第4話 化け猫ミケの独り言2

またまた真夜中にミケは寺の境内に座って月を見上げていた。


「ご住職は大丈夫かしら。奥さんの百合子さん、その息子の健一郎さん、その奥さんの美里さん、それからその娘たちの・・・お孫ちゃんたちもとてもご住職の容態を心配しているわ。


あたくしにもできることないかしらと思っていたらいいことを思いついちゃったの。


実はね、あたくしこんだけ年をとっちゃっているでしょう?だからちょ~っと魔法っていうのかしら?使えるようになっちゃったのよ。


まあ、魔法が使えなかったらこんなに長生きはしないんでしょうけれども。


でね、これ、このスマートフォンに、ちょっとした魔法をかけてみたの。


そういうとミケの目の前に置いてあった黒いスマホが宙に浮かび上がった。


実はね、このスマホを手に持った人は、他の人の心が聞こえちゃうようにしてみたのよ。


この万福寺に困りごとがあって訪れる人が思わず手に取りたくなるようにちょっとした魔法もかけてみたわ。


これで少しは住職の役にたてるかしら。




それから、このスマホを手に取ると動物たちの言葉もわかるようになるの。


素晴らしいことじゃない?


あたくしたち動物、ネコ、犬、カラス、鳥、それからウサギ、いのしし、すべての動物たちとお話しすることができるの。


まあ、普通に動物を飼っている人だったら、○○ちゃ~んかわいいわねえ今日も。

○○ちゃ~んすごいわねえ。おうたをうたったの?おはようって言ってくれたの?すごいわねえってあのレベルじゃないの。


そうねえ。普通に人間の言葉としてしゃべることができるっていう特別なスマホなの。


これ、別にどっからどう見ても普通のスマホなのよ。


持ってるだけでいいの。


スマホを持っている人だけがその二つの特別な力を得ることができるっていう、そんなものなのよ。


ね?素敵な事じゃない?」


ミケはそう言って月ににやりと微笑むとにゃ~と一声鳴いてその場で丸くなって目を閉じた。

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