2日目朝 タチアナの守備範囲(性的)




「…………………タダヒト……私……子供出来たみたい。」














「は?」

いきなり何だ?

どこに興奮するポイントが?



コモリは否定するように手を振って早口で

「あ…違うの…別に慰謝料とか養育費とか財産分与とか欲しいって話じゃなくて……その……この子は私が1人でちゃんと面倒を見るから安心して欲しいって言うか……」




急に現実的な話。

こっちの世界で慰謝料とか養育費とか財産分与とかあんのかーい!

そもそも単独で子供作れるのに、何故に俺の子供みたいな雰囲気?

しかも急にキャラ変わってねぇか?

さっきまでオレオレ的なオラオラ的な感じだったよね?

しおらしくなり過ぎて怖いんだが。



「……皆にも紹介していいかな///?」

急にホホ染めてうつむくの止めて?


と言うか皆って誰?



と思ったら急に教育番組のお姉さんみたいに

「みんな〜〜!!で〜ておいで〜!!」

とコモリが叫んだ。






ニョキニョキと空間からが生えてきた。



「恥ずかしがり屋さんも居るけど許してね///」



お前が恥ずかしがってどうする。

女は子供が出来たら変わるって言うけど変わり過ぎじゃね?



「簡単に皆を紹介するね。




えっと………同胞です。」


簡単な紹介だな。

人生初の紹介方法なんだが。



「それよりもタダヒト。皆にさっきの件紹介してもいいかな?」

コモリが申し訳無さそうに聞いてくる。


「別に構わないが。」

特別な事は何1つしてないからな。



コモリは全員を集めてヒソヒソと話を始めた。

腕だけ出している人は話を聞けるのだろうか?







あ……皆悶え始めた。



ウヒィィィ!! とか

オッホォォォォ!! とか

ハァハァ ゥ!! とか

ヤバイヤバイヤバイ とか

各種個性的な奇声上げながら、思い思いにスケッチをしたり震えたりヘッドバンギングしたりしていた。


そして………









一斉にウン◯我慢してたけど漏らしたような呆けた顔をした。



「「「「「あ……出来た」」」」」



どうやら一斉に子供が出来たらしい。

いきなり子だくさんだね。



「「「「心配しなくても子供達は自分達で育てるからね。養育費とかは考えなくてもいいからね。」」」」」


一斉にその話!!??

声がハモってて気持ち悪いくらい。


何で俺の責任的な感じ出してる?



「これが作れたら1人で3人目までは産むことが可能になるでしょう。

あなたは救世主……いや……神ですね。」


代表者みたいな人がそんな事を言い出す。


急にスケールがデカくなった。


裸のオッサンが神とかマズイだろ。




俺の事を神とか言っていた人が突然

「ぅおめぇらぁぁぁ!!!やるこたぁぁぁわかっっってんだろぅぅなぁぁぁあ!!??ぁぁあん!!?」







………ヤンキーかな?





「「「「「うぉぉぉぉっっす!!」」」」」




………田舎のヤンキーだな。










「各自ぃぃ!!やるこたぁぁやれ!!解散!!」




「「「「「うぉぉぉぉっっす!!」」」」」


代表者的な人が掛け声かけるとコモリ以外の人達は消えていった。




「凄いね……タダヒトは。」


コモリがポツリと口にする。


「皆を指示してた人………私を産んだ人。400歳越え、私を産んだはずなのにさっき妊娠してた。それだけタダヒトの案は興奮するって事だよ?」




凄いんだか凄くないんだか……


地球では近未来の実現可能な技術として、小説とかにもなってたものだからオリジナルじゃないんだがな。



だけど、技術力は半端じゃないから仮想空間の管理システムとかも簡単に構築出来そうだし、仮想空間で過ごしている間の本体の生命維持とかもナノマシンで管理とかしそうだな。





「タダヒトは仮想空間で過ごしている間の体の事心配してくれている?そのあたりはナノマシンで生命維持に必要なもの作り出すから大丈夫だよ?」




テレパシー?

心読まれた?


生命維持もナノマシンで出来るとか、こいつら何でもアリな種族だな。


まじでこの星制圧出来そう。





「この星制圧しても面白くないでしょ?魔王も生れるし。生まれたら自分達で討伐しないといけないし。」





……え?

何か心読むスキルあったっけ?

空間魔法だけだったような?




「ごめんなさい。なんとなく思ってそうなことに返事してみただけなんだけど……」



心読んでるーー!!

怖い怖い怖い!

余計な事考えられない!





「そこまで怯えないで……ちょっとだけ悲しくなっちゃう……」


泣きそうな目のコモリを見て我に帰る。

地球にはスキルが無くても察する能力の高い人はいるじゃないか。

そういう人達と同じじゃないか。

空間だけじゃなく空気も把握してるって考えたら何らおかしな事は無いじゃないか。






「驚いてごめん。コモリは察する能力が高いんだね。久々にあったからびっくりしちゃったよ。でも悲しい思いさせてすまなかった。」


こんな時は素直に謝る。



「え…あ…こちらこそごめんなさい。



ありがとう…///」


コモリは恥ずかしそうに俯いて謝ってからお礼を言った。



……いい子だな。

225歳だけど。

昨日とか『ウヒィィィ!!サイコー!!』とか叫んでたけど。

見た目はカワイイんだよね。





何て考えてたら子供声が聞こえた。



「ママ……ママ……どこ……?」




「「!!??」」


コモリがいち早く気配の方向を向く。

見るとボロボロの服を着た小さい子が泣きながらこっちに向かっているのが見えた。



「ママ……どこ……?………おいて……いかないで……」


必死に涙を拭いながフラフラと歩いている。

鼻をグスグス啜りながら時々周りを見渡してはまた俯いて母親を呼ぶ。





子供が!!

こんなところに!!??




そう思った時

























「「「え゛?」」」



子供とは反対側の位置で、散々騒がしくしててもが、気が付いたら子供の側に立ち、剣を突き立てたのだ。



びっくりして子供が顔を上げようとした時にはすでに斬り刻まれていた。



いつ斬ったのかわからない程の速さで斬られた子供は、ただの物言わぬ肉片となり、肉片を踏んでタチアナは誇らしげに叫んだ!!








「私は!!!!!


13歳以下のガキに興味は無い!!」

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