第31話  ただのクラスメイトらしいよ知らんけど

「あの、さ。さっきの夜野ってのとは仲いいの?佐藤さん」


 タケは恐る恐る聞いた。


「い、いえ別に…最近なんな話かけて来ますけど…なんというか少し苦手…です」


 おや、佐藤はそんな好感もってないのか。


「そ、そっか!そっかそっかそれは良かった」


 …おいおい。嬉しいのはわかるけどあからさますぎるだろ。抑えろバカ。


「な、何が良かったんですか…?」

「え?あ、いや何でもねえんだ気にしないで!」

「は、はあ…」

「と、とりあえず仕事しようぜ。委員入ったはいいけどなにするかよくわかんないんだけど…」

「あ、はい。教えますよ。まず…」


 うまくごまかしたね。


 それから、タケは佐藤と図書委員の仕事を黙々とこなしたらしいよ。

 まあたいしたことしてないんだけどね。


 ただ、わりと二人は仲良さそうに仕事してたらしいよ。


 打ち解けるのはわりと早かったね。まあ前に掃除手伝った事で良い印象与えてたしね。


 佐藤もわりと信用してるのかも。



 ♢



 で、仕事終わると…


「お疲れ様…です。朝馬くん」

「うんお疲れ様」


 …これで別れてそのまま帰るのかな?まあ無理する事はない…


「で、できれば途中まで一緒に帰んない?」


 お、積極的じゃん。


「…は、はい」


 OKでたよ。


「じゃ、ちょっとだけ待っててよ!」


 するとタケは図書室を出て、トイレに直行。そして…


「ギャルゲーアイ!」


 でたでた!久々の変身ポーズ!


 する必要ないのに律儀に続けてて笑うよ。プププ。


「そういやさ」


 アタシはちょうど誰もいないからタケに声かけるらしいよ。


「何?」

「何で佐藤の攻略すんの?」


 単純な疑問をぶつけた。


「何でって攻略できる候補じゃんか」

「いやそうらしいけど、でも複数攻略する必要なくない?知らんけど。上手くいってないなら手広くするのもわかるけど、百合子とも晶子ともわりと攻略上手くいってるじゃん」

「だから?」

「いや、その二人に絞ればって話らしいよ。無理に評価大した事ない佐藤攻略すんのもめんどくないの?」


 好感度高い奴がすでにいるんだしね。二人が気に入らないというなら話は変わるけど、そんなことはないだろうし。


「…おれもまだ決め手にかけてんだよ。百合子か晶子かって…でも、」

「でも?」

「佐藤さんもわりと気になってるんだよ」


 あらま、佐藤を気に入ってるから攻略したいのか。


 でも意外だな。ロリだの巨乳だの言ってて好みにうるさそうなタケが、佐藤みたいな地味な子気に入ってるなんて…


 前も言ったけど、あの二人と違って美少女ってわけでもないし…


 いや、まてよ…前髪長くて顔とかよく確認してないし、もしかして美人?


 …だとしても、タケはそういう理由で気に入ってるわけじゃないんだよね。

 性格?なんだろうか?


「なんつーか親近感わいたんだよな。友達少ないこととか、それにおとなしくて良い子だし」


 ふーん。まあ中身で気に入ったってのは良いことかもね。


「まあいいけどさ、複数攻略するなら気をつけなよ」

「何を?」


 いや、わかれよ…



 つづくらしいよ


 次回は一緒に帰って噂…はされないか。



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