メグの叫び
「あーあ、結局ヨミルはこれが限界だったってわけだ
レイ、よく生き残ったな」
「どうして、2人の時に俺を殺さなかったんですか
1番安全に殺せたはずですが、」
「いーや違うね、俺はスリルは好きだが、負け試合は好きじゃねえ、分かってるんだよお前もまだ力隠してんだろ」
これはルドの存在か?
ユフスがルドと同じ魔力感知の力を持っていると言う事は存在がバレている可能性が高い。
バレてるなら好都合だ。心で喋る必要が無い。
「心臓から強烈な魔力の消費を感じるなあ、もう薄くなってるが」
やはりバレていた。
魔力の気配が薄くなっているのか、やはりルドを酷使し過ぎた。
「悪いなルド、心の声で話し過ぎた。
ここからは戦闘でしか魔力は使わない、踏ん張ってくれ!」
「任せてよ、指示もするから目の前に集中して」
いきなりテソーラは打ち込みをする。
ユフスの回復があるから動きに迷いが一切ない。
「メグさんも戦ってくれますか?」
「……わた…力になれるかな」
「ああ!人を狙うのが怖いなら俺に向かって回復を続けてください
接近なら負けませんよ俺とルドがいれば絶対です」
その通りな事が運ぶ。
全体的に俺が優勢で試合が進むも、突如としてメグさんの回復が止まり、俺に傷がつく。
「あいつは結局はビビリで足手纏い、助ける必要があるか?」
「逆になんであんたらはメグさんを狙うんですか」
「それだけは言えねえな」
俺は元であれチームメイトの事を馬鹿にした発言が許せなかった。
なんでこんな奴に人が寄ってくるんだ。前の世界ならこんな奴、弾かれて孤独になると言うのに、力が必要なのか。それなら今チームメイトの想いを込めた一撃を食らわせる。
「魔剣が、読めてる。
所詮、魔術頼りの奴はこの程度なんだよ、終わりだな」
まだ諦めない。右か左か、いやどっちも逃げられなさそうだ後ろから、逆に強行突破?
「剣を出せ!!攻めの手を止めるな!ユフスもテソーラも疲れてきているぞ!まだこっちには魔力も余裕がある。
隙ができたら「
「それを使ったら体力が…」
「体力を気にする余裕、今あるの?」
「お前も体力の限界か?少々お前を過大評価し過ぎた見たいだ───死ね。」
俺はワザと剣で防御が失敗したかの様に後ろに吹っ飛ぶ。
そして剣を後ろに投げ捨て、全力で。
「
「やっぱ隠してたか、怖いなあ教えてくれよ仲間だろうよ、あ、俺お前を仲間って思った事なかったわ」
「アイスヴェール」
攻撃を食らいユフスの回復でも治らない深い傷を、負ったのにも関わらず、余裕で動けてる。
まずい、取り敢えず防御を……
「もうやめてください、!」
メグの声がこの戦闘を一瞬で静まり返らす。
それ程、重要な人物であると言う事だ。
「テソーラさんも、ユフスさんも、もうやめて、私がそっちに行くからもうこれ以上、戦いをしないで。
全部私のせいだって分かってる。でも私も私が自分決断出来たの。許して、レイ。」
「ごめんそれだけは出来ない、全部がメグさんのせいでも無いし、これは皆んなの責任なんだ。
テソーラ達の誘いを受けたサラとメグさんも悪い。
遊びの気持ちが少しでもあって迷宮に入る事を決めたヨミルさんも悪い。
動くのも判断も遅くて何事も優柔不断で前の失敗を引きずって、1人になるのが怖くて一歩が出せない、挙句まだサラを自分の手で殺してしまった俺も悪い。
皆んながこの迷宮を通して失敗を自覚している。
ここにいる人は元々チームなんかじゃ無かったんだって、それでもヨミルさんはリーダーとして、なんとかチームにしようとしていた。
それだけは守りたいんだ。
これだけは絶対に譲れない。だからメグさんには絶対に死んでも良いなんて言わないで欲しいんだ」
「……ごめんなさい」
「ありがとうございます」
俺は防御しながら後ろ下がり、捨てた剣を拾い構える。
「ヨミルさん、サラさん、レイくん本当にごめんなさい
最初からこうするべきでした。許してください」
「助けて…お兄ちゃん」
小さな声で何か呟くと1人の男が出て来た。
化身?召喚魔術?魔法陣も無い、分からないが1人の強そうな男が出て来て、メグさんに話しかける。
「久しぶりに呼んでくれたな、俺嬉しいよ。
最近メグの顔が見れてなかったから俺、寂しかったんだよ。これからも定期的に呼んでくれたら嬉しい。
……ってごめん!仲間の前だったねこんな恥ずかしいお兄ちゃんじゃ駄目だよね。」
「…もう分かったからまたずっと近くにいるから、私たちを助けて」
メグさんの助けての言葉には一段と反応をする様だ。
召使いとかなのかな。
「分かったけど敵なんてどこにも味方しかいない気が……お前らか」
そう言って、テソーラとユフスの方に強い視線をおくる。
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