1日目早朝 合流したが性癖歪みそうです。

どうしてこうなった?

気が付いたら俺が裸で……は、いいとして。

目の前で男が泣いている。

さっきまで何か叫びながら剣を振り回してた人だ。


改めて どうしてこうなった?


順を追って思い出そう。



①神様に呼ばれる

②パラシュート無しでスカイダイビング

③上空で装備が テイクオフ

④無事着地からの裸で仁王立ち

⑤いきなり斬りかかられて泣き崩れる ←イマココ



……全然わからん。

誰か教えて。



最初着地した地点は小高い丘だった。

そこから周りが見渡せるから色々見てたら遠くに3人組の男女が見えた。

あれが現地の勇者達かなぁ~?って思って着地点から移動していたら

そのうちの1人…男が物凄い勢いでこっちに走ってきた。

とりあえず笑顔で仁王立ちしてたらいきなり斬り掛かってきた。

……何で斬りかかられる?

裸だから?

裸はまずかった?

この星では裸は死刑とかそんなん?

でも装備はテイクオフしちゃったし…半径数百メートルくらいのクレーター出来ててチン◯隠す葉っぱとか落ちてないし……

そうなったら男は仁王立ちじゃない?

立派な息子に成長したし。

ダメかな?

借り物のチン◯のサイズを自分の力と思ったらまずいかな?

あ〜…でも…元々このサイズ…だったような………

いや。元々このサイズ。うん。そうだ。そうしよう。元々このサイズ。自信持とう。


自信が付いた。

俺パーフェクト。

さてこの人何なんだろ?

さっき『腹ペコ!』とか『豚骨味噌!』とか『野菜マシマシ!』とか騒いでたからお腹空いているのかな?

だとしたらこの人盗賊?

でも俺裸よ?

食料持って無いよ?

まさかの俺食料認定?

殺して食われる?

え……この人食人族?

それとも魔王の手下?




ん?何か空間に文字が浮いてる?


『この文字読めますか?』


日本語だ。


文字の先にめっっっちゃ睨んでいる女の子いるだけど……


「無視すんなハゲ」


めっっっちゃドス効いた低い声で悪口言われた。ぴえん。

声だけ聞いたら男なんだけど、見た目めっちゃ女の子なんだよなぁ~…

声が怖いけど。

あと俺禿げてねぇわ。



『文字読めますか?反応下さい。』

「おいハゲ!黙ってんじゃねーよ!!」



……怖い。

文字とのギャップよ。


「読めますよ。」

と答えておく。

若干涙目よこっち。


物凄い勢いで文字が空間に羅列していく。

目の前でタイピングされているような感じ。


『私達は敵じゃありません。安心して下さい。あなたは創造神様から遣わされた魔王討伐の使者ですね?私達と一緒に魔王討伐の旅をお願いします。簡単にメンバー紹介しますと……』


文字出るのめっちゃ早い。

読むの大変よ。

頑張って読んでいると急に


「皆待って〜〜///」


めっちゃ女の子声した。

3人のうちの1人かな?


「皆はや〜い〜///もぉ〜〜///」


ガサガサ藪をかき分けて声が近づく。


「やっと追いつい……きゃ!///」


藪をかき分けて出てきたのはいわゆる甘ロリと呼ばれるフリフリのロリータファッションに身を包んだ女の子だった。

きゃ!とか言って手で顔隠してるけど指の隙間から俺のチン◯をガン見されてるんだが。


…こんな時に反応しない息子が何だか寂しい。


…いや、反応しちゃまずいのか。




『これが魔王討伐メンバーです。タチアナとヒタチとコモリです。よろしくお願いします。』


目の前に文字が浮かぶのにまだ慣れなさそう。



「ところで…誰が誰?」

3人いて文字だけで案内されても…ね?



文字が案内してくれた。

『あっちで泣いている娘がタチアナで、このドレスの男の子がヒタチです。』


残ったこの子がコモリって子かぁ〜……











………っっってか

あいつが女でこいつが男か!!!!???

ドレス野郎は女にしか見えんのだが!!??

まぁ、100歩譲ってあっちの男に見えたやつ。女でしたって言われたらまだわかる。ボーイッシュな赤の髪でイケメンだからね。胸当てとかでスタイル隠れているからね。こういう娘いますよね~ってレベルだが。まだいい。




お前なんなん!!??


女の子でもレベルたっけぇ!!ってレベルなのに男かよ!!

俺のドキドキ返せ!!

俺のチン〇ガン見すんな!!

ってかホホ染めんな!!

くねくねすんな!!



『あの…これで前隠してもらえますか?』

突如目の前にメッセージ。



見るとコモリって子が長い布を渡そうとしてくれていた。

このコモリって子は常に空間に浮かんでいる。

イメージとしては空間に丸い窓が浮かんでいて、窓の外の世界と窓から見える世界が違う感じ。


ドラえも〇のどこでも行けるドアのアイテムが開いたままになってて、形は丸い窓ですって感じかな?


そんな窓に身を乗り出して布を渡そうとしてくれているんだけど、手足長いしプロポーション整っているし美人だし、ついつい見入っちゃってたら



『受け取ってもらえますか?』

「さっさと取れ粗チン」



って……


その布で涙拭いていいかな?

粗末じゃないもん。くすん。

とりあえず前を隠す。

まるでお風呂上がりの恰好だ。



前を隠すと泣き止んだタチアナがふらふらとこちらに寄って来る。


「先ほどはすまない。ある程度の年齢の男性のアレを見たら取り乱してしまうのでな。許してくれないか?……タチアナだ。」

赤髪ボーイッシュなタチアナが自己紹介しながら握手を求めてきた。

過去に何があったのか薄々わからなくも無いが、俺が殺されかけたってことは相当な思いしたのだろう。

無事だったからいいけど。

殺されかけたけど。

別にいいけどさ!

心広い大人だからね!!



「無事だったから気にしないでくれ。タダヒトだ。よろしく。」


ガシっと握手する。

うぉ……結構がっしりしている手だな。

握力も強い。

見た目テレビに出てくる男役も女役も出来そうな人だけど中身ゴリラってか?

ちょっと性癖歪みそう。



「あの…///ヒタチです///」


もじもじしながらそっと握手を求めてくる。


「あぁ…よろしく」


こっちも握手する。

手がやわらかい。

おまけにフワッと良い匂いした。

まじで女の子なんだけど。

これで男の子とか……性癖歪みそう。

……ってかあれ?

握手……まだ離してくれない?

ってかめっちゃ強く手がホールドされているんだが?

何かハァハァいいながらうっとりした顔してんだが!?

この子やばい!!

誰か助けて!!



「あぁ…ヒタチが女に見えて困惑しているのか?こう見えても立派な男だぞ?」


そういってタチアナが一瞬スカートをめくる。





………立派な男だな!!


ってか何で下着つけてねぇんだ!!


モロ見えじゃねぇか!!


しかもガッチガチになってんじゃねぇか!!


かなりでけぇし!!




「きゃ!!///タチアナちゃん!!もぉ~///」

って言いながら手を離してすぐにスカートを抑える。



……女なんよ。

アレついてなければ完璧な女なんよ。

神様……あの子を女の子にしてください。



ヒタチから手を離せたからコモリの方を見るとめっちゃ睨まれてる。



『よろしくね』

「こっち見んなクソが」



……関わるの止めよう。

きっと良いこと無いよ。

空間に浮かぶ文字と本人の口から発せられる言葉のギャップがありすぎて魔王討伐前にオジサン心折れそうよ。



「コモリは気にしないでくれ。こういう子なんだ。」

さり気なくタチアナからフォローが入る。

あれ…タチアナちゃん意外と良い子。


だが俺はその時はまだ知らなかった。

そんなタチアナに対して事になるとは!!




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