EP13 コンフリクトディメンション -Conflict Dimension-
第36話 新たな翼
「
『
二人同時に出撃は少し久しぶりだったからか少し興奮していた。状況が状況じゃなければと言いたいけれど基本こいつらを出す時は艦内アラームが鳴り響いてる時だ。
ハンガーから勢いよく飛び出したRe/RiseTwelveは主翼から円形のプラットフォームを形成し始める。
「複合式プラットフォーム【グリフィン】展開完了」
今回から愛機も生まれ変わっての出陣だ。気合いが入るな。
『こっちもガルムの準備できてるぜ』
前回やられたところの補修をしたのちに最終決戦が来るんだったらという程で開発されたものを積んでの戦闘だ。さて、どうなるか楽しみだな。
「敵は思ったより多いな。10、10でいけそうだな」
無理のない範囲でいこう。まだまだこの戦いは始まったばかりだ。体力の温存も後々響いてくるであろう。
『わあったよ、さっさと片付けるぞ。増援が来る時間も考慮して数分でやる』
「了解」
さっさと片付けちまった方が色々楽だからな。
「精々気張れよ」
『そっちもなぁ!』
いつものルーティンのように掛け声合わせて敵陣に進んでいく。
「オーケイ」
すぐに一機目をロックしトリガーを弾く。新しい武装のグリフィンからもレーザー弾とビーム弾の両方が放たれ、火力としてはもはやオーバーキルくらいの火力で敵機を破砕する。
「次!」
進行方向にいるもう一機を発見し、すぐにロックオンができ次第トリガーを弾く。見事に数発ほど命中し、敵機は力なく少し進んだのちに機能が停止する。
『まだまだ!いけ!ガルム!』
向こうも新兵装を試しているようだがなかなか出来はいいようだ。
「そうだ。まだまだいくぞ!」
こっちもまだまだ足りないんだ。行け!もっと速く、その先まで!
「こっちか!」
高速でドリフトをしながら回り込むようにレーザー弾を撃ち、破壊しながら次の目標へと飛んでいく。
「そっちは大丈夫なのか?」
向こうは向こうで苦労していたら煽ってやろうと思ったけれど。
『余裕だってのッ!次だ次!』
向こうも順調そうでまぁうんと言った感じだ。相変わらずコイツの操縦スキルは本当にすごいなと関心する。
「じゃあいただくよ!」
グリフィンとの相性はいいはずだが、と思いながらフィーバーモードへ移行するスイッチを弾く。すると、グリフィンは円形から主翼を包むように展開され、主翼の大部分が砲門に埋め尽くされるような形で変形する。
「いけ!」
そう言いながらトリガーを弾く。するとまるで雨のように機体前方にレーザー弾とビーム弾が降り注ぐ。
「これはすごいな」
コックピットから見ている景色だともはや弾幕が濃すぎて何も見えなくなるのが難点なんだが、爆発を確認したので撃墜でいいだろ。
「はい次」
次は音速モードを試すか!そう思いながらフィーバーモードと音速モードを切り替える。始めは通常のモードとあまり変わらないが、少しずつグリフィンが変形して通常モードとは違い、音速モードではよりグリフィンの円が鋭く傾いている。
「これはって…うお!」
機体を進めようと操縦桿を少し前にしただけで思ったよりもスピードが出てびっくりした。
「ピーキーだなこれ。あとGが思ったよりくるな!」
Gはコックピット内の色々が軽減してくれているのだが、それを悠に超える速さ!
「これならあれができるかぁ!」
高速で敵機に接近する。少しでもズレると大幅に外れるから修正は必須。そろそろだ、3,2,1!
高速で接近し敵機の頭上スレスレを通り過ぎていく。その通り過ぎる刹那にミサイルのトリガーを弾き、ミサイルを出せばあらま不思議、通り過ぎた瞬間に破壊できるじゃあないですか。
「はあ、はあ、これはすごいけどちょっと使いづらいかな」
Gで体が思ったよりも疲弊する。あまりいいものじゃないと思いすぐに通常モードへと切り替えた。
「じゃあ次だ」
次の敵を探すためにスキャンをかけていたがそこに一機後ろにつかれていたらしく、一発そこでもらってしまったが、グリフィンのシールドが強すぎてノーダメージだった。
「当たったのか?一応シールドに反応あり、にしてもすごいな」
そう感心していたのも束の間後ろについている一機に思いっきりレーザー弾を浴びせられる。
「うおおおお!それでも機体には届いていないのか!」
シールドに弾が当たる音と当たった衝撃がコックピット内に響く。正直言って結構怖い。
「これならこうだ!」
推進システムを一旦切り、姿勢制御のシステムだけであとは慣性に添わせながら機体を滑らせる。この機体ならいけそうだ。姿勢制御バーニアと一瞬だけの加速で機体を後ろに向かせ、後ろについている敵機に照準を合わせトリガーを弾く。意表をつけたようでなすすべなく敵機を撃破できた。
「あぶなぁ」
これは機体の性能によって助けられたと言ってもいい。少し油断しすぎたな。
「反省反省、よし次だ!」
加速をまたかけ、流れるように逸れた一機をさっさと撃墜する。
「こんなもんじゃないだろ」
スキャンをかけ、また敵機の反応のある方向へと加速をかける。
『こっちはそろそろ終わりそうだ。ガルムなかなかいい出来だわ』
「そうかい、っし」
終わった報告をしてきたティルと会話をしながらまた一機を加速して抉り取っていく。
「それならガルムをこっちに寄越してくれ」
向こうはガルムっていう無人機を使ってるんだから速く終わっていると思うが、それだけじゃないと言えることもわかっている。
『仕方ねぇな。そら』
ガルムが急速にこちらの宙域に向かってくるのを反応で確認したため、すぐにこちらも新しい獲物へ目掛けて飛んでいく。
「ティル、先に中にいけ。オルトたちが心配だ」
トリガーを弾きながら、飛んでくる衝撃を感じながらあるとのことを考えた。少し時間が経ったが任せるとは言ったもののすごい心配になっている。
『わかった、すぐにこいよ』
そうだな、すぐに追いつくさ。
「あと二機か」
敵機の一機がこちらに向けて飛んできていた。旋回とお得意のドリフトをカマしながらヘッドオンの体勢に入る。
「次!」
ヘッドオンしていた敵機は数発こちらに撃ってきていたがロールを駆使しながら避け、こちらは火力で黙らせる。前よりも速く、そして火力も倍増しているこの機体に勝てると思うなよ。
ラスト一機を確実に殺そうと思い敵機の把握をした途端反応が消える。ティルのガルムが敵機を撃破したんだと思う。
「あれも大概やばいな」
元は星間同盟製の無人兵器ではあるのだが、ナノの子機を使っているため拡張性が段違いになったらしく今の安定した強さになったらしい。
「追いつくぞ」
一応Re/RiseTwelveの信号も偽の帝国の信号にしておき、TenCryとは別の場所に停めていく。
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