第2話装備より先に武器

まずは深呼吸。落ち着け俺。とりあえずこの《建築ビルディング》とやらについて考えよう。


察するにこれはいかだを改造できるタイプのスキルか? もうずっとゲームなんてしてないから分からないな。


「ええい。どうにでもなれ。《建築ビルディング》」


すると目の前に商品のラインナップのようなウィンドウが現れた。


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現在建築可能物はありません。

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何にもできないんかい! ちょっと期待しちゃったじゃん。


「むう。じゃあ次に。《インベントリ》!」


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インベントリ収容物一覧

・魚A

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「う~ん。魚Aってさっき釣った魚だよね。名前ないの?」


!?


なんだか一瞬背筋が凍るような感じがした。これ以上考えるなと言わんばかりに。


考えるのはやめとこう。


「魚Aは今出してもできることなさそうだしまた釣りをするか。」


そして本日2度目の釣り竿投入。


今度はかかるのに1分くらいかかったこれでも速いよね。この釣り竿フェロモンでも出してるのかな? リールをまわすとやっぱり軽かった。


「よいしょっ! さっきとはまた違う魚だ。また消えた。」


『インベントリに魚Bを追加しました。その他木材4つ、石材を1つ入手。』


「う~ん昔のゲームなら床を造るのが一番簡単かな?多分木材10個くらいいると思うけど。一応見ておくか。《建築ビルディング》」


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建築可能物

・木製の質素な床 木材×5

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床自体は木材5つでできるのか。耐久性が心配だけど造ってみるか。


そう思いウィンドウの「木製の質素な床」をタップする。すると目の前に青色の半透明な床が出てきて自分の視界に合わせて動き始めた。視界の端に「ここに置く」と書かれたウィンドウがある。


なので別にどこにおいてもいいが一応位置を調整して置く。


『新たに床を1枚設置しました🎉 イエーイ。』


「なんか言わされてる感すごくない!? そんなに言いたくないなら言わなくていいんだよ!?」


まさかの棒読み技術にさすがに俺もびっくりした。さっき海に落ちた以来だわ。・・・そんなに前じゃないな。この謎の声俺をめっちゃ驚かせてくるな。海に落ちて溺れてほしいのか?


「う~ん別に広くなったからって何か大きく変わるわけないもんな。やっぱり釣りを続けてもっと資材集めるしかないのか。とりあえずまずは木材50個くらいか? 10匹じゃ足りないだろうし15匹くらい釣ってみるか。」


地獄の釣り耐久

1匹目、魚A

2匹目、魚B

3匹目、魚C 木材6つ、石材3つ

4匹目、魚A

5匹目、魚A

6匹目、魚A 多くね!?

7匹目、魚B

8匹目、魚A

9匹目、魚B

10匹目、魚C

11匹目、魚A

12匹目、魚B

13匹目、魚A

14匹目、魚B

15匹目、魚A


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合計資材木材56、石材11

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「さて、なにか新しく作れるものが追加されてないかな。《建築ビルディング》」


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建築可能物

・木製の質素な床 木材×5

・木製の少し丈夫な床 木材×10

・木製の丈夫な床 木材×20

・木製の罠 木材×20

・木製の壁 木材×30

・木製の扉 木材×35

・木製の椅子 木材×50

・石製の床 石材×5

・ロッドの強化 木材×50、石材×10

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ロッドの強化? ロッドって・・・なんだ? 棒? ロッドって確か棒だよな他何か意味あったっけ? あっ! 分かった釣り竿の事か! 一回も釣りしたことないし釣りに関する用語も何も知らないからこういう時つらいな。


強化したらどんな恩恵があるんだ?


う~んまあでも俺はいつも装備より武器を優先するタイプだし強化に全部回すか。


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本当にロッドを強化しますか? はいyes/いいえno

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い、イエ、え、待って~確認してくるって怪しく感じてくる~。怖いけどイエス!


『ロッドを強化します。激しい光の点滅があるので注意してください。』


激しい光の点滅?


その瞬間だった。釣り竿がとてつもない光を放ち始めたのだ。


「目が! 目が! すっごい目が痛い~。」


急いで目をふさぎ光の点滅が収まるのを待っていると光の点滅も収まったので目を開けて手をどかす。釣り竿があった場所には色と形が変わった釣り竿だった。


「なんか神々しさがなくなって逆に黒と紫の悪魔とかみたいな釣り竿になったな。」


『ノーマルロッドはイビルロッドに進化しました。』

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