第40話

「クソッ

どうすれば」


 苦虫を、噛み潰したような顔をするリーダー風の男。


「ヤツも 頭部になにか仕込んであるかも知れない」


 リーダー風の男が、ヘンナリクツを見る。


「よし」


 ロボットの、頭部に弾丸が命中するのだがビクともしない。


「チッ

首だ首を狙え !!」


 リーダー風の男が、目標を変える。


「ウォーーー」


 積極的に、撃ちまくるヘンナリクツ。


ビシッ

カンカラン


 首に、弾丸が数発当たって首がもげる。


「これでどうだ ??」


 しばらく固まっていたが、バタリと倒れて動かなくなるロボット。


「………よし

後は 後発チームに任せよう」


 フッ、と一息つくリーダー風の男。


「なんか 面白そうなのがあります」


 ヘンナリクツが、半笑いで指差す。


「人間自動販売機………

おい 押すなよ」


 妖艶な、女性の描いてある装置のボタンをヘンナリクツが押そうとしている。


「えっ

それはどっちですか ??」


 妙に、ニコニコしているヘンナリクツ。


「やめろ押すな !!」


 ヘンナリクツの、なにか雰囲気がおかしいと感じるリーダー風の男。


「えーっ

だって話が聞けるかもしれないじゃあないですかぁー」


 そんな装置から出た人間が、話が出来るのだろうか?


「おい どうしたジム !!」


 なかなか、ボタンから手を外さないヘンナリクツ。


「なんか さっき警備ロボに顔をなめられてからおかしいです」


 雰囲気の変化を、ボクも見た。


「おいジム

本当かお前!?」


 リーダー風の男が、必死に止める。


「おかしくなんかないですょオー」


 ボタンを、いじりまくるヘンナリクツ。

 今にも、押しそうだ。


「イイから ボタンから手を外せ」


 銃を、ヘンナリクツに構えるリーダー風の男。


「えー」


 余裕の、笑顔を見せるヘンナリクツ。

 本当に、おかしくなってしまったのだろうか?


「ゆっくり

ゆっくりと」


 リーダー風の男が、なんとかなだめようとする。


「ハァハァ」


 息づかいが荒いが、ゆっくりと指を下げるヘンナリクツ。


『チッ!!』


 なんか、聞こえたぞ。


「えっ ??」


 周囲を、見るボク。


「どうしたヒュー ??」


 リーダー風の男が、聞く。


「今 舌打ちが聞こえて」


 空耳かな。

 レセアは、来ていないし。


「えっ

ジム お前か ??」


 ヘンナリクツの、胸ぐらを掴んで立たせるリーダー風の男。


「違いますっ」


 頭を、振って否定するヘンナリクツ。


「そうかわかった

腕立て伏せ10回」


 リーダー風の男が、容赦ない指示をする。


「了解」


 サッと、はじめるヘンナリクツ。


「かわいそう」


 つい、声に出してしまった。


「よし 次のフロアに行くぞ」


 リーダー風の男はリーダー風の男で、このダンジョンを楽しんでいる。


「ハァハァ

了解」


 だいぶ、息があがってきたヘンナリクツ。


「どうした? だらしない」


 ムッとするリーダー風の男。


「いえ………」


 あきらかに、別の方を見ているヘンナリクツ。


「そうか

じゃあなんで あの自動販売機を見ている ??」


 ヘンナリクツの、目線の先にはあの自販機がある。


「1回だけ

1回だけやりたいんですが………」


 案外、こういうのやりたいタイプだったんだね。


「却下だ

行くぞ」


 あえなく、止められるヘンナリクツ。


「了解………」

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