勇者とせいじょ

 街に戻りあの二人の情報を探るとすぐに情報が手に入った。

 半年程前に田舎から出てきたらしく、実力があったこと、スキルが勇者と聖女であること、真面目に依頼に取り組んできた姿勢を認められぐんぐんランクを上げたとか。半年でC級は確かに異例だろう。

 まぁ俺からしたら真面目なだけなやつなんて興味もないからわからないのも無理はないか。


 教えてくれたのは売春宿のいつもの嬢。元仲間なんだけどね。エロフもといエルフのナニーニさんだ。年齢は二百はとうに超えているらしい。様々な種族とヤりまくり様々な技を持ち、尚且つ素晴らしい身体の持ち主なのだ。色々と。

 売春婦などやっていると当然情報も入ってくるらしく鮮度もいい。間違いはないだろう。

 勇者のスキル持ちは、ドーエーム・レイ。田舎の騎士爵出身。ドーエームといえば少し前にあった隣国との戦争で戦果を上げた家だった気がする。

 聖女のスキル持ちは、サディース・マリア。教会の総本山アヤシー教国出身。それ以外は秘匿されている。

 聖女は噂によるとかなりの性に奔放で、性女様と呼ばれているのだとか。冒険者の中には骨抜きにされて文字通りアレが再起不能にされた者が後を勃たない、もとい断たないらしい。


「どうもね〜、相当なテクと名器らしいよ?しかも何度イッても回復魔法をかけられて強制的にヤられるとか。有名な色男も聖女様とやったら不能になっちゃったってさ」


「へぇ」


「勇者様の方も変わり者でねぇ〜。どうも痛いのが好きらしいよ?」


「あ〜」


 戦いながら避けられる攻撃を致命傷以外受けていたのはそういうことか…。いや、命のやり取りしている時にやるか?普通……。

 でも確かドーエーム家の当主も戦争中は傷を恐れずに勇敢に相手の陣地に突っ込んだ、なんて話を聞いたな。まさか、そういう家系なのか??


「変態の考えてることはわからんね」


「アハハ!あなたがそれ言う?」


 なんだよ。心外だな。それでは俺が変態みたいではないか。否定はせんが。ムクムクしてきちゃった。


「よし!十発は頑張っちゃおうかな!」


「は〜い」


 その後めちゃくちゃアレした。



 翌日、ギルドに向かう最中に早速聖女様を発見する。身体のデカい禿げた冒険者と腕を組み、裏路地へ。

 人気が無い場所に入るとご丁寧に防音結界を張る。軽くチュッチュしていちゃつくと聖女は冒険者のズボンをおろしナニをナニし始める。相当なテクニックらしく二分もしないうちに発射してしまったようだ。聖女はいやらしく口の中を見せるとそれを飲み込む。

 それを見て更に興奮した冒険者は我慢できずに聖女を押し倒し、スカートを捲り、下着を脱がす。

 前戯も無しに無理やり聖女に突っ込むものの特に痛がる様子のない聖女。どちらも準備万端だったようだ。

 冒険者はしばらくヘコヘコしていたが、一分も保たずにそのまま果ててしまったようだ。

 二発も立て続けに出して冒険者の息子はもう元気がなくなってしまったようだが、不満気味な聖女が回復魔法をかけるとまた元気になったようだ。それに興奮した冒険者はそのまままた挿入する。

 これまたすぐに果ててしまうものの挿入しながら聖女が回復魔法をかける。そこまで行くと冒険者はもう無理と首を振るが構わずに冒険者を押し倒し、今度は聖女が上に跨り腰を振り出す。そしてまた果てる。

 その度に回復魔法をかける。そして防音結界によりわからないが、口の動き的におそらく毎回『もう一回』と言っているな。

 そして性女は廃人の様になって腰を痙攣させ動けなくなった冒険者の服を戻し、防音結界を解くと一言『ごちそうさまでした〜』と浄化魔法を自分にかけながら去っていく。マジで性女だわ。


 こうなると相方の方も気になるもので勇者を探してみることにした。ギルドに顔を出して受付嬢と少し話をすると手を振りギルドの外へ出る。

 しばらく街を歩くと売春宿の方へ。しかもこっちは少しディープなお店が建ち並ぶエリアだ。

 なんの躊躇もなく入った店はSM専門店。流石に中までは入って行けないが気になるな。気配を消して屋根に隙間を空け天井裏に入る。いくつかの部屋を覗いていくと勇者はすぐに見つかった。

 相手は女のようだが…。勇者は全裸で三角木馬に両手を上で縄で吊るされた状態で跨っている。亀甲縛りもされてる。何アレヤバい。


「さぁ!早く叩いてくれ!!」


「叩いてくれじゃないでしょ?お願いしますブヒィだろ!!」


 バシィ!!と鞭の音が響く。いやアレガチのやつだから。馬用のガチのやつ。


「ブヒィ!!もっとだ!もっと叩いてくれ!!」


 しかも鞭の使い方が上手いのか背中は一撃喰らっただけで腫れるどころか出血している。


「アハハハ!ほらほら!!どういう気分?いってごらん!」


 更にバシバシと叩き続ける女王様。


「ブヒィ!!ぎもぢいぃぃですぅぅ!!」


 そう言うと勇者が跨っている三角木馬から液体が流れ出す。なんのかはわからない。わからない。

 何度も打ち付けられると身体を仰け反らせビクビクし始める。


「おい!豚のくせにまさか勝手にイッたんじゃないだろうね?」


「ブヒィ!す、すいません!女王様!」


「悪い豚にはお仕置きだよ!!」


 女王様が手元の縄を引っ張ると勇者は亀甲縛りのまま宙に吊るされる。そしてすかさず鞭の一撃。

 流石にもういいかな…。勇者の勇をこんなところで使うなよ。なんか疲れた。さっさとギルドに寄って帰るか。


 まあ、勇者と性女は変態だということがわかった。俺も大概だから奴らとは関わらなければ邪魔をすることもないだろう。

 なんて思っていたのに…。


「あんたが生還の死神だね?よろしく頼むよ!!」


 ギルドからの依頼で一緒に組まされることになろうとは。


「よろしくお願いしますね♡」


 性女は色目を使ってきてやがる。関わりたくねぇ〜。


「ははは…。よろしくお願いします」


 まさかこれが、これから始まる長い付き合いの始まりとは思いもしなかった。

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