第6話
『あなたね
探し求めていた───』
レセアの姉が、うれしそうに言うがそれを遮るように、
「ちょっと なんのこと? 記憶喪失となにか関係があるのか ??」
レセアに、詰め寄るヒュー。
「ねぇー
ヒューなにしてんの ??」
ヒューが、入って来るのが遅いので心配になり様子を見に行くティファ。
「この人が 入って来ていて」
レセアを、指差すヒュー。
「えっ誰? あれっナンシーじゃないの
ねえエミリーちょっと来て !!」
ジュレルの、青い光にあてられてレセアがナンシーという同級生に見えたティファ。
「あら ホントだ
1コ下の本当の学年首席」
エミリーにとっては、1学年下のティファの同学年で後輩だ。
「本当のとか言わないでよ
アタシが首席よ」
そこに触れると、怒りだすティファ。
「ハイハイ
あなたの成績より上の人は 放射性物質を嫌ってアメリカを出ちゃったもんね」
大学生の、ほとんどはイギリスの大学などに転校してしまった。
「ぶぅーーー」
ほっぺたを、ふくらませるティファ。
「それで ナンシー
どうしてこんなへんぴな田舎まで来たの ??」
一応、敵のスパイか警戒するエミリー。
『あのーえっとー
あなたたちに 会いたいなって思って』
また、あやしく光るジュレル。
「それで ワザワザ来てくれたの
感激だわぁ」
すごく、うれしそうなティファ。
「まぁ 立ち話もなんだし
入って入って」
エミリーが、手招きして食堂へ案内する。
『あっ はいー』
そそくさと、食堂に入ろうとするレセアだが、
「キミって
ナンシーじゃあないよね」
レセアの、手を掴んで引っ張るヒュー。
『ギクッ』
わかりやすく、リアクションをとるレセア。
「やっぱり」
なんとなく、このあやしい少女のことがわかってきたヒュー。
この、青い石で何百人ダマしてここまで来たのだろうか。
『お願いだからバラさないで』
レセアの姉が、懇願する。
「そんなのお願いされたからって知らないですよ」
ジュレルの、ヤバさに気付いてしまったヒューはさらに警戒する。
『そこをなんとか』
「どうしたの二人とも ??」
ティファが、ドアから顔を出す。
「………いや別に」
今、ティファに説明したところでナンシーだと思いこんでいるから難しいと判断する。
『アハッ』
少し、ホッとするレセアの姉。
「いろいろ話したいこと 山ほどあるからさ」
ニヤニヤしているティファ。
「ちょっと
ティファは 食事が終わったら見回りしてくれないと」
偵察に、使っていた車が破壊されてキャロルを臨時に使うことになった。
「そうだったわ
相手がロケットランチャーを撃って来るんだもんね
キャロルで出ないと」
多少、イラッとするティファ。
「あなたの代わりに わたしがいろいろ聞いておくわ」
ニヤりと、笑うエミリー。
「えーッ」
ガクッとなるティファ。
「とりあえず 食事にしましょ」
イスを、引いて着席するエミリー。
「「いただきます」」
「ぅ゛ぅ゛ッ
なんだなんだ騒がしいな」
ベッドに、横たわっていたザイルピックが起き上がる。
「誰? お客さん ??」
ザイルピックが、食堂に顔を出す。
「ああ 起きた
もう大丈夫なの ??」
頭に、包帯を巻かれた痛々しい姿を心配するティファ。
「大丈夫じゃあねぇよ」
声を、荒らげるザイルピック。
「この子はナンシーよ
ナンシーこいつはザイルピック」
サラッと、紹介するエミリー。
「はじめまして」
とりあえず、挨拶するザイルピック。
『はじめましてー』
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