第1話
「暑い………」
タイ・バンコクの街角を、一人の少女が徘徊している。
髪型は、ショートで水色の髪色で紺色の瞳。
薄い衣から、巨乳がこぼれ落ちそうだ。
『あんたは しゃべらない !!』
叱責が、脳に直接流れて来る。
その、直前に少女の胸元にあるネックレスの水色の球が一瞬だけ光った。
「ごめんなさい お姉様」
耳を、押さえながらあやまる少女の名前はレセア・ガルーダ。
『わかればイイの
さっさと 乗り物に乗って』
ギンギンに、響く姉の声。
「はい」
レセアは、姉に言われるがままフラフラと歩く。
『あの人が よさそうね
すいませーん』
トゥクトゥクという、簡易的な乗り物のタクシーに目を付けるレセアの姉。
「おぅ どうしたい
観光客かい ??」
肌の色が、真っ白いのですぐ観光客と聞かれる。
『あの タイの北部の国境付近までこれで送ってくれませんか ??』
無茶な、質問をするレセアの姉。
「おいおい
そんなの列車を使って行きなよ冗談じゃあない」
少々、怒り気味につっぱねる男。
『そこをなんとか』
姉の、言葉にあわせて手を合わせるレセア。
その時、胸元の青い石ジュレルがあやしい光を放つ。
「くどいねあんた………
ふぇ お前もしかして親戚のワンチャイさんのところの娘じゃあ」
どうやら、男は親戚の娘とレセアを勘違いしているようだ。
『そうです
ワンなんとかさんの娘ですよー』
テキトーに、話を合わせるレセアの姉。
「わぁ生きていたんだな
どこでも タダで運んであげるよ」
すごい、よろこびようだ。
『ヤッター』
レセアの姉は、テキトーによろこびの声を出す。
「姉様………」
その頃
「………ん」
タイ・北部にある冷房のきいた倉庫内のテーブルに突っ伏して寝ている男。
ヒュー・ウイリアムは、お昼寝の真っ最中である。
「ヒュー
午後からもお願いね」
そこへ、ティーカップを持ったエミリー・トンプソンがやって来てヒュー・ウイリアムの前に置く。
「………あ はい」
寺院の、修復作業に重機が使えないので大きな石を人力で動かしている。
「そういうとこイイわね」
言われたことを、淡々とやるヒュー・ウイリアム。
「………そうですか」
本人は、なぜ誉められたのかわからない。
「そうなのよ
ティファも そんなところに惚れたのかもね」
ティファ・リーの誘いで、タイまでやって来たヒュー・ウイリアム。
「ティファさんって いつ帰って来るんですか ??」
エミリーの、言葉を聞き流すように聞くヒュー・ウイリアム。
「おとつい ホンコンの仕事が終わったから キャロルと帰って来るって言っていたから今日の午後には戻ると思うわ」
キャロルというのは、ティファが作ったロボット。
「そうですか」
特に、感情を出さないヒュー・ウイリアム。
「なーに
やっぱり あの子がいないと寂しいの ??」
苦笑いするエミリー。
「………意味がよくわかりません」
真顔で、答えるヒュー・ウイリアム。
「あぁ そうだったわね」
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