第13話放射線蔓延洞窟

これから1週間ほど更新が止まります。パソコンのメンテナンスなので許してください。


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「とりあえず。離兎はここで釣りをしててくれるかい?」

「その理由を問う。」

「俺この島を探索してくるから。」


離兎は探し終わったって言ってるけどまだ見つかってないところがあるかもだからね。滝の裏とか? 茂みの中にある洞窟とか?


「まあいいけど。⋯死なないでね?」

「スキルの《帰宅》って知ってる?」

「そういやそんなんあったな。」


俺は離兎をいかだに残し一人島の森の奥深くへと潜っていった。森は静かで数十m先と思われるところからの音も聞こえた。この音は多分川だろう。奇麗だったら回収したいな。


俺は水の音がする方へと歩く。その先には川と水を飲んでいる鹿がいた。俺はジビエはおいしいとは聞いたことはあるが。実際に食べたことはあるね。つい昨日クマ肉食べたわ。でも鹿肉はない。から食べてみたい。そうだ。


「変身(ボソッ」


俺は気配を消し槍をなたに変身させた釣り竿で削り釣り竿を弓に変身させる。そしてまだ鹿は水を飲んでいる。


槍を削って矢(羽根無し)を作り弓に番え心を落ち着かせる。中学、高校時代は弓道部であったため、羽根がないこと以外は心配はない。羽根がないこと以外は。


俺は矢(槍)を放つ。一直線状に飛んだ矢(槍)は途中でというより秒で変な方向に曲がったし落ちた。鹿は音に驚いて逃げた。


・・・そりゃそうだ。羽根は進行方向が曲がらないようにするためだしこの体になって力も弱くなってるからね。もしかしたらスキルがついてなんかいい感じにならないかなぁって思ったけどそんなに現実は甘くないね。水を回収しよう。これ収納可能かな?


問題解決策ヘルプ


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収納できます。

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よし。《収納》


川を遮るように広がった黒い幕のようなものは水をどんどん吸っていった。この収納に収納の上での上限はないのだろうか。


俺は収納をやめて再び森の奥に向かって歩き始める。やはり静かだ。というより静かすぎる。鳥のさえずりさえも聞こえない。止まって全神経を集中させても何の動物の気配も感じない。


異常だ。


常に警戒をしていないとダメそうだな。


俺は先ほどよりもゆっくりと周りを見渡しながら奥へと進む。だがやはり動物はいない。さっき島を捜索した時はかなりいたはずのクマも見当たらない。


「明らかにこっちって感じだな。」


俺は獣道を見つけた。だがこれはまるで何かから逃げるかのように乱雑に草たちが倒れている。この足跡の形と大きさは、クマ⋯だな。クマが逃げるほどのものが奥の洞窟にはあるのか? 森林の中ではカースト上位の存在であるはずのクマが。逃げるような何かが。


俺は獣道の元の方にある洞窟へと歩き出す。と、思ったがさすがに危険そうだからいったん帰る。


《帰宅》


「お帰り。速かったね。何か見つかったの?」

「いや、見つからなかった。でもクマが逃げ出すくらいにはやばいものがありそうな洞窟があった。」


「そんなとこあった?」

「お前は見てないのか? 近くに小さめの滝があって他に亀みたいな形をした岩もあった。」


一応戻ることも考えて目印となるようなものを見つけてはいたが簡単に目印として見えるものが近くにあるのに離兎は知らない? 島全部を周ったと言っていたのに?


「もしかしてあそこか? 爆破出来そうな岩の壁で塞がれてたところ。そこだよ。」


・・・なぜ壊れた? こいつはいつ崩壊してもおかしくないのに重力に逆らうようにあって触れたら反発されるといった。それがこのタイミングで壊れる?


「もしかして俺が来たから壊れた?」


このタイミングで壊れたとなるとましてや俺が来たから壊れたならそれは中に行けって事だよな?


「もしそうだとして、どうするんだ?」

「やるしかないだろ。」


「中に入るぞ。武器を作る。お前はどんな武器が欲しい?」


「そうだな。ナイフとかない?」

「分かった。出し惜しみはできないから鉄製で行くか。」


俺はナイフを3本ほど作った。そして俺たちは武器を収納にしまいさきほどの洞窟に向かって歩く。


~~~~~~


「ここだな。」

「やっぱりここが例の岩で塞がれてたとこだよ。」


なら本当に中に入らなきゃいけないって感じだな。


「行くぞ。」

「おう。」



俺たちは洞窟の中に入った、中はコケが生えており周りは一面緑色だった、コケがない場所もなぜか緑色になっていた。それも蛍光色に近い緑色に。


中を捜索している途中、少しずつだが体調が悪くなってきている。離兎はあまり我慢ができないタイプなのか我慢はしているが体調が悪そうなのが顔に出ている。そして俺たちは奥に人工物らしきものが見つかったため一時的にその中へ避難することにした。


「ハァハァハァハァ。なんだこの中から来る変な感じは。」

「やっぱり離兎もか。」


中に入ると外では感じたあの変な体調が悪くなる感じは感じなくなった。ので体調がよくなるまで一時的に中で休憩することにして中を捜索することにした。


「なあ海崎、この服って防護服ってやつか?」


離兎の方に行くとそこにはオレンジと黄色の防護服が10着ほどあった。何着かは壊れている者の他は使うことができそうだ。


「もしかして俺たち放射線が蔓延ってる中を歩いてた?」

「それ思ったけどもしそうだったら治らなくない?」


『『スキル《放射耐性》を入手。』』


やっぱりそうだったのね。体調がすごい勢いでよくなっていく。⋯⋯《問題解決策ヘルプ


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耐性がついた状態ならば放射線の中を歩いても大丈夫です!

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「よし、行こう。」

「ええ、ちょっと引き返したい。」

「文句言わない。」


俺たちはひたすらに無言でいつ何が近づいても音でわかるようにゆっくりと進んだ。


「これで最後かな?」

「最後が物々し過ぎると思うんだ。」


・・・それもそうだな。最後に来た扉が明らかにごつくて分厚い感じがするからな。奥に一体何があるっていうんだよ。


俺たちは全力で扉を押して扉を開けた。奥には体色が緑色になり目が蒼と赫のオッドアイなオオカミだった。

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