第31話  ただのクラスメイトらしいよ知らんけど

「あの、さ。さっきの夜野ってのとは仲いいの?佐藤さん」


タケは恐る恐る聞いた。


「い、いえ別に…最近なんな話かけて来ますけど…なんというか少し苦手…です」


おや、佐藤はそんな好感もってないのか。


「そ、そっか!そっかそっかそれは良かった」


…おいおい。嬉しいのはわかるけどあからさますぎるだろ。抑えろバカ。


「な、何が良かったんですか…?」

「え?あ、いや何でもねえんだ気にしないで!」

「は、はあ…」

「と、とりあえず仕事しようぜ。委員入ったはいいけどなにするかよくわかんないんだけど…」

「あ、はい。教えますよ。まず…」


うまくごまかしたね。


それから、タケは佐藤と図書委員の仕事を黙々とこなしたらしいよ。

まあたいしたことしてないんだけどね。


ただ、わりと二人は仲良さそうに仕事してたらしいよ。


打ち解けるのはわりと早かったね。まあ前に掃除手伝った事で良い印象与えてたしね。


佐藤もわりと信用してるのかも。





で、仕事終わると…


「お疲れ様…です。朝馬くん」

「うんお疲れ様」


…これで別れてそのまま帰るのかな?まあ無理する事はない…


「で、できれば途中まで一緒に帰んない?」


お、積極的じゃん。


「…は、はい」


OKでたよ。


「じゃ、ちょっとだけ待っててよ!」


するとタケは図書室を出て、トイレに直行。そして…


「ギャルゲーアイ!」


でたでた!久々の変身ポーズ!


する必要ないのに律儀に続けてて笑うよ。プププ。


「そういやさ」


アタシはちょうど誰もいないからタケに声かけるらしいよ。


「何?」

「何で佐藤の攻略すんの?」


単純な疑問をぶつけた。


「何でって攻略できる候補じゃんか」

「いやそうらしいけど、でも複数攻略する必要なくない?知らんけど。上手くいってないなら手広くするのもわかるけど、百合子とも晶子ともわりと攻略上手くいってるじゃん」

「だから?」

「いや、その二人に絞ればって話らしいよ。無理に評価大した事ない佐藤攻略すんのもめんどくないの?」


好感度高い奴がすでにいるんだしね。二人が気に入らないというなら話は変わるけど、そんなことはないだろうし。


「…おれもまだ決め手にかけてんだよ。百合子か晶子かって…でも、」

「でも?」

「佐藤さんもわりと気になってるんだよ」


あらま、佐藤を気に入ってるから攻略したいのか。


でも意外だな。ロリだの巨乳だの言ってて好みにうるさそうなタケが、佐藤みたいな地味な子気に入ってるなんて…


前も言ったけど、あの二人と違って美少女ってわけでもないし…


いや、まてよ…前髪長くて顔とかよく確認してないし、もしかして美人?


…だとしても、タケはそういう理由で気に入ってるわけじゃないんだよね。

性格?なんだろうか?


「なんつーか親近感わいたんだよな。友達少ないこととか、それにおとなしくて良い子だし」


ふーん。まあ中身で気に入ったってのは良いことかもね。


「まあいいけどさ、複数攻略するなら気をつけなよ」

「何を?」


いや、わかれよ…



つづくらしいよ


次回は一緒に帰って噂…はされないか。



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