第41話 さあ遊ぶらしいよ知らんけど

「と、とりあえずなにしよっかみんな!」


 タケは夏目を見ずに、視線は攻略候補を中心にして話し出した。


 うむ、胸にコンプレックスありそうなヒロイン達には、爆乳に揺れない男に惹かれる可能性あるもんね。胸なんて気にしない、飾りだって奴に好感わくだろ。


「シン、なにか食べたいから、海の家にでも行こう」

「…えっ?」


 夏目が美波くんを引っ張って行く。見張るよう言われたからか?そもそも見張るってなんだろうね?浮気対策か?なら二人きりになるのは正解か。


 少し、動揺というか抵抗しようとした美波くんだが、タケと攻略候補を見ると…


「まあ、いいか。ちょっと離れるな朝馬」


 むしろ自分達がいないほうがいいかと思ったのか、一人頷き、夏目と共に離れる美波くん。

 邪魔者は去るってことかな?


「おら安野!デレデレしてるヒマあるなら練習しろ!」


 ん?モブ…というのは失礼だけど、晶子が連れてきたもう一人の友達が安野くんに蹴りいれてるよ。野蛮だな。

 てか知り合い?


「ヒエッ…部活は休みなんだからいいじゃないでゲスか!」

「うっさい。せっかくの砂浜だろ。足腰鍛えるのに最高じゃんか。サボらず鍛えろよ」

「ヒエ~なんでマネージャーなんて連れてくるんでゲスか~!」


 なるほど、所属してる野球部のマネージャーか。

 遊びも許さないとは鬼だねえ。


 …ということでまた二人消えたね。これで残る女子は攻略候補の三人だけ…


「おい海行こうぜ三浦!」


 あ!昼田の奴百合子の手掴んで海に行きやがった!


「ちょ、ちょっと!僕は健人くんと…」


 有無を言わさず連れてかれた…

 そしてすかさず、


「よし!こっちも行こうじゃんか佐藤さん!」

「え、ええええ!?」


 あああ!佐藤も夜野にさらわれたよ!


 そして泳ぎだすみんな…

 タケは泳げないから追いたくても追えないじゃんか。


 ……立ち尽くすタケ。

 そしてもう一人の晶子。


「なんか、余った感じね。あたしら」

「そ、そうだな…」

「百合子はともかく、しーちゃんもモテるのね~やるじゃん」


 モテるかどうかはともかく、狙ってる男がいるんだもんね。それ相応に魅力ある証拠だね。


「あたしはそんな男に言い寄られる経験ないから、すごいと思うわあの二人」


 え、ないんだ。意外。

 モテそうなのに。

 高嶺の花すぎるとか、物言いがキツイからとかで男に警戒されてたのかな?


「野球部組もほっといていいだろうし、夏目はなんか言い訳してるけど、美波くんと一緒にいたいだろうから邪魔するのもあれだし…」


 晶子は少し、照れくさそうにして、鼻の頭をかく。


「あたしら二人で行動…する?」


 おいおい、実質デートの誘いじゃんか。

 …晶子狙いなら、変なライバルもいないしアリなのかも。


 まあ美波くんの友達が惚れてるらしいけど、言い寄られてないって話が本当なら積極的に動いてない証拠になるし…


「そう…だな」


 少し迷ってるみたいだね。

 他二人が昼夜コンビと仲よくなられるのも困るからかもね。


 つづくらしいよ。


 次回は…とりあえず二人でなにするんだろ。

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