第17話ナビゲーターが煽ったァ!


「いや頭の上に?浮かばせないで」

「いやいや一人称ってわた・・・しは・・・・・・ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「ちょっとうるさい」

「ああごめん。でもほんとだ。昨日までおれだったのに今日になったら私になってる。なんならちょっとおれって言いづらい」


なんで急に変わった? あの謎の奴と会話した時は違和感なく言えた。だからあいつのせいか? これもしかしてだけど最終的に口調とかも変わる? いやさすがにないか。


「まあ別に変ったところでって感じだしいいか。それより変な夢ってなにぃ?」

「いやなんか夢の中で謎の奴にあってスキルプレゼントしてくれるって言われたから空飛ぶスキルを欲しいって言っていいよみたいな感じの後にあいつ自己紹介しようとしてたけど途切れて起きた」

「スキル確認したら?」


確かにそうだ。ナビゲーターさん、俺の持ってるスキルの中に空が飛べるようなスキルってある?


ーーーーーー

存在・・・しますね。

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何て名前?


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スキル名は《飛翔》、効果として10秒間空を飛べます。クールタイムがあり30秒となっています。

ーーーーーー


「ホントに空飛べるスキル持ってんだけど」

「嘘ぉ!?」

「ホントホント。まあ飛べるといっても10秒間だしクールタイムあるけどね」

「それでも十分強いだろ」


まあそうだよね。空を飛べるってだけでも十分強い。後懸念するところと言ったら・・・速さ、だね。ふわふわ飛ぶのかビューンって飛ぶのか結構大事。個人的にはビューンって飛びたい。


「今試しに使ってみるか《飛翔》」


体が少し空中に浮く。そこから飛びたい方向を向いて飛べ!と念じるとかなりの速度で飛ぶことができた。これは有能。すると突然体が下に向かって重力に従いおちた。少しだけ浮いてる時にちょっとどこに向かって飛ぶか考えすぎた。私はいかだにこのまま落ちるとかなり痛そうなので一度海に落ちていかだに戻る。


《乾燥》


「本当に飛べた。しかももっとスピード出せそう」

「これから探索の時俺ただの足手まといになりそうなんだけど」


まあ最悪私が離兎の事持って飛べばいいし。・・・離兎の事私持てるかな? 持てたら持てたで離兎になんか言われそうだけど。


「ま、まあいかだの開拓とか他にもやることあるし。ね?」

「戦力外通告された」


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情けない

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「正人それはひどくない?」

「え? 今のナビゲーターさんだよ?」

「「え?」」


ーーーーーー

私は自立した身。その気になればスキル所有者以外にも私の声を聴かせることはできます。あまりやろうと思っていませんでした。

ーーーーーー


やろうと思っていなかったのに離兎を煽るためだけにわざわざやったの? ナビゲーターさん煽り厨なの?


「煽るためだけにやろうと思ってなかったことをする。煽り厨の鑑じゃん」


ーーーーーー

それほどでも。褒めても何も出ませんよ。

ーーーーーー


「このナビゲータークッッッッッッソ腹立つな!」

「落ち着いて深呼吸しよう」


スウゥハアァ


「お前がしても意味ないだろ」

「私が落ち着ける」

「まあうん。で、実際おれ探索次回からお留守番?」


それに関しては悩みどころである。探索能力のみを考えると正人一人で行った方が効率はいい。だが戦闘になったときのことを考えると離兎もいた方がいい。どちらも一長一短だ。


「時と場合による・・・かな?」

「そうか。まあ一応まだ行けることはあるってことだな」

「戦闘の時とか力仕事とかかな?」

「肉体労働のみか」

「・・・」


いやだって知識とかが問われるのは私だけで攻略できる自信あるもん! 一応私慶応出てるんだよ? めっちゃ難しいかひっかけかとかじゃないと解ける自信あるだよ。


私は沈黙したまま操縦桿に向かって歩き操縦かんを握りレバーを下げエンジンを起動する。


「風になって忘れよっか?」

「うん。そうする;;」

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