第43話 ナンパに天誅らしいよ知らんけど
ナンパされてる晶子。
棒立ちのタケ。
……おい!行動しろ!
とはいえいきなりナンパ野郎退治しろなんて、ヘタレのタケには難しいか……
1 オレの彼女に手を出すな!
2 晶子!待った?
3 オカマのフリをする
わ、連続選択肢だ。
えーっと…うん、1は王道だね。ただ相手が野蛮な奴なら、生意気だとか言って殴られるかも…
2は、いきなり恋人扱いしない分晶子の反応を気にする事はないけど…これからどう対処すればいいかわかんないね。
……問題は3だよ。どういう事?
そんな趣味ないナンパ連中追い払うためか?
さすがに想定外すぎる選択肢だよ…
今回は、好感度以外にもこのナンパ男達がどう動くかわからないとこが難点だね。
殴られる覚悟あるなら喧嘩になるのを恐れず1にするのもアリだけど…
おっ!
タケが意を決して、晶子の前にたったらしいよ!
「あ?誰だてめえ」
ナンパ野郎はタケをにらみつける。結構野蛮な奴かもね。
「こ、こんな子じゃなくてえ、アタイとー遊ばない?」
クネクネしてウインクしだすタケ。
え、ええええええええええええ!!
オカマの振りを選んだの!?
なんで!?ってかキッショ!
やったことないのと、恥ずかしさからか吹っ切れるほどオカマになりきれてもないし。
なぜなら声は低いままだし、恥ずかしさのあまり顔真っ赤で声もどことなくちいさい。
無理すんなら3なんて何故選んだんだよ…
ふざけたりできる性格でもないだろうに。
「プフッ……」
ん?晶子はなんか吹き出してるらしいよ。
笑いのツボに入ったのかな?
意外と好感度は上がってたりして…
「うげ……なんだよこいつ」
ナンパ野郎はドン引き。下手な演技だけど、騙されてくれてるようだ。
まあキッショいしね…オカマとか関係なく関わりたくはないよね。
「なに?なんなのてめえはよ。おれらはこの後ろの子に用あんの」
「だ、だからん、友達なのよんこの子。だから、アタイが遊んであ、げ、る」
「いやお断りします…」
あまりの気持ち悪さに敬語使い出したよナンパ男……
ただ、このキッショさのおかげで一歩引いてるから、暴力にうったえてはこなそうだ。
他2つは殴られる可能性あったし、セーフなのかな?晶子の評価も悪くなさそうだし。
「いーからどけっての!」
「だ、だめよん」
時間だけが過ぎてくね…
意外とこの男も折れないな。一目もついてきてるしいい加減諦めろよ。
この騒ぎで周りの人らがチラチラ見てるぞ。
「おい、気持ち悪いしもう行こうぜ」
一人のナンパ男がそういうが、
「待てよ。諦めんのはまだ早いって」
うーんしつこいのが一人いるな。めんどくさ…
「「おい」」
「あん?……」
ナンパ男に後ろから声掛けてきた人物は、振り返ったタイミングで、蹴りで下腹部を攻撃した。
押すように、強く……
ようは金的したのだ。
「ほぎゃあああああえ!!!」
絶叫!こっちが驚くほどの耳に響く轟音だよ。
金的したのは……金髪の爆乳女ヤンキー、夏目円香だった。
あ、美波くんと海の家来てたんだもんね。そりゃ近くにいて騒動に気づくか。
「ナンパしに海に来るな。殺すぞ」
ヒエッ……ライオンを思わせる眼光…恐ろしい目つきだよ。
声も女ながらにドス聞いてるし…ヤンキーというより、ヤクザみたいだ。
「す、すいませんでした!!」
一撃くらって動けない奴を抱えてナンパ集団は、血相変えて逃げてった。
「チッ…」
舌打ちまで怖っ…
タケもなんかびびってるし。
「あの、助けてもらって、」
「別にお前のためじゃねえよ。あいつらがうざかっただけ。シンがトイレ行ってる間ウロウロしてたら見かけたんだが、あんなのまだいるんだな」
タケの礼をさえぎって、夏目は海の家に戻っていく。
「アタシのためでもなかったっぽいね。礼言いそびれたわ」
晶子はあまりの出来事にボー然としてたようだよ。
「でもタケ、面白かったよオカマ演技」
クスクス笑ってる晶子。
「う、ウッサイな。どうにか穏便にすまそうとしたんだよ。あきれてどっか行くかと思ったから…」
「わかってるわかってる!助けようとしてくれたんでしょ?定期ありがとう」
……少し顔赤い。
成功か…なんかすごいな。
タケは攻略候補三人に対してだけはうまいぐらいに攻略できてる…
完全攻略近いかもしれない。
ただ、誰を選ぶかはわからないけど。
つづくらしいよ。
次回は海デート終盤かな?
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