2日目早朝 タダヒト朝からパパになる
昨日の異様な観賞会から一夜明け、朝になった。
俺は……眠れなかった。
男と女の情事を間近で見て興奮して眠れないって程ガキじゃない。
ケツ狙われる恐怖で眠れなかった。
タチアナは俺のケツ狙っているみたいだったし、コモリもそうだ。
もしかしたらヒタチもかもしれん。
初めて会った時にヒタチ(♂)はこっち見ながらおっ立ててたからな。
しかもMaxで。
……そんな趣味無い俺には恐怖でしか無いんだが。
「ようタダヒト。よく眠れたか?」ニヤニヤ
「コモリか。あぁ……ぐっすりだ。」
『バレバレの嘘はやめてください。』
「クキキキ。バレバレの嘘はやめておけ」
コイツ笑い方が個性TUEEE!
そして空間に浮かぶ文字と発する言葉が珍しく合致してる。
―― ガッ! ――
っと肩を組まれていきなり顔をベロンと青い舌で舐められる。
「この味は!……ウソをついてる『味』だぜ……オウノタダヒト!」
く………
ここに来てなぜ、ブチャラ◯ィ……
ジョ◯ョの奇妙な冒◯の第5部をなぜコイツが……
「まぁ……お前が嘘ついていようといなかろうと関係無いんだがな。」
組んでた肩をパッと離してコモリは語りだす。
改めて、自分達の種族の事だ。
特徴としてはこうだ↓
・体に
・ただし、同種族では交配不可。
・他種族と
・そのため同種族を増やすには単独で子を成すこと。
・妊娠期間と子供の成長は人間より早い。
・生き物としても人間より強く、寿命も長い。
・性欲は人間よりも遥かに弱い。
これらをふまえてコモリはさらに続ける。
「子供を成しすぎると簡単に人間を駆逐出来てしまうからな。
神様がバランス取ったんだと思うぞ?
そのため種として人間には異常だとか特殊としか言われない行為や行動でしか興奮出来ないのだ。
そのような現場に遭遇したり趣味を持つ者に出会わぬ限り、我々は種を増やすことは出来ないのだよ。
しかも一人目を出産した者が二人目を妊娠するには、一人目の時よりも高い興奮が無いと妊娠が出来ない。
私も今まで色んな興奮をしてきたが、一人目すらまだだった。
妊娠までの興奮度は個人差があるが、そもそものハードルが高いから、このままならいずれは絶滅する種なんだろうな……」
コモリの発言には寂しさも含まれていた。
今までどれほどの時間を孤独に過ごしてきたのだろうか……
とコモリの事を考えた時が私にもありました。
「だからな!お前に期待しているのだ!!
裸でウン◯撒き散らしながら女に暴行するお前の性癖にな!!
あんなのはお前の一部だよな!!??
な!!??な!!??」
……デカい誤解が生まれてる……
誰が誤解を解いて……そして助けて。
「悪いが俺は……」
「お前が望むプレイに必要な物があれば何でも作るぞ!!お前は異世界から来たのだから!きっと凄いプレイするのだろう!!??」
コモリはかぶせ気味に声高にこちらに聞いてくる。
「ん?なんでも作れる?」
気になるワードが。
意を決して聞いてみる。
「もしかして………夜にタチアナが付けていたものってコモリが作ったのか?」
昨夜の事を思い出す。
人の肌とは違う紫色のアレ。
はっきり見たわけでは無いが、特殊メイクみたいに肌との境目が色以外でわかりにくくなっていたが、この世界の女性がもしかしたらって考えもあった。
しかし作られたものだとしたら話は別だ。
「いや…違う。」
コモリは否定する。
しかし…………
「作ったのは私じゃない。一族の者が作ったものだ。200年の研究の成果で私が産まれるより前にはすでに出来ていた。すでに数十本作れらている物の内の一本だ。」
……………………以前鑑定かけた時のコモリの年齢から考えるに230年ほど前にはすでにアレがあった……と。
「なぁ……アレって……」
気になったので質問しようとした。
「ん?あぁ……【逆転君13号】が気になるか?
……それとも何かのプレイの参考にするのか?」
コモリは何かを期待するように目を輝かせながら聞いてきた。
「…………何かの参考になるかもしれない。性能を説明してもらえるか?」
嘘は重ね続けると真実になる。
そう信じたいね。
「【逆転君13号】は私も最高傑作だとおもうぞ?
アレはだな、生体ナノマシン搭載により『装着=皮膚と同化』を可能にしている。しかも神経バイパスの接続により本来存在しない感覚を脳に認識させる事で、
【逆転君13号】の名前の由来だ。
基本的に生体とつないだ箇所から生体電気を流用する事で半永久的に使用出来、ナノマシンが自己再生機能を搭載しているので大破に至る使い方しない限りは激しいプレイによりついた細かい傷や多少の破損も修復可能。さらにデリケートな部分への使用も考慮してナノマシンが表面の抗菌消臭を常に行っている。脱着も簡単でキーとなる言語を使えばいつでもどこでもつける事が可能で取り外すのもすぐに出来る。
かつて貴族の男がこれを自分のモノの上と両腕につけて『4本使って攻めてやる!!』って豪語していたのを見たことがあるぞ。
私はその男が使用しているところを見たが妊娠までの興奮にはならなかったがな。
だが、普通に使っている男女の姿を見て妊娠した同族もいるから効果は個人差あるが、効果はあるぞ。」
わぉ!!
無駄に高性能。
ってかその貴族はエロ脳だな。
「ちなみにその貴族は4本分の快感刺激で脳味噌が焦げて死んだがな。良いデータになったよ。」
ニヤリと笑うコモリの目が笑っていない。
「すごいものだな。ちなみに最後に噴き出したあの青い液体は何なんだ?」
放水車みたいにビューってやつ。
「あぁ……あれは消毒洗浄液だ。周囲の水分と使用者の生体から微量に採取した成分を合成して瞬時に作り出している。何かと汚れたり臭いが出たりするだろ?最後にアレできれいにするんだよ。」
無駄に高性能だな。
「ヒタチが吹き飛ぶほどの威力は高すぎると思うが?」
「あれは最後のフィニッシュでタチアナが全力で突いたからスキルが発動してヒタチが吹き飛ばされたに過ぎない。【逆転君13号】のせいではない。」
だからそんな事にスキル使うな
日本でも生き物としての本能の部分だからなのか、エロの歴史だけは他の道具の歴史よりも長く、発展速度が速い。
コモリの種族も存続がかかっているから異常な速さで発展したとしても何ら問題は無い。
大事っちゃあ大事。
ってかコモリの種族はナノマシンで何でも出来そうだな。
「ん?…………って事は……まてよ?」
「お!タダヒト!なんかあるのか!?」
顔が近い。
見た目美人だからドキっとするよ。
「アレが本来無い感覚を知覚させているならば……
それこそ大型のポットみたいな物を作れば
本人が妊娠できるほどの興奮を体感できる仮想空間が作れるんじゃないか?」
「…………!!!!!!」
コモリの全身の目が開かれた。
そして全てが血走っている。
「俺の世界でもまだ実現出来ていないが、理論上全ての感覚は脳で管理しているわけだから、感覚の全てを周りで管理出来れば仮想空間も作ってその世界にダイブして、そこで何でも出来るって事にならないか?」
………コモリは沈黙を続ける……
がしばらくして
絞るような声で口を開いた。
「…………………タダヒト……私……子供出来たみたい。」
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