バレエ用語集【は行】

【は】

〇パ

バレエの踊り、ステップなど、一つの基本動作。移動する動き、跳躍、回転、その他さまざまなバレエの踊り、動き、ステップを『パ』と表現する。


〇パシゾー・アントゥールナン

助走で一回転した後ジャンプする。ジャンプした後、空中で前の足と後ろの足を入れ替えるテクニック。助走での一回転で右回転する場合、回転した後、右足を前に振り上げジャンプする(左足は後ろに蹴る)空中で左右の足を挟むように入れ替える。この時左足が前に来るので左足で着地。そのまま一回転して次のジャンプに繋げるか、一回転してポーズで終わる。


〇パッセ(ルティレ)

右足軸で爪先立ち、左足は膝をくの字に曲げつま先を右足の膝の位置につける。この時アンディオール。両足とも足の付け根から開くよう意識し、つま先が百八十度開く様にする。


〇パッセ・トゥール

ジャンプして空中で一回転、あるいは二回転(通常二回転)する。その際右回転の場合、右足をパッセ。足の付け根から開き膝をくの字に曲げつま先を左足の膝の位置につける。


〇パッセバランス

 パッセでバランスを取る。


〇パ・デ・シャ(猫の跳躍)

ネコの跳躍をを意味するジャンプ。右足から始める場合、足を五番ポジションからプリエ。右足の膝を曲げながら、つま先が左足に沿うように上げ、左足で踏み切りジャンプ。空中で一瞬、足がひし形作るような形を取り右足から着地。続いて左足をそろえるように五番プリエに着地する。猫のように軽やかにジャンプする。


〇パ・ド・ドゥ

女性と男性が二人で踊る踊り。構成として次のような構成を取る。

◇アダージオ

ゆっくりした曲で男性が女性のバランスやターンをサポートしたり、男性が女性をリフトする踊り。

◇男性ヴァリエーション

男性のソロの踊り。

◇女性ヴァリエーション

女性のソロの踊り。

◇コーダ

華やかな曲で女性と男性がそれぞれテクニックを披露する。最後は二人でポーズを取る踊りが多い。

※グラン・パ・ド・ドゥ

主役の女性と男性が踊る踊り。全幕バレエの最大の見せ場。パ・ド・ドゥの前にアントレという導入部分があり女性と男性が華やかな曲で一緒に登場する踊りが多い。


〇パドブレ

五番のポジションから前の足(右)をドゥミ・プリエ、後ろの足(左)をクペ(膝をくの字に曲げつま先を前の足(右)の踝あたりに付ける)。そこからクペの足(左)のつま先を付けると同時に右足もつま先立ち、両足でつま先立つ様にして足を踏み替えながら移動する動き。

ドゥミ・プリエ 膝を踵が上がらないところまで曲げる。


〇パドブレ(トゥシューズで立って移動するパドブレ)

片足ずつ交互に動かし移動する動き。トゥシューズで右足前でする場合は両足を締めるように膝を伸ばして立つシュスの状態から足が開かないようにつま先立ち、右に移動する場合、後ろの足(左足)から右に移動する。右足は左足の位置まで移動する。これを細かく連続して右に進む。両足が開いた状態にならないように注意する。


〇バトマン

膝を曲げずに足を振り上げる動作。


〇バランセ

ワルツのリズムで足を踏みかえながら体の重心を移動させる。左右、または前後に振り子のよう揺れるような動き。腕も使い、優雅に、あるいは力強く表現する。

このときリズムは一、二、三、一、二、三……と三拍子でリズムを取るが「一」にアクセントを置いて三拍子を取る。


〇パリ・オペラ座バレエ団の階級

エトワール、プルミエ・ダンスール/プルミエール・ダンスーズ、スジェ、コリフェ、カドリーユという階級があります。

☆エトワール

パリ・オペラ座バレエ団の階級。星を意味する言葉。主役級ダンサー。バレエ団の顔となるダンサー。

◎プルミエ・ダンスール/プルミエール・ダンスーズ

パリ・オペラ座バレエ団の階級。重要な役を踊るダンサー。重要なソロの踊りを任されるダンサー。

◎スジェ

パリ・オペラ座バレエ団の階級。ソロの踊りを任されるダンサー。

◎コリフェ

パリ・オペラ座バレエ団の階級。コール・ド・バレエ(群舞)のリーダー。コール・ド・バレエ(群舞)のトップを務めるダンサー。

◎カドリーユ

パリ・オペラ座バレエ団の階級。コール・ド・バレエ(群舞)のダンサー。


〇バレエの階級

◎プリンシパル

バレエの階級。主役級ダンサー。バレエ団の顔となるダンサー。

◎ファーストソリスト

バレエの階級。準主役。ソロの踊りを任されるダンサー。主役を踊ることもある。

◎ソリスト

バレエの階級。ソロの踊りを踊るダンサー。

◎ファーストアーティスト

バレエの階級。コール・ド・バレエ(群舞)のトップを踊るダンサー。

◎アーティスト

バレエの階級。コール・ド・バレエ(群舞)を踊るダンサー。


〇バレル・ロール・ターン(トゥール・ド・ラン)

舞台を大きく円を描きながらジャンプする跳躍の一つ。前に振り上げる足は膝を伸ばして振り上げる。後ろの足はアチチュード(膝を曲げた状態)でジャンプする。この時、体は舞台で移動する円軌道の中央方向にやや傾けた状態で連続ジャンプする。


〇パンシェ

パンシェは「傾けた」の意味。アラベスク(上体をまっすぐ保ち片方の足をまっすぐ後ろに伸ばして上げるポーズ)で足を後ろに上げたまま、上体を前に倒し、後ろに伸ばした足を更に高く上げる動作。ポーズ。


【ひ】

〇ピケ・アンデダン、ピケ・アンデオール

ピケは右足軸の場合、左足をプリエ(膝を曲げる)した状態から、一気に右足ポワント(つま先)で立つ。左足はパッセ(太腿から足を開く様に使い膝を曲げつま先を軸足の膝につける)右足軸のとき右回りに回るのがピケ・アンデダン。右足軸のとき左回りに回るのがピケ・アンデオール。


〇ピチカート

弓で弾くバイオリン属の弦楽器の弦を指ではじいて弾く奏法。


〇ピルエット

回転のテクニック。ピルエットにはアンディオール(外回り)とアンデダン(内回り)がある。

アンディオールの場合、軸足を左足とし左手を後ろに振る方向へのターンが右回転になる。

左足を前、右足を後ろにして、右足で蹴り上げる様に左足(つま先)で立つ。この際、右足は膝をくの字に曲げ右足つま先を軸足の左足膝に付ける。右足は足の付け根からアンディオール(外側に開く)軸足の左足も足の付け根から外に開く意識を持ち。軸足は膝が曲がらないよう、足首は一番高いところまで引き上げるように気を付ける。

アンデダン(内回り)はこの反対。そして、回転は左右両方ある。


【ふ】

〇ファイブ・フォーティ

空中で一回転半。五百四十度回転する。

ジュテ・アントゥルナン(空中で一回転するジャンプ)では、右回転の場合、進行方向に体を一回転させながら、右足を振り上げて右足で着地する。

ファイブ・フォーティで右回転の場合、体を一回転させた後、右足を着地せず空中に保ったまま、左足で右足を越えるようにして左足で着地する。この時、体がもう半回転するため一回転半、五百四十度の回転となる。


〇ファーストアーティスト

バレエの階級。コール・ド・バレエ(群舞)のトップを踊るダンサー。


〇ファーストソリスト

バレエの階級。準主役。ソロの踊りを任されるダンサー。主役を踊ることもある。


〇フェアテ(ペアテ)(リエゾン・ド・ピルエット)

一回転のピルエットを連続して回るテクニック。ピルエットを一回転するごとに五番ポジションのドゥミ・プリエに下りてピルエットを連続して繰り返す。バレエ『ドン・キホーテ』(第一幕)のキトリのヴァリエーションなどで踊られる。


〇フェッテ

回転のテクニック。ピルエットから入ることが多い。右回転の場合、左足を軸足にして、右足をドゥバン(体の前)に膝を伸ばして出す。この時、軸足はドゥミ・プリエ(踵を付け踵が上がらないところまで膝を曲げる)そこから一気に右足を真横に振るのと同時に軸足はルルベ(膝を伸ばし、足首も一番高いところまで立つ)で立つ。

立った瞬間に右足は巻き込むようにパッセ(膝をくの字、つま先を軸足の膝に付ける)にして回転し、正面に戻るとき軸足をドゥミ・プリエ右足をドゥバンという動きを繰り返し連続して回転する。

特に作品の主役が見せ場で回るものはグラン・フェッテといい『白鳥の湖』の黒鳥や『ドンキホーテ』のキトリ『海賊』のメドーラなどは三十二回転回る。


〇フォンデュ

「溶ける」「やわらかく」というような意味があるチーズ・フォンデュなどのフォンデュ。右足のフォンデュでは、両足膝をゆっくり曲げなら、右足はクペといい右足先をゆっくり浮かせ、左足首あたりを通るように、左足は踵が上がらないところまで曲げる。

そこから軸の左足はゆっくり伸ばす。同時に右足は前方四十五度、足を浮かせた位置までゆっくり伸ばす。右足と左足が同時に伸びきるように動かす。それを前、右、後。


〇プティ・バトマン

軸足の踵は床に付けた状態だったり、ルルベだったり(つま先立った状態)するが、動かす方の足は膝を「くの字」に曲げて、足の付け根から膝までは固定し、膝から下を動かす。足先(つま先)で、軸足の足首、内側の踝、外側の踝を交互に叩く様な動きを素早く繰り返す。

このとき、動かす方の足首、甲を張り出すようにする。

足の細かく速い動きの練習。このとき同時に腕は柔らかく、ゆっくりした動きを合わせて練習することが多い。


〇フラッペ

フランス語で「打つ」「叩く」という意味がある動き。足先で床を叩くように動かす動き。右足を浮かせ、左足の踝上あたりで止める。その位置からシュッと前の床を叩くように足を出す、そしてシュッと元に戻す。リズミカルに速い動きの練習


〇プリエ

「折りたたむ」という意味。両膝、または片膝を曲げること。プリエはバレエに於いて、ほとんどすべてのパ(動き)に付随する。

まっすぐ立って頭から尾てい骨まで「まっすぐ」を感じ、その軸の重心が両足の均等にかかることを感じる。

プリエは踵が上がらないところまで膝を曲げるドゥミ・プリエを数回した後、グラン・プリエ、グラン・プリエは二番ポジション以外は踵が上がってもよく、一番深いところまで膝を開く、二番ポジションは踵が上がらないところで一番深いところまで腰を下げる。


〇プリンシパル

バレエの階級。主役級ダンサー。バレエ団の顔となるダンサー。


〇ブルノンヴィルスタイル

オーギュスト・ブルノンヴィルにより考案されたバレエのメソッド。バレエのスタイル。細かい足さばきが多く。女性の踊りでも三十二回転のグランフェッテなどはなく、男性の踊りでもアラセゴンドターンのような大胆なテクニックが目立つ踊りはなく。また、マネージュ(舞台を大きく円を描くように周りながらジャンプやターンをする踊り)などもない。どちらかといえば繊細で、細やかなテクニックが散りばめられた踊りが多い。


〇プルミエ・ダンスール/プルミエール・ダンスーズ

パリ・オペラ座バレエ団の階級。重要な役を踊るダンサー。重要なソロの踊りを任されるダンサー。


〇プロムナード

いろいろな形があるが女性はアチチュード、アラベスクなど片方の足を上げた状態でキープ、軸足はポワントで立ち(つま先で立ち)バランスを保つ、男性が女性のウエストを支えたり、女性が一方の手で男性の肩。もう一方の手で男性の手のひらを取る形で、女性の軸足を軸にして、男性が女性の周りを一周回る。


【へ】

〇ペアテ(リエゾン・ド・ピルエット)(フェアテ)

一回転のピルエットを連続して回るテクニック。ピルエットを一回転するごとに五番ポジションのドゥミ・プリエに下りてピルエットを連続して繰り返す。バレエ『ドン・キホーテ』(第一幕)のキトリのヴァリエーションなどで踊られる。


【ほ】

〇ポールドブラ

腕を動かして表現すること。バレエ表現の腕の動き。

腕の運び。腕をあるポジション(位置、ポーズ)から別のポジション(位置、ポーズ)に移す、移動させること。腕の軌跡。


〇ポロネーズ

フランス語で『ポーランド風』の意味。マズルカと並ぶポーランドの舞曲を起源とした曲。


〇ホワイエ

劇場、ホールで客席の外に設けられた休憩できる場所。

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