自転車に乗りながら
ゆきのともしび
自転車に乗りながら
トレーナーを着て、自転車に乗っている
袖口をひとおりしている
風がつめたいな。
このひとおりを、元にもどしたい
このひとおりに
とても大きなあたたかみを
わたしは想像する
味噌汁を冷たいまま飲むときと
きちんとあっためて飲むとき
目の前にあった皿に焼き魚を載せるときと
お気に入りの皿を棚の奥から取り出して、皿に載せるとき
シャワーで済ませたお風呂上りと
湯舟に入った後のお風呂上りの、からだの感覚
ほんのちいさな違いの中に
おおきなあたたかみが、やすらぎが
そこには宿っている
このやすらぎはもしかしたら
大切なひとがそばにいてくれるときの
さむい夜の灯りのような
心細いときにぎゅっと手を握ってくれるような
そんな瞬間に似ているのかもしれない
自転車に乗りながら ゆきのともしび @yukinokodayo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ことばにすること/ゆきのともしび
★5 エッセイ・ノンフィクション 完結済 1話
戯言/ゆきのともしび
★21 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます