自転車に乗りながら

ゆきのともしび

自転車に乗りながら

トレーナーを着て、自転車に乗っている

袖口をひとおりしている


風がつめたいな。


このひとおりを、元にもどしたい


このひとおりに

とても大きなあたたかみを

わたしは想像する



味噌汁を冷たいまま飲むときと

きちんとあっためて飲むとき


目の前にあった皿に焼き魚を載せるときと

お気に入りの皿を棚の奥から取り出して、皿に載せるとき


シャワーで済ませたお風呂上りと

湯舟に入った後のお風呂上りの、からだの感覚




ほんのちいさな違いの中に

おおきなあたたかみが、やすらぎが

そこには宿っている




このやすらぎはもしかしたら

大切なひとがそばにいてくれるときの


さむい夜の灯りのような

心細いときにぎゅっと手を握ってくれるような


そんな瞬間に似ているのかもしれない


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自転車に乗りながら ゆきのともしび @yukinokodayo

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