第40話 もう一人とその他、らしいよ知らんけど

「いや~三浦のボーイッシュなスタイルいいじゃねえか!」

「うんうん佐藤さんのマニアックさはこちらにも響いたぜ」


 お呼びでない昼田と夜野がまじまじと見て感想言ってるよ。

 悪いけど、君たちの感想とかどうでもいいんだよね。

 当人の百合子と佐藤もそう思ってるでしょ。ほぼ無反応だし。


「はは、ありがと。…健人くんはどう思う?」


 お、タケに感想求めてきたよ。

 やはりこの二人より好感度高い証拠だね。

 さあ、気のきいた言葉を述べよ!


「え、あ、…めっちゃ似合ってるよ…な、なんか照れるな」


 …無難すぎるな。いや、悪くはないけど…

 マジで照れてるっぽいな。

 エロい姿見たいとか言ってたのにうぶな反応するなよ。


「や、やだなー健人くん!そんな顔真っ赤じゃこっちも照れるじゃん」


 互いに真っ赤だよ。……青春だなあ。


 さて、他の女子は…


「あーヤダヤダ。ここの男どもはスケベな奴ばかりみたいでさ」


 最後の攻略候補、武内晶子がぼやきながらやってきた。

 ……わお。


 胸元丸見えのビキニスタイルじゃないか。パンツも食い込むようなやつだし…意外と派手なの好きなのね。


 ま、胸元見えても谷間がない、まっ平らだからエロくないけどね。


「う、うおおおお!セクシーでゲスねえ!」


 安野くんだけが大きく反応した。

 他の奴らはわりとスルーだね。

 昼夜コンビは狙いが違うし、美波くんも興味がないみたい。


 タケは攻略候補だから少し触れるべきだけど、大胆な水着をどう褒めればいいか迷ってるようだね。


 つーか目が泳いでるし。

 おいおいエッチな姿見たいんじゃなかったのかよ。

 てっきり安野くんみたいな反応すると思ったのに。


 …まあ照れはあっても口元はニヤニヤしてるんだけどねタケの奴。

 キッショ。


「晶子~そんな格好ならスケベな目で見られんのも当然でしょーよ」


 と、晶子が連れてきてる友達が言い出したよ。そう、攻略候補の女子以外もいるらしいよ。

 晶子がせっかくだから数合わせようとか言ってね。


 …昼夜コンビが遊びに行くこと聞きつけてついていくとか言い出してこなければ、普通に三対三だったんだけどね。


 で、五対五にするために、晶子の友達二人が追加できたわけ。


 今しゃべった子は素朴そうな女の子だよ。前に晶子と一緒にいた子だね。佐藤の掃除手伝った時の。

 名前も知らんし、失礼だけどタケにとってはモブだね。


 …そしてもう一人。

 その女子は晶子の姿を見て呆れ気味に、


「たく、武内も物好きな奴だな。そんなハレンチな格好して」

「…あんたに言われたくない」

「は?私のどこがハレンチだってんだよ。普通の着てるじゃん」

「あんたの場合は格好じゃなくて、体型がハレンチだっての!」


 やや怒り気味にわなわなしてる晶子。だが、それは晶子だけではない。もう一人の友人もそうだし、百合子と佐藤も口をあんぐりさせている。


 ハレンチと言われた女子、それは美波くんの幼なじみ、夏目円花だった。

 前にタケを変態と勘違いした子らしいよ。11話、12話に出てたらしいよ。


 …で、その夏目だけど、爆乳なんだよね。スタイルもよく、ボンキュッボンってやつ。

 それじゃあ普通の水着だろうがハレンチ扱いしてくるよね。


 周囲の男や一緒に来た連中すら釘付けになってしまうだろうし。


「…やっぱ呼ぶんじゃなかった。こいつと並ぶと敗北感が…くっ」


 胸の戦闘力が違いすぎるもんね。晶子は絶壁だし。


「別に私も来たくて来たわけじゃねーし。シンを見張れってうるさく言われたから渋々来ただけだ」


 …美波くんを?

 もしかして美波くんの彼女的な女の子って奴が言ったの?

 なんだよ浮気調査かなにかかよ。なら本人が来いっての。


「見張れって、なに?なっちゃん」


 首をかしげる美波くん。彼には伝わってない話だったのかな。


「あ、いや、なんでもないんだ気にするな…」


 顔そらし、鳴らない口笛吹き出す夏目…演技下手くそか。


 …ところで美波くん、他の女子には無反応だったけど、夏目が来たら視線動いたよね…


 クソ!やっぱ胸がデカイほうがええのか!


 だが、そんな一方タケは夏目を見ないように耐えていた。

 …そうか、攻略候補に他の女見てるとこ見られたくないからか!

 よし、その調子で爆乳女から視線を逃がし続けろよ!



 つづくらしいよ。


 次回は…何すんだろ。泳げないもんねタケ。







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