第27話過去の精算らしいよ知らんけど

「お前に酷いこと言ったってすぐに気づいたら、今度は…」


「「あ、いや、でもよ!月よりもいい男なんていくらでもいるしそう落ち込むなよ。実はあいつはさ…」」


「弟を悪く言うなんて最低なこともしちまった…弱った心につけこんで、おれに振り向かせようなんて下らない考えだったんだよ」

「……」


…なんか、晶子の無言が怖いんだけども。


ただまあ小さい事とも言えるし、ちょっとしたいざこざ程度だよね。そんな大事ってわけじゃなくて良かったけどさ。


でもそれはアタシの感想なわけだし、晶子は…


「はあ…もういいよ」


晶子はただ、ため息ついた


「こっちもいつまでも怒ってるのに疲れたし、ツッキーとまた話すためにはあんたと仲直りしたほうがいいだろうからさ」

「本当に!?」


嬉しさのせいかタケは晶子に近付いて…


「ちょっと待て!」


逃げるように離れる晶子。

ハグでもしようとしたのかもしれないなタケの奴。

さすがにいきなりそれはね…


でも顔赤いしそんな悪く思ってなかったりして。


「なんだよ…ノリ悪いな。昔からの仲じゃんか」

「元々そんな仲良くないわ!まったく…」


晶子はあきれてるよ。


でも、友達も少ないし、知らん奴との会話がはかどらないタケが気安くできる相手なわけだし、確かに元は仲良かったようにも見えるね。


…攻略候補の中ではわりと前にでたかも…


って、あ!ここには百合子もいるんだぞ。やりすぎは、よくないなあ…


恐る恐る、百合子の様子を見てみると…


「う~ん、よくわからないけど、仲直りするのは良いことだね!」


…あっけらかんとしてるよ。

まあ変に仲疑われるよりはいいのかな?こいつ嫉妬とか妬みとかそういう負の感情あまりもってなさそうだもんね。


「じゃあ話戻すけど!うちの妹と、」


とたんに百合子の妹が口を塞ぎにくる。


「お、お姉!も、もういいから!…せっかく話それたのに」

「むむむううう」


いきなり口塞ぐから苦しそうにしてる百合子。

妹もまだ自分の気持ち知られたくないのかもね。

と言ってもにぶくなければ察するレベルなんだけどねえ。


「な、なんか邪魔者だったりする?」


晶子はキョロキョロして状況を把握する。…遅いよ気づくの。


「いや、そんなことはないよ。ねえ兄さん」


月人くんはタケに同意を求めた。


「え!?あ、そ、そうだな~と、ところで武内は一人でこんなところに?」


そう言われればそうだね。

ここは遊園地だ。まさか花の女子高生が一人でくるわけはない。

誰かしら連れがいるのでは…


「あ、いたいた。晶子~」


目視ギリギリできるくらいの距離に何人かの男女の群れが見えた。

その中の一人、短髪の女子が晶子に気づいて手を降ってる。


どうやらその連れらしいよ。


「あ、そうだ。あたしみんなの飲み物買ってくる途中だったんだっけ」


晶子は元々の用事を思い出したらしいよ。

その道中で月人くんに気づいて話しかけたってわけか。


「あの人数分の飲み物?パシられてるのか?」


ざっと見て五、六人ってとこかな?

まあ一人に買いに行かせるのはアレだよね。


「ジャンケンで負けただけだって。心配するような事はないって。あんたも見覚えくらいある連中でしょ?」


そう言われ、目を凝らしてタケは晶子と来たメンバーを確認。


「一部知らんけど、お前の親友とかいるっぽいな」

「でしょ?変に気にしなくていいって。そもそもあたしがパシられるタマだと思う?」

「…ないな。あんな女ヤンキーも友達にいるくらいだしな」


女ヤンキー…ああ、美波くんの幼なじみか。確か巨乳の。

確かにそんな友人いるなら、いじめられるような事はないかな?

というか知らんけどはアタシの口癖の一つだから使うなよ。


「そうそう。気にする事ないって。…でも、まあ」


晶子は少し照れくさそうに鼻をかくと…


「ありがとね。心配してくれて」


そう礼を言うと、晶子は連れの奴らのところに戻りだす。

だが途中で、止まりくるりと振り返り、


「じゃあねツッキー。あと、タケもね!」


タケ…あだ名で呼んでたのか。アタシとかぶるじゃん!



つづくらしいよ。


次回はデート終わりかな?




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