そして時は動き出す

「そろそろ準備はいいかな?」


「しょうがねぇか。やってやんよ。」

やると決めたのは自分だし、情報ついでに装備や食料も改めて用意してもらったからこれ以上は無粋ってものだろう。



「心の準備が出来たら僕の力で1番有望な勇者達の近くに転移させるからね。」



神様の話によると、数人の勇者による魔王討伐隊がいくつか結成されている中でも1番戦闘能力があり、1番魔王の近く迄進撃している隊に合流出来るように転移してくれるらしい。

…………星に存在する勇者全員で総当りすれば魔王倒せるんじゃね?って案を出したが、人数が揃う迄の時間と魔王の力が強くなる時間がほぼ比例関係なので絶対的に勝てないとして却下されてしまった。


「それが出来てたらそもそも君を呼んでないからね。」


と突っ込まれてしまってむしろ

こんな神様でも冷静な判断が出来るものなのだと感動してしまった。



「元々冷静沈着ですー⤴」



時々……いやいつもウザいが。

そう言えば合流する勇者達の情報とか全然知らなかったわ。

教えてもらおうか。



「さて、じゃあそろそろ行ってらっしゃい。

ちなみに合流する勇者達は部下の管轄だから僕は知らないから。頑張って。」



足元が急に無くなって浮遊感に襲われる。


「え?」


「あぁ…言い忘れてたけど『合流しやすくするために勇者達にも目立つように』って条件に合う所が上空数千メートルだったから。いきなり死なないでね。」



とかほざいてた。

「ふざけんなてめぇぇぇぇ!!!」

と叫んだがドンドン神の姿が遠ざかる。









「おちる~~~~~~~~!!」



落ちてる!


どこまでも!



このままならあと数秒で地面に激突だ!







このまま地面に落ちたらマジで死ぬ!


洒落にならん!




せっかくの人生を



『開始1分で終りました』




とか笑えない!



そんなの










そう思った直後体が光った…



そして…















  ――  ズドン!  ――









地面に激突した…














「ゴホっ…ゴホっ!」




土埃が舞うクレーターの中心で男はゆっくりと立ち上がった。





「土煙がひでぇ…」




「うぇ〜…ぺっぺっ!」



「口に入った…」





「すぅ~~~~~……




は~~~~~~……




生きてる…」




「すごいな……あの高さから落ちて…」




「あの神が言った通りだ」




「無傷だ」







「全裸だがな(笑)」




光の鎧旅の恥は掻き捨ての影響で装備や食料は全部上空で何処かへ飛んでいったが、地面にぶつかった時の衝撃は一切無かった。



「まさに裸一貫だな。

ハハハ……笑えねえよ。」



さて、すぐにでも勇者グループと合流しないと危険がいっぱい何だが……どこにいるやら……



良くわからん獣だか鳥だか人の叫び声みたいなものがアチコチからするからどうしたらいいやら………




「……て……たよ!」


「……しか………か……ね」





なんか聞こえる。

話し声?男女2人の話し声みたいなものかな?こっちに近づいてくるね。




「こっち……この先……」

「強い……だと良いね」



勇者達じゃ無かったらどうしよう。


隠れた方が良いのかな?

ってか隠したほうが良いのかな?


全裸だし。


堂々としてた方が良いのかな?


全裸だけど。


むしろ仁王立ちしていた方がいいのかな?


むしろ見せつけるように!?


そんな葛藤と戦いながら悶々しているとの姿が見えた。




……その瞬間2本の剣先が喉元目掛けて襲いかかってきた!!

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