第6話船をかけたたたかい

やっぱりスキルの《水泳スイマー》があるとしても服があると泳ぎづらいな。かと言って服を脱いだら負けた気がする。だから脱がない。


そしてこの海魚がやけに少なくないか? いつもあんなすぐに釣れるのにこの量はあり得ないだろ。もし俺が釣りまくったせいだとしてもいかだは漂流、流されてるんだぞ。こんな周りを見渡しても2,3匹しか見つからないはおかしいだろ。



向こうにひと際大きい魚がいるな。こっち向いたあれは。サメ?


『個体名 船喰らいと遭遇しました。これより討伐するまでの期間不定期的に船の周りに現れて海に入ったものを捕食、船の破壊を行います。』


まじで? 速めに討伐しないとまずいタイプじゃん。助けて!《問題解決策ヘルプ》!


ーーーーーー

でしたらばまず使用する武器は槍がいいいでしょう、リーチがあります。海の中でも陸上と変わりないスピードがある今なら当ててぎりぎり避けることができるはずです。建築物は破壊に時間がかかります。その時間に攻撃するのも1つの手です。

ーーーーーー


まじでホントヘルプって有能! これなかったら俺死んでたと思う。じゃあ魚を取るように作った槍をインベントリから出して。そういえばいまさらになるけど俺無意識にインベントリが使えてたことについさっき気づいた。準備OK! 一狩り行こうぜ!


さて、少しづつ左に動きながら、来た! ここ! そしてそのまま左に避ける! 避けれた!


これの繰り返しか。すごいいつもなら疲れないようなのに命がかかってるってのがあるからすごい疲れる。なのに与えれるダメージは割とかすり傷だな。


また来た! 当てて避ける! なっ!? 避け切れなった。血が、もしかしたらほかのサメが来るかもな。いそいで倒してここから離れないとな。


『スキル《自動修復オートヒール》を入手しました。』


傷口が一瞬で治った。スキルありがてぇ。でも血は戻って来ないから失血死には気を付けないとな。



あいつ俺の場所が分からなくなった? まさか血でどこにいるのか嗅ぎ取れなくなったのか? なら隠密だ、気配を消してゆっくり静かに狙うは目。かなりのダメージになるはずだ。


『スキル《影皆無デスシャドウ》を入手。』


急にスキル名中二臭くね? 影が死ぬってそれそのままいったら本体も死んでるのよ。なんなら本体が死んだから影も死んだんだよ。影皆無って悪口か? 悪口なのか? 学校でいつもグループ作るときに先生とやってた俺への当てつけか?


ああ思い出すとめっちゃ腹が立ってきた。腹いせにこいつを殺す!


『スキル《憤怒》を入手しました。』


新しくスキル入手したけど今はそんなのはどうでもいい。突進だぁ!


『スキル《縮地スタートダッシュ》を入手しました。』


「うわぁ最初の1歩が速すぎるぅ! うまく制御しろ! 先週あたりを思い出せ! あの会社内に社長が酔っ払った時のノリでできた爆走不停止伝達新幹線から資料を取り出してたあの日を!」


俺がサメの横を通り過ぎる直前に槍を両手で持ち穂先がサメの鼻に突き刺さるように持った。槍はサメに刺さった。鼻に奇麗に刺さった。


『個体名 船喰らいを討伐しました。報酬としてパドルと鉄の罠を入手しました。』


報酬か。まずパドルね、これは・・・オールみたいな? そうだなんで毎回存在忘れちゃうんだろう。


問題解決策ヘルプ


ーーーーーー

ええパドルはオールのようなものです。パドルとオールの違いはオールは自分の進みたい方向に背を向けてボートで使うもの。パドルはカヤックやカヌーに使われる。進みたい方向を向いて・・・ああもう! 結論! パドルもオールもほとんど同じです!

ーーーーーー


最後急にやけくそになったな説明するのがめんどくさくなったのだろうか。というかやっぱりあれ人がやってるでしょ。次に、鉄の罠だね。新しい素材が入手できるといいな。


さて、いかだに戻るか。ええと、・・・いかだ⋯⋯どこだ?


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る