第44話

「もしかして 乗っているのはヒュー君か!?」


 リーダー風の男が、察して叫ぶ。


『はい

そうです』


 ややこしくなるから、素直に答える。


「どうした………

いや とりあえずモンスターを倒してくれ」


 感情が、グチャグチャになるリーダー風の男。


『………はい

やってみます』


 モンスターは、こちらに敵意を向けている。


「たのんだぞ」


 リーダー風の男が、念押しする。


『よーし』


 外との会話から、コックピット内に意識を集中させる。


「なにが 使えるんだ?」


 装備を、確認する。


「マシンガン………

これにしよう」


 マシンガンを、手にすると、


ガッガッガッ


 モンスターに、めがけて発射する。


「おお

効いてる」


 だいぶ、ダメージを与えることに成功した。


「弱らせたら 捕獲しよう」


 どちらかと言えば、こちらが勝手に荒らしているので、なんか殺せない。


「よし 捕まえた」


 モンスターの首を、押さえ込む。


『よーしよーし

暴れるな』


 めちゃくちゃ暴れていたが、だんだん大人しくなる。


「ヒュー君

なにをやっている ??」


 リーダー風の男が、首をかしげる。


『今のうちに サクッと調査やって下さい』


 この状態で、調査が終わり次第解放してやろう。


「よし わかった」


 と、思ったが、


ガウッ


 ロボットの、ボディーがツルツルのせいかどうも遊びが出る。


「ヒィッ」


 もう少しで、かじられそうになったヘンナリクツ。


『トウッ』


ギャヒ


 モンスターの、首に手刀を打ち込み気絶させる。


「ヒュー君どうなった ??」


 リーダー風の男が、確認する。


『気絶させました

今のうちに』


 いつまで持つかな。


「ああ わかった

よし 行こう」


 左手を、振るリーダー風の男。


「了解」


 ヘンナリクツが、進もうとすると、


「どうしたんですか ??」


 後発隊が、やって来る。


「遅いよお前ら」


 やっと、チカラが抜けるヘンナリクツ。


「すいませーん

途中で 人間自動販売機を見つけちゃいまして」


 スベリ台のような構造を、滑って楽しんでいた。


「お前らそれ押したの ??」


 イラッとするヘンナリクツ。


「えぇ」


 顔を、見合せて笑う兵士たち。


「押したの? それでどうなった ??」


 真剣な眼差しのヘンナリクツ。


「どうもこうもねぇ?」


 ニヤニヤが、止まらない。


「ハハハハハ」


 笑い合う兵士たち。


「なんだよ !!」


 怒りだすヘンナリクツ。


「逆に 押さなかったのは なぜです ??」


 どんな男でも、押したくなる。


「押すなって言われて………」


 リーダー風の男に、止められて。


「あーあ押しときゃよかったのに」


 肩を、すくめる兵士。


「なんだよ 教えろよ」


 早く、答えを知りたいヘンナリクツ。


「全裸のなぁ」


 ジェスチャーする兵士。


「そう全裸の」


 別の、ジェスチャーをして煽る兵士。


「全裸………

なのか全裸の女性か ??」


 いきなり、小声になるヘンナリクツ。


「そうだよ 落ち着けって」


 顔色が、真っ赤のヘンナリクツを落ち着かせる。


「これが 落ち着いてられるか」


 ますます、興奮するヘンナリクツ。


「おう オレたちもビックリだぜ」


「クレイジーだ」


 終始、笑顔が絶えない兵士たち。

 ザイルピックは、落ち込んでいるが。


「うわーチャンス逃したー

それで 女性はどうした ??」


 イライラが、ピークのヘンナリクツ。


「それなら 搬送して行ったぜ」


「今は 医務室で おねんねしてるだろうよ」


 ヘンナリクツを、イジり疲れた兵士。


「うぉー

早く任務を終わらせないと」

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