1日目朝 自己紹介からの脱糞

「早速で申し訳ないが、魔王討伐に向けて皆の詳細な情報を教えてもらえないだろうか?」



魔王討伐するにしても、メンバーの実力とか能力とか知っておかないとね。

チン◯が武器の裸のオッサン(俺)に倒されるような魔王なんかいないと思っているからね。

何なら俺以外のメンバーで倒して欲しいくらいだよ。



「構わない。情報共有はチームの要だろ?」

とイケメンフェイスのタチアナ(♀)ちゃん。このメンバーでは1番の常識人かも。




「す…好きなプレイとか///?  縄使った…プレイかな///? と…特に〜……


ぎゃ…逆海老エビ吊し上げぶん回し放置プレイ・ひし縄縛りで。〜低温ローソクを添えて〜


とか///??

きゃ///!! は…恥ずかしい///!!」


ヒタチ(♂)…お前は喋んな。

ってか魔王討伐にお前の愉快な性癖とか好きなプレイとか役に立たねぇわ。

知りたくもねぇわ。




……


………



………ってか何そのプレイ!!!???

初めて聞いたんだが!!?

ホホ染めながら「何か変?」みたいな顔でこっち見てる!?

ヒタチのペースに巻き込まれる!

コモリだ!コモリは!?



『出来る事があれば協力します』

「誰がてめぇに教えるかクソが」



コモリは相変わらず空中に描かれる文字と実際発せられる言葉にギャップが……

こいつも性格に難ありで関わりたく無いよ。

しくしく。




「まずは私から自己紹介といこう。このチームのリーダーのタチアナだ。【突き】の勇者の称号持ちで武器はこの2本の聖剣。さがけんとしがけんだ。細身だけど切れ味も良いし折れたりしないから何度も助けられてる。」


ん?

佐賀県さがけん滋賀県しがけん

剣の話だったよな?


「え…っと…その2本の剣について詳しく教えてもらえるかな?」

当たり障り無いように質問しておこう。



「おぉ!この剣に興味があるんだな!?」

嬉しそうな笑顔でこっちを見るタチアナ。

美人だ。こういう時は美人に見える。

たまに男に見える時もあるのはナイショ。



「2本は良く似てるが、こっちがさがけん。わずかに重い。そしてこっちがしがけん。爪の先程の長さなんだが、ちょっとだけ短くて、重心の位置もちょっとだけ違うのだよ!?この違いが戦闘の際に〜…」

目をキラキラさせながら説明するタチアナ。

フンスフンスと鼻息荒く説明してくれる姿も美人だね。でも全然剣の違いがわからん。

持ってみたけどわかるわけ無いよね。

爪の先って1ミリくらいの差?

そんな違いわかりませんがな。

何かわかる方法……




あったわ~…俺鑑定持ってたわ〜…



「ちょっと剣に鑑定かけるよ。」

一応一声かけて鑑定をかける。


見たい!って気持ちで見れば良いと神様に言われてたから見てみると、意外と簡単に使えた。


✢✢✢✢✢


聖剣

刺牙剣さがけん刺牙剣しがけん


有名な鍛冶師の1人が生涯かけて打った2本の剣。

神の加護により聖剣としての力が宿り、魔王討伐を可能にした。

どっちがどっちとは決まって無い。

むしろ漢字にすると同じだからどっちがどっちでも良い。

この星には漢字の概念が無いから誰にも気が付かれないけどね☆

違いがあるとか思っているのはその子の思いこみだよ。


         創造神より



✢✢✢✢✢



………え?


………これ鑑定結果教えない方が良いやつ?


47本ある聖剣は都道府県に関係無いって創造神言ってたが……これ……



タチアナは目をキラキラさせてこっちを見てる。


「ありがとう。良い剣だな。」

と言ってタチアナに剣を返す。

真実を伝えないのも大人の対応ってやつかな。



「そうだろ?そうだろう?これと出会ったのはな女神様が……」

タチアナの聖剣講釈が始まりそうなのでヒタチにも聞いてみる。



全員の能力把握大事。



「ヒタチは称号とか聖剣とかあるのか?」

「しょ…食後の性経験///?

え…えっと///いっぱ…」

「称号と聖剣な。聞き間違えないように。」


この星に耳鼻咽喉科あるならまずは行ってこい。

そして帰って来るな。


「え…えっと///

一応【受け】の勇者の称号持ってます///」


「【受け】の勇者?」

どんな称号だろ?

と思っているとタチアナの解説が入る。

やっぱ出来る子や。


「そもそも勇者の称号ってのは戦い方や個性に影響を受けて、女神様から賜る二つ名みたいなものだ。私なら他の勇者よりも【突き】が得意なので【突き】の称号をもらっている。ヒタチの場合は他のどの勇者よりも【受け】が上手いのだよ。」


タチアナの解説を聞いて改めてヒタチを見ると、ドレスに隠れていたが背中にタワーシールド背負っていた。

自衛隊とか警察の突入部隊とかが持っているようなやつのさらにゴツいやつね。

さらにタチアナの解説。


「ヒタチは一般的な勇者よりは段違いに強い攻撃を受け止め・受け流すだけではなく、受け流して同士打ちさせたり、力のコントロールをして攻撃してきたモノに倍返ししたりと多彩なのだよ。おそらく勇者としては最強の部類だろう。」


ほ〜……戦闘に関しては凄い子なのね。

他は色々残念だが。


「わ…私の聖剣はこれです///」


『先輩受け取って下さい///』みたいな女子高生の告白みたいなノリで渡された聖剣が……









ノコギリでした。


しかも新しい血がアチコチに付いてるし。

若干錆びてるし。ナニコレ?

とりあえず鑑定。



✢✢✢✢✢



聖剣疲労死魔剣ひろしまけん

魔王に恨みを持つ鍛冶師が生涯をかけて怨念を込めて作りし狂気の権化。

ノコギリ状の刃は切れ味が悪いが傷口をグチャグチャにし、回復を遅らせる。

刃に付着した血は時間経過で変化し、次の獲物には毒になる。

一撃でターゲットを殺す事を目的とせず、徐々に獲物を疲労させ、動きを鈍らせて、苦しませながらいずれは死に至らす事をコンセプトに作られた凶悪な武器。



ちなみこの子に嫌われたらこの剣で斬られるから気をつけようね。かなり痛いよ。

あと、名前に都道府県は関係無いって言ったよね?疑わないでね。



       創造神より



✢✢✢✢✢



………ツッコミどころが多くて疲れる。


まずは創造神バカは広島県に恨みでもあるのか?広島県民に謝れ。

そして鑑定でやり取りしてるみたいな感じ出すな。


そしてこの剣は聖剣なのか魔剣なのか?

名前も聖剣・魔剣両方あるし。

性能だけ見たら完全に魔剣だし。

ヒタチに嫌われたら斬られるとか怖すぎなのだが。

甘ロリの子にノコギリで襲われるとか何のメンヘラホラー作品?



「い…いい剣だね。」

動揺を見せないように返す。

大人の対応。


「だよね~/// この前も無様に命乞いしてきたヤツに〜死なない程度に〜…///」



あーあー聞こえない。

聞きたくない。

ヒタチはハァハァ言いながら「興奮した」とか言ってる気がしたのでコモリの方を見る。


『称号も聖剣もありません。』

「称号も聖剣もねぇよ」


怒りMaxの顔で答える。

浮かんでいる文字も同じ事を示している。

「え…それって…?」


『そのままの意味です。相手は魔法で潰します。』

「そのまんまの意味だ。剣は無くても魔法でぶっ潰す。」


目の前で拳を握る姿は、魔法に絶対の自信があるのか。



「そういうてめぇは何なんだよ?」

不意にコモリに切り返される。


「あ…俺は…」

何て言おう?

称号何てものは無いし、聖剣ってか性剣だし。

このメンバーでチン◯握りながら

「俺の聖剣はこの性剣 エックス(サイズ) カリ・バーさ!!」なんて言える雰囲気じゃないし……どうしよう?



……



「さては人の姿してこちらの情報を集める魔王の手先か?姿形を自在に変化させる手下がいるって情報はもらっているぞ!?」


タチアナの追撃。

やめて…答えにくくなるから。

変な疑いもたないで。


「俺も一応聖剣はあるよ。

でも聖剣って言うか性剣って言うか…

あのバカミのせいで……」



ぐるるるるる!!

っとお腹から爆音とともに強力な便意が!!



しまった!

創造神の祝福呪いが!

※創造神の悪口を言うと脱糞する呪いです。



皆の前でぶち撒けるわけには行かない!!




「ちょっ……後で説明する!!」


急いでこの場を離れてどこか茂みで用を足さないと。


後からタチアナの声で

「やはり…きさま!」

とか

「逃さん!アクセル!」

とか聞こえるが急いで離れないと。

せめて音が聞こえないところまで……!!




……


………





そしてタチアナに正面から首掴まれて、足が地面に着かない状態になってます。

限界です。

「観念してもらおうか」とかタチアナが言ってますが、観念して漏らします。


薄れゆく意識の中、ジョ◯ョの奇妙な◯険のホル・ホー◯君が「ぶちまけやがれ!!」って言ってました。



ぶちまけやがれ!!


ブリブリブリブリブリ!!

ビチビチビチッ!!



青ざめた顔したタチアナが驚いて手を離す。

少し呼吸が楽になって頭が少し冴える。


改めて見ると

美人な女の前で脱糞……


………恥ずかしい………



その直後




―――― ドン!! ―――


タチアナが木に叩きつけられる。




頭から血を流すタチアナ。

ピクリとも動かない。




そして他の2人が合流。


2人の目の前には


辺り一面にウン◯が撒き散らされ、頭から血を流しピクリともしないタチアナを見下ろす、光り輝く裸のオッサンが堂々と仁王立ちしている姿だった。

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