神様っていうか…何て言うか…

目が覚めたら真っ白い空間だった。



「…ここは?」



「アッハッハ」



後から笑い声が聞こえて振り返ると見たことのない美形な少年?青年?がお腹を抱えて笑っていた。


髪は金で目は青い。

ギリシャ神話とかに出てくるようなシンプルな格好をしている。



この空間にはこの人くらいしかいない…



「あ…あの…」



意を決して声をかける



「ここって…どこですか?」



「は〜…おかしい。


ん?  あぁ…そうだったそうだった



ここは僕の世界の一部で、僕は神様さ。」




やはりか〜


『若干存在忘れてましたー』的な態度取られたけどやはりか〜



「先ほどまで笑ってましたが何かおかしい事ありましたか?」



「可笑しいも何も…君の人生はやはり何度見ても飽きないね!何度でも見たくてファイルに保存しちゃったよ!これでしばらくは退屈しなくてすみそうだよ!ありがとう!死因なんか涙が出るくらい可笑しいよ!」



…感謝された…


そんなに可笑しいかな?俺の人生…


ってか笑える死因とかあるんだ…



「もちろんだよ!」



うわ!

びっくりした…


神様だから心読めるとかそんな感じか?



「その通り。僕に出来ない事は無いんだよ。」



やっぱりか〜




迂闊に悪口とか言えないな…






「僕の悪口言ったらウン◯止まらない呪いかけるからね。」

( ̄ー ̄)ニヤリ




え…この神様呪いって言った…

神様なのに呪いって…


ってか悪口でそんな呪いかけるとか器量狭…






「あぁ…ごめんごめん。呪いっていうか祝福ね。神様の祝福。他の人が望んでも手に入らない祝福だよ。持っているだけで皆からチヤホヤされちゃうあの祝福!それに…まぁちょっとの悪口くらいで怒るほど僕器量狭くないし!僕の心は海より広いし!全然許すからね!むしろ狭いっていう人の方が狭いんだからね!!」



若干早口なのが必死なの伝わる…

多分本気で悪口言ったら呪われそうだな…

ってかウン〇止まらない呪いって最悪だな…

どうやってチヤホヤされんだよ。

肥溜め作っている農家くらいしかチヤホヤしないだろ。



とりあえずこいつの悪口は止めておこう。





「うんうん。それがいいよ。人を悪く言う奴にろくな人はいないからね。…こいつ呼びは止めてね。」





腕を組みながら頷いているけど…

人の人生を笑っている時点でろくな人じゃない…

こいつでいいじゃん…




「僕は神様だ」  




あ~……



メンドクセエ神様だな…






「呪うよ?」

「すみませんでした!」



呪われたくないから土下座して謝っておくけど

この神様本物か?


悪魔とかそんなのじゃないよな?




「疑っているみたいだね?


まぁ…地球の感覚じゃあ僕のすごさは感じ取れないかな?

一応創造神やってていくつかの星の管理もしているんだ。」



ほうほう…


創造神か…




「それで全部の星を完璧に管理なんて難しいからある程度複数の有能な部下にやらせていたんだけど…それでも難しい問題が出てくるもんなんだよ!星って!」




なんだこの「思った通りに行かないんだよ!恋愛は!」みたいに熱弁する学生みたいなノリは…




「でも~⤴…折角作った星じゃん?壊したくないよね?」



うわ…「折角作った料理…砂糖と塩間違えたけど捨てたくないよね?」って言って食わせてくる重めの彼女みてぇ…メンドクセェ…




「…君ちょいちょい失礼だな」

「すみませんでした!」




危険な空気になったらかぶせ気味に謝っておこう。

長年培った技術の集大成だ。




「その技術がすごいのかすごくないのかよくわからないけど…このままだと壊れちゃう星があるんだが、壊したくないからこうして君を呼んだわけさ。」



ん?

俺呼ばれたのか?

選ばれた人間って事?




「そう。僕が呼んだのさ。地球の神様に交渉してね。」




え…なにそれ…俺に秘められし可能性が……とか?




「『地球にいる人間でおもしろい人ちょーだい♡』ってね!」




……最悪だよ…


この神も地球の神も……




「君はすごいんだよ!何と!あらゆるいたずらの神や悪魔や妖怪の類から一切干渉されずに面白い人生を歩んできたんだ!」






……………は?




「普通君ほどの不運に見舞われるのは、よっぽど悪質な悪魔や妖怪、いたずら好きな神様に好かれて何らかの干渉されない限り不可能なんだよ!それが!一切ない!あり得ない事なんだよ!」




熱弁されているけど……え…?

今まで不幸だったのは単に俺の運が無いだけって事?



「そうなんだよ!」



え……じゃあ……



「そう。君が『スリッパ事件』と呼んでいるあの事も『ヨーグルトじゃなかった事件』と呼んでいるあの事も『お金拾ったら色々落とした』あの事も『彼女と思ったら彼氏だった上にATMにされた』ってやつも!」




やめろ!

黒歴史掘り返すな!



「『20代だと思ったら50代だった』ってやつや『日課の途中の全裸が会社メールで拡散』も全部君の力なんだよ!」




それ掘り返すな~~~!!!




「死因だって……ブフォ!!………ププ…」



めっちゃ笑ってる……




「バ……バナナが……」




バナナ!?

死因バナナなの!?

ってか俺どうやって死んだの!?

ハッキリ覚えてないんだけど!!!




「まさか……ククク……あんな事に…」



めっちゃ気になるーーー!




「だ…だめだ…ハハハハハハ!」



爆笑してる……





「ハァハァ……君は神様を笑い殺す気か?」




いや知らんがな

勝手に思い出し笑いしてるだけやん





「君の所為で話が逸れた。本題に入ろう。」




いや理不尽!

急にキリ!っとし始めたよこの人…




「人じゃない。神様だ。」




…この人疲れる…

脳内でアニメのキャラで「ズラじゃない桂だ」って変換されるよ…





「あ~~~あのアニメ良いよね。僕も好きだよ。」





本題入ってくれねぇかな……

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