第26話 ヒロイン同士の顔合わせらしいよ知らんけど
「そこの女子〜!ちょっと待った!」
百合子はバカでかい声で晶子に呼びかけた。
晶子はあまりの声の大きさに驚いて、怪訝な顔で百合子を見る。
「え?な、何?誰アンタ…」
晶子は百合子の隣にいるタケに気づく。
「…なに、アンタもいたんだ」
冷たい目線をタケに浴びせる晶子。
タケはそんな視線に…目を、そらさなかった
強く、鋭い目をしてる。今までみたいな逃げの態度は取らないってことかな?
一一逆にそんなタケの視線にすこし圧倒されるような晶子。
「何よ…何なのよあんたら」
「…オホン、えー僕はそこにいる向日葵ちゃんの姉…三浦百合子です」
「そこにいる?」
晶子は視線をずらす。月人くんからさらに先、居心地悪そうに座ってる妹ちゃんこと三浦向日葵がそこにいる。
晶子の奴気づいてなかったな?わりと失礼なやつ…
「そ、そう…それでそこの子のお姉さんが何か?」
「いや、何かって…わからないかな?うちの妹と月人くんはデート中なわけだよ!」
「え!?で、デート!?」
うわ、めっちゃショック受けてそうだ晶子の奴。まあ好きだったなら仕方ないか?
フラれて他の奴に気持ちいったとはいえ複雑なのかな?
「つ、ツッキー…そういう子が好みなの?悪いけど、この子と比べるならアタシのが…」
あー、そういうことは言わないほうが身のためだろうに…
好きな子にむかってそんな事言う奴は嫌われるでしょ。晶子の奴、思ったことは口に出るというかはっきり物言うタイプだな?
…でも月人くんは別に百合子の妹の事興味ないだろうから関係ないか?
「…晶ちゃん」
「武内ぃ!」
ん?月人くんが何か言う前にタケが割り込んだ?なにする気だこいつ。
「おま、……」
ん?止まった?
…あ!?
1 ごめん!
2 いい加減あきらめて、おれに惚れろ!
3 二人は恋人なんだよ!
選択肢…
何か言おうとして潰れたけど、それが吉となるか凶となるか…
うーん1はいきなり何を謝るんだって話。
2はありかもしれないけど、百合子もいる状況考えるとやめたほうが無難かな?それに一定以上の好感度ないとキレられそう
3が一番安全かな?妹ちゃんも百合子も援護射撃してくれるかもしれないし、月人くんなら状況で空気読んで合わせてくれそう。
このアタシの考えはタケにも聞こえてるはずだけど…
「…た、武内…ゴメン!」
え?1を選んだわけ?
な、なんで?
「なによ…いきなり」
当人の晶子もわかってないようだね。
「ちょうどいいから今までの事、謝ろうと思ってさ」
「…い、今までの事?」
「おれ、お前が月の事好きだって知って勝手に嫉妬してさ…」
「ち、ちょっと!今そんな話しなんてしないでよ!」
確かに人前じゃ恥ずかしいわな。
「それでお前に…」
「「おまえなんか、月が好きになるわけねえじゃねえか!身の程を知れっての!」」
「ひでえ事…言っちまったんだ」
「……」
嫉妬で好きな子に意地悪ってのもありがちだけど限度あるよね~
つづくらしいよ。
次回は仲直りできるかな?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます