命懸けのプレゼン……開始!!

「…今のままでは確実に準備不足です。討伐開始数分でゲームオーバーです。」


「……へぇ。根拠はあるの?」



お…聞く気になってくれたな。

……ここから俺のターンだ!

「まずそもそもの情報が少なすぎます。神様の所有する星を守ってほしいってのはわかりました。そのために私が選ばれた事も。

魔王が星を破壊する存在ってのもわかりました。

魔王に対抗するための剣と鎧の性能も。


しかしわかったのはそれだけです。それ以外の情報が一切ありません。

情報は立派な武器です。」



「それだけあれば十分じゃない?最近のラノベの異世界転生ものはそれくらいの情報だけで魔王討伐とか行っちゃうよー?俺TUEEEってね。」



ラノベを参考にするなよ……

「そんな世界線もあるでしょうけど、今回は事情が異なるのでおそらく今のままならば成功率は限りなく0に近いでしょう。


断言できます。」



「むぅ……そう……か…なぁ?」



揺らいだ!

このまま畳み掛ける!

「まず星の情報が一切無いですよね。転移先のエリアの情報も。先程の神様の言葉を返すようですが、どんな立派な剣も当てられなければナマクラですし、どんな立派な盾でも防げなければ鍋の蓋ですよ。もらった剣と鎧を使っての立ち回りも不透明なのにいきなり魔王戦となれば一方的にやられるのは火を見るより明らかです。衣食住の問題もありますよね。何日か魔王に向って旅をしながら行くなら途中立ち寄る街や通貨等の事もあります。まさかいきなり魔王の目の前に移送とかしないですよね?それに……」

「待って待って!ちょっと待って。え……そんなに?」



「むしろこっちが聞きたいです。そんなザルな感じで行かせようとしたんですか?パラシュートの使い方わからない人をいきなりヘリから突き落とすように。」


「まさかそこまでだとは……」


「考えが甘すぎます。それでも創造神ですか?」



「君は…部下と同じ事言うね。」



部下いたー

しかも苦労してそうー

「神様は何度でもやり直しできる事かもしれませんがこっちは1回きりで命懸けなんです。甘い考えでは困るんですよ。」



「え〜?と鎧で何とかならないー?」


「何とかならないから言っているんです!そもそも………」





―――結果―――



・移転先の星は地球に酷似


・星の生き物は人族以外は独自の生き物が多数


・魔法があるが使える人は少ない


・文化レベルはそこまで高くない


・魔王と言う存在がいる


・魔王を放置すると星が魔王に破壊される


・魔王はある程度ダメージ与えると封印できる


・魔王には47本の聖剣か俺の股間の性剣でしかダメージを与えれない


・魔王には4体の二つ名を持つ部下がいる


・事前に創造神の部下が神託で現地の勇者を集めて魔王討伐部隊が編成されている


・今回現地勇者では魔王に対抗出来ないため合流してから魔王討伐に向う


・魔王討伐報酬は何でも願いが1つ叶う ←大事


・現地勇者とは合流後3日くらいで魔王の所に到着出来る


・性剣に触れたら爆ぜる ←大事


・性剣は普段鞘(皮)に納められてる


・悪意を感じると抜剣される


・創造神には部下がそれなりにいる


・創造神の部下は主に女性のフォルムで巨乳が多い ←大事



―――要約するとこんな感じ―――





ツッコミどころ満載で改善要求もほぼほぼ却下されたがステータス的にはこんな感じ



✢✢✢✢✢✢✢


名前  オオノ タダヒト

種族  Oh! No! ただのひと

年齢  37


腕力  普通

体力  年相応

脚力  遅い

頭脳  最近衰え気味

魔力  魔力とは?

精神力 ヘタレ

精力  オッサン


加護  創造神の祝福


特技  暗算 土下座 脱糞


スキル 鑑定あらゆる物を覗くエロい眼

    光の鎧旅の恥は掻き捨て

    暴虐風砂刃お尻から出る風魔法


今月の運勢  後からさされないように注意


特徴  性欲異常



✢✢✢✢✢✢✢




鑑定スキル無いと全てが手探りになるから鑑定スキル付けてもらって自分のステータス見て絶望。



最初名前が種族に表記されているものだったが、本気で怒ったら名前の表記は戻してくれた。種族が人じゃなくなった。



ステータスが数字表記じゃないのは数値化出来ない事が多いかららしい。

現地の勇者も数字じゃないからと言われた。



スキルのルビに悪意しか感じられないが、もう変更は出来ないらしい。

漢字にルビふるならわかるが、漢字に漢字のルビとか意味がわからない。

創造神の頭がわる……やめておこう。


創造神に悪口で脱糞は加護であり祝福になってた。

そして特技が脱糞に。



さすがに性剣だの光の鎧だのあっても丸腰で転移は辛いからショートソードや鉄の胸当てのような装備や食料数日分なんかも交渉の末ゲット。


魔法が使えるなら使いたいって言ったらアイツが「それならお尻から風魔法とか作ってあったからあげるよ!」とかニコニコしながら押し付けてきやがった。

オナラが切断属性持った範囲攻撃魔法らしく、気軽にオナラできねぇじゃねえかと言ったら「お尻がそのままだと色々ぶちまけるからお尻だけは強化しておくね♪」とか言ってた。

お尻なら鉄の槍で刺されても無事らしい。

……全身強化してくれよ。



聖剣と呼ばれる剣が47本もあるのは、星にいるそれぞれの鍛冶師が作った剣の中でも魔王に効果的な位までの出来になったのがたまたま47本になったんだと。

神様が自分から『聖剣は都道府県とは関係無いから』としきりに否定してた。

……多分都道府県に絡めたな。

無駄に神託とか使ったなコレ……




ってか今月の運勢とかいる!?

しかも物騒だし!!

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