第30話 朝、昼とくれば?らしいよ知らんけど
「まあ、朝馬がデートしてた子か今回の図書委員の子狙いというなら、最低限の協力はするが。…俺に出来ることなど、たかがしれてるがな」
友人の美波くんとしては、それが落としどころだよね。
別の友人も武内狙ってるならしょうがないよ。
でも他の百合子と佐藤静流も惚れてる相手も、美波くんの友人だったらそうはいかないだろうけど。
少なくともあの昼田ってデカブツは違うみたいで良かったけど。
「ライバルか…考えた事なかったぜ。ギャルゲーじゃ、女取り合うライバルなんて絶滅危惧種だし」
…そりゃギャルゲーじゃないからね。ギャルゲーアイという、選択肢を見れる目があるだけで。
実際現実なら起こりうる話だよね。百合子と晶子は胸がまっ平らだとか言って嘆いてたけど、どちらもタケなんかじゃ、釣り合わないほどの人気者みたいだし。
ただ今回好感度上げに向かう佐藤静流はその二人とは対象的だよね。
おどおどしてるし見た目も普通、胸も二人よりは少しだけマシなだけで同じく貧乳。
調べた限り同じクラスでも把握してない奴もいるみたいだし。
日陰者…なんて言ったら失礼だけど、タケと同じく、カースト的な物は低そうだよね。
…だからこそ、あまり優先しないと思ってた。
彼女ほし〜って感じでも、好みにはうるさそうなイメージだったんだけどな。タケは。
身の程知らずなら、その二人にしぼって佐藤を貶しかけないもんね。でも違うっていうのは好感わくよ。人気とか、見た目とかってだけじゃないってことだし。
最初こそ貧乳は〜とか言ってたけど、最近はもらしてないしね。
胸とか関係なく魅力的だしね。
百合子は見てるアタシでもわかる。晶子は嫌な奴かと思ってたけど、わりと素直というか根に持たず、あっさりしてたし。
見た目は文句つけようもない。
…ただ佐藤静流は中身の方もまだピンときてないんだよね。
タケには何か感じるものがあったのかな?
それとも候補を増やしておきたいだけ?
まだ百合子と晶子のどちらも決めかねてるからって事で。
「…まあ、図書委員頑張れよとりあえず。」
美波くんはそう言って、部屋をでる。
「帰るの?」
「…ああ。図書委員でもない俺がいても仕方ないだろ」
まあ仕方ないよね。こんな事にいちいち突き合わせていられないし。
「じゃあ仕事するか…」
と、タケは言った途端フリーズ。
…どうしたんだ?
奴の視線の先を見てみると…
陰気な地味娘こと、佐藤静流…と、見知らぬ男子が話していた。
…まあ話くらいするでしょ。まさかショック受けてんの?
佐藤静流はタケに気づくと会釈。
「さ、佐藤さん。そ、そっちの人は…」
「あ、え、こちらは…」
紹介される前に男子はタケの前に立つ。
身長はやはり相手のが高い。昼田とかいう奴ほどではないけどまぁまぁ背は高い。
タケは見下されるような格好だ。
「
「同じ委員の、あ、朝馬健人…」
「おっと、仕事仲間か。悪いな、邪魔して。じゃ、佐藤さんまた後で」
と、夜野は去っていく。
…なんかチャラいな今のやつ。
ああいう奴が佐藤みたいな地味な娘狙うとはね…まあ容易に見えるからかな?
ってそういうナンパ目的とは限らないか。
ただの友達かもしれないし。
つづくらしいよ。
次回は奴との関係でも聞くかな?
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