第6章

第36話

「残りの人数を 2チームに分けよう」


 リーダー風の男が、チームを分ける判断をする。


「ジャンケンでも しようってか?」


 半笑いで、からかう兵士。


「いや違う

オレとジムで先行する」


 リーダー風の男が、まじめそうな兵士をバディに指名する。


「あのー」


 おそるおそる、手を上げるボク。


「どうした? えーとたしかヒュー」


 リーダー風の男が、真っ直ぐ見て来る。


「ヒュー・ウイリアムです

先行チームに入れて下さい」


 ボクは、やっぱり早く見たい。


「そうか

大歓迎だヒュー君」


 無謀な、申し出をあっさりと受けてくれるリーダー風の男。


「はい」


 なんだか、ホッとする。


「我々3人が ガードロボの排除をする

後発は 調査しながら付いて来てくれ」


 指示するリーダー風の男。


「「了解」」


 みんな、声をそろえる。


「よろしくヒュー」


 握手を、求めるリーダー風の男。


「あっはい

よろしくお願いします」


 ギュッと、手を握る。


「僕はジム・ヘンナリクツです

よろしくねぇ」


 次に、リーダー風の男が指名した男だ。


「よろしく」


 軽く、握手する。


「それじゃあ 登ろうか」


 リーダー風の男が、階段に足を置く。


「はい」


 なんとか、置いてきぼりにならないようにしないとな。


「よし

ゴーッ」


 合図して、すごい速さでかけ上がるリーダー風の男。

 必死に、その後を追う。


「ったくヒューのヤツ

よくやるぜ」


 ザイルピックが、肩をすくめる。


「よーし

オレたちもボチボチ行きますか」


 リーダー風の男に、つっかかっていた男がこのチームのリーダーだ。


「いや

おれは残るよ」


 苦笑いしながら、そう言うザイルピック。


「ハァ? チームは2つに分けると言っていただろ

オレの顔に泥を塗るつもりか ??」


 確かに、3チーム目はない。


「いやそんなつもりは………」


 冷や汗の出るザイルピック。


「イイから登れ

ケツの穴が もう1つ増えることになるぜ」


 自動小銃で、ザイルピックの腰を小突く兵士。


「ヒッ」


 顔色が、青ざめるザイルピック。


「さぁ みんなも登った登った!」


 左手を、ブンブン振る兵士。


「了解」


 ゆっくりと、登りはじめる。


「ハッハッハッ」


 リーダー風の男の、すぐ後ろを付いて行くボク。

 でも、全然ペースが落ちない。

 ジムは、徐々に遅れている。


「おい ヒュー

なかなかイイ動きするじゃねぇか」


 どうやら、リーダー風の男に気に入られたようだ。


「そうですか ??」


 それより、この速さで会話が出来るとかリーダー風の男は、バケモノか。


「最近は軍隊より国連ハンターを希望するヤツが増えてな」


 国連の、常任理事国の拒否権が1国1票から1国0.5票になり、1国で暴走することは出来なくなった。

 もう1つ、暴走を止める実力部隊として国連バウンティハンターの制度が導入された。


「へぇー」


 UNReとは、何かと対立する国連ハンター。


「よかったら 口利きで入れてやるぞ」


 米軍に、スカウトされるボク。


「うれしいですね

そう言ってもらえるな───」


 そう、言いかけた時、


ビューーン


 ビームが、空気を切り裂く。

 ギリギリで、かわすボクとリーダー風の男。


「おっ

お出ましだぜ」


 なぜか、うれしそうなリーダー風の男。


「固定式のレーザービームだな」


 ヘンナリクツが、追い付く。


「ジム

狙えるか ??」


 リーダー風の男が聞くと、


「了解」


 銃を、構えるヘンナリクツ。

 狙って撃つ。


「よし」

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