第25話
「なんでモンスターの方に行くの
戻って来て !!」
止めるティファ。
「こっちだ !!」
モンスターの、横にまわって石を投げる。
ギシャ
「そうだこっち来い」
一瞬、横を向くモンスター。
だが、ティファの方に突進する。
「ヒュー !!」
這いながら、逃げるティファ。
「こっちだって!」
今度は、目の下に石をぶつける。
そうすると、完全にボクの方を向く。
「よーし
付いてこい」
ゆっくり、後退する。
ターゲットを、ボクに決めて突進して来るモンスター。
「わーッ
こいつ見た目に反して速いな」
全速力で、逃げる。
「ちょっヤバッ」
背中に、モンスターの鼻先を感じる。
足下が、滑りまくる。
「今だ
撃てーッ」
上の方から、声がして見ると銃を構えた5人ほどの村人が横一列になってモンスターを狙っている。
ドドッ
「ウワッ」
風を、切る音。
何発か、モンスターに命中して背伸びするように起き上がるモグラモンスター。
しかし、効いていないようだ。
「勇者さま
大丈夫ですか ??」
屈強な男に引っ張られ、穴から脱出する。
「いや ビックリだよ」
こんなことが起きて、イイのか。
「今のうちにこちらへ」
半ば、強引に連れて行かれる。
「えっ
うん」
どこに、向かっているんだ?
「こちらです」
ここは、首領の家だ。
「おおよく来たヒュー」
首領が、出迎える。
「首領
なんかすごいモンスターが───」
そう、言いかけるが、
「ああ わかっておる
言い伝えにあれが出て来る」
どうやら、出現をわかっていたような言い回しだ。
「マジですか………
それでボクがあのモンスターを倒すと ??」
まさかと、思いつつ聞くと、
「そうじゃ」
うなずく首領。
「あんなの戦車じゃあないと倒せません」
どうも、銃弾が効いてない。
「それがこれで倒せるということなのじゃ
受け取ってくれ」
全体が、青サビのなにかを手渡す首領。
「なんですかこ
ウォッ重ッ」
なにか、金属製の剣のようだ。
「銅で出来たロングソードじゃ」
たしかに、形はロングソードなのだがサビていて切れ味とかのレベルじゃあない。
「………いきなりコレを渡されたからって勝てるワケねぇっすよ?」
そもそも、剣を振るったことが無い。
しかも、めちゃくちゃ重いし。
「いや 勝ってくれ」
ボクの肩を、ギュッと握って来る首領。
「イヤ無理───」
と、言いかけた時、
「キャーーーー」
女の、悲鳴だ。
ドゴーン
建物が、壊れる音もする。
「首領さま !!」
村人が、駆け込んで来る。
「どうした ??」
倒れ込む村人を、抱き上げる首領。
「モンスターが村の家々を破壊して村人を食べています !!」
悲惨な状態を、報告する村人。
「なんじゃと」
苦しい表情になる首領。
「仕方ない
この剣でやり合ってみる」
実は、スゴい能力がある剣かも知れない。
「お願いします
ヒューいや勇者殿」
懇願する首領。
「………わかった」
どうせ、ダメ元でやるしかない。
「勇者さまが通る
道を開けろ !!」
首領の、配下の者が声をあげて野次馬がどけていく。
「もう好き勝手はさせないぞ
くらえ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます