道を進んで地上に出る。この地上に出るところにはあのサメは来ないのだろうか? 私たちは急いであの塔の中に入る。


「とりあえずサメに合わずに来れたね」

「その点は僥倖だな。後は見つかるかだが」

「私は奥まで探索してないわよ」

「そっか~。じゃあ完全に手探りって感じだね」

「「そうなるね(な)」」


私達は昨日私が下った階段を昇り、私が昇らず下に行った階段を昇る。昇った先では資料のようなものが散乱してたりA型が見たら発狂しそうなほど乱れた配置のデスクがあった。


「これは、、、なにか急ぎごとでもあったか?」

「神獣が攻めてきたとかかな?」

「その可能性が高そうね」

「もしそうならこれ室内も安全というわけではない、ってことの暗示では?」

「そこは焦っていて室内に来れないという事に気づかなかったという事にしておきましょ」

「ポジティブシンキングだよ!」

「じゃあ今からここにある紙に書いてあるもの全部読みましょ」


そういうわけで地獄の資料黙読が始まった。床に散らばっている資料だけでも100枚近くはありそうだけど今日中に読み切れるかな?

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