第2話
「まーた集合してやがる」
タイと、ミャンマーの国境地帯。
タイ側に、高級四輪駆動車ゲレンデが崖っぷちに止めてあり崖のだいぶ下に川がある。
車窓から、双眼鏡で対岸を見下ろしている男。
「ん? 今日は武装してるのか ??」
興産党軍の、動きを監視している男の名前はスコヤード・ザイルピック。
禁煙車の為、カップ入りのポテトスナックを咥えている。
その頃
「パオ隊長
今日も 来客です」
銀髪で、セミロングの少女が対岸の木々にまぎれているがチラチラと光る双眼鏡を見上げる。
少女の名前は、シャオ・マオウー。
「まぁ いつも言っていることだがいちいちハエを気にしていたらやってられんぞ」
顔に、キズのある興産党軍のパオ隊長が笑って見せる。
「そうですか」
氷のような、表情となるマオウー。
「それより これを開けて見てくれ」
足元に、置かれた長い木箱を開けるように指示するパオ隊長。
「カールグスタフですか? 我々にはRPG7があります」
持ち上げるマオウー。
「マオマオ違うよ
スティンガーだよ」
大筒を、肩に乗せるマオウーを微笑ましく見るパオ隊長。
「おやっ? 少女がなにか肩に………」
双眼鏡で、とらえた銀髪の少女はあきらかにこちらへと照準を合わせている。
シュッ
コーーーー
白煙を、あげてミサイルが飛ぶ。
「わーーーッ!」
ザイルピックは、あわてて反対側のドアを開けて飛び出す。
ドゴーーン
ものすごい爆音をたてて、真っ赤に燃え上がる高級車。
「隊長
ちょっと ハエを叩いてみましたが結果はRPG7と変わりません」
フッと、ため息を吐いて巨乳を揺らすマオウー。
「まぁ お前の腕前があればな………」
その頃
「ちょっと給油に寄るよ
タンクが空っぽだー」
トゥクトゥクは、今にもエンストしそうだ。
『はーい』
レセアの姉が、明るく返事する。
「止まると暑いですね」
レセアは、腰紐にさしている魔法の杖を地面に立てそれを頼りに降車する。
もう、お尻が痛いと叫びたいのをグッと押さえる。
「これでも すごしやすくなった
4℃も気温が下がったよイエローストーンの大噴火でな」
この人には、まだ新しい情報が入っていないようだ。
当時、大量にアメリカから難民が出た。
『実際は事件なんだけど………
ところで どのくらいで着きそう ??』
急かすように、言うレセアの姉。
レセアからすれば、1時間ほど休憩してお尻を癒したいのだが。
「まぁ どんだけ飛ばしても日没には間に合わないぐらいだな」
首を、振るドライバーのおじさん。
『えー
そうなんだー』
ムクれたような、声を出すレセアの姉。
苦笑いするレセア。
「仕方ねぇよ
そんなにスピードが出るわけじゃあないし」
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