急襲
「サラ、ごめんなお前をこんな目に合わせるつもりはなかったのだが仕方ないこれは決定事項なんだここで眠っていてくれ永遠に」
「レイもごめんね、短い間だったけど入ってきて正直鬱陶しかったけど、迷宮に連れて来てくれてありがとう。お陰で任務が達成されそうだよ──────────。」
何が起きたんだ?
俺は刺されるのをルドの助けのお陰で刺されたのは心臓をギリギリ避けた肩だった。刺さった剣を抜き、一応使える様になった初級の回復魔術で傷口を塞ぐ。
何が合ったのか思い出せ、俺は誰に刺されたのかを、魔物はいなかった。しかもこの剣を魔物が持つ訳が無い。となるとやはりあの2人!!!
あの言葉は嘘じゃ無い本当なんだ、だとするとサラもこの近くに、、と思い下を見ると絶望的な状況のサラがいた。
俺と違ってルドの声がない為、見える限り剣は心臓部を恐らく刺してあるだろう。
そしてこれは上から落ちた岩だ。どちらかが魔術を使って上から岩を落とした……いや違うな、リーダーが言っていたいざって時のために、実力を誰にも言わずに隠す。
俺は勘づいた、あの2人は強い魔術を使えないのではなく使えないフリをしていただけで俺らを裏切る為に隠していたと言う事か。
と言う考察なんてしないでこの状況を何とか打破しないとこのままでは2人が何をするんだったっけ、思い出せ、最後の部分だ。
「2人の狙いはメグだよユフスが言ってたこのままじゃヨミルも危ない、取り敢えずこの岩を壊して2人のとこに行かないと」
(無理だ、岩を破壊する力を使ったらサラが下敷きに…)
俺はこの状況で選択に迫られている。
しかも正解は無く必ず失うものがある選択。
1.岩を破壊して2人の向かうであろう方向を予測して進む
この場合救える人の数は多い可能性が高いが、必ず1人(ルドの親友)が死んでしまう。
最悪の場合、見つける事が出来ず2人もやられる。
それなら、
2.何とかしてサラを助ける事を最優先
この場合サラは助かるが、高確率で2人は死んでしまう。勝てる可能性もあるが、実力を隠しているテソーラとユフスを相手にするのは厳しい。
3.岩の無い反対方向から進む
これだとサラも救われないし追う事も厳しいだろうからこの選択は無い。
「サラ…」
「嫌だ、死にたくない、まだ死にたくないよ」
そうだ、そうなんだここで死ぬには早過ぎる、しかも仲間の裏切りによって殺されるなんて今までの皆んなとの思い出は何だったんだってなって、後悔しか残らない死になる。
それは可哀想。だから助けるしか。
「待ってて、今俺が助けるから」
とは言ってもこの岩を壊すには爆発魔法じゃ無いと厳しそうだ。正直に言うと選択は1以外考えられない状況となってしまっている。
「何迷ってるの、今ならまだ助けられるかもしれない命があるんだよ。僕も本当はサラに生きていて欲しい。」
(なら助ける方法を)
「ねえレイ私の話を少し聞いてくれないかな」
こんな所で話をするのを許したら遺言みたいになってしまう。それはダメだまだ生きていて欲しいから、そんな事をするのは絶対に違う!
「私…」
「何も言うな!今助けるから…話はその後ゆっくり聞くから今は何も言わないで欲しいよ」
俺は何か伝えようとしたサラの言葉を速攻遮って引き止める。サラにはまだ諦めないで欲しかった。
「自分が一番分かるの、もう限界だってね。
だから私を助けないで…とどめを刺して欲しい…私は8年前からレイが好きで今もずっと好き。
私は裏切り者なんかに殺されるんじゃ無くてずっと好きだった人に最後を迎えられるなら私、死ぬのは平気だから…お願い私を殺して2人を助けてあげて」
声が振り絞って出したかの様で所々は聞き取りにくかったが、訴えて来た事は間違い無く受け取った。
それでも俺は人をこの手で殺す事は出来なかった、それは死ぬと言う恐怖を俺自身が知っているからだ。死ぬのは一瞬じゃ無い、今の俺にとって、そして世界の時間にとっては1秒に過ぎないだろう、しかし、それは受け手なら話は違う、体全身に激痛と恐怖その全てがたったの1秒に全てが乗っかるんだ、そんな1秒想像するだけで心が締め付けられる。
俺はもう見たくなかったんだ。その瞬間を、
その為に俺は平和な世界を望んでいるんだ、
「覚悟は決まったよ早く私を楽にして、私の事を少しでも思っているならなおさら」
「ごめん、サラに辛い思いをさせて本当にごめん絶対に2人は助けるからどうか見ていて下さい、そして生まれ変わったら平和な世界でまた一緒に遊んで貰えますか」
「こちらこそよろしくお願いします。」
サラの最後の笑顔を見て俺は手が止まりそうになってしまったが、勇気を振り絞って爆発魔法を放つ。
すると岩の崩れる音と爆発音が激しく鳴り響き、道が開かれる。
俺に今悲しむ暇など無い。サラの想いを無駄にしては絶対にいけない!
必ず、2人は救わなければと俺は全速力で走る。
P.S.
今作のレイとの1番のメインヒロインであるサラ・レイブナントが今回で亡くなってしまいましたが話はまだ少し続きます。申し訳ありませんでした。
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