第20話  弟くんモテるらしいよ知らんけど

…選択肢。ここは勝負するべきとアタシは思うらしいよ。


1 ダブルデート


2 二人きりにさせる


3 月人くんに能力説明


…簡単に選択肢の内容を言うとこれだ。


1にするべきとアタシは思うけど…なんだかんだタケは悪い選択してきてないし、ここは何も言わずに判断任せよう。


…少し考える表情ののち、意を決する。


「だ、だだだ、…ダブルデートでもしないか?」


!!言ったよ!


勝負に出たね…


ハッキリ言って妹ちゃんの事考えれば断られる心配もなさそうだしね。


「なに言ってるの兄さん」

「な、なにってそのままの意味さ。親睦を深めると言う意味で、四人で遊ぼうって話」

「…そう」


なんか、あまり乗り気じゃなさそうだね月人くん。

まあ見しらぬ二人の女の子と遊ぶってのもね。


「さ、さんせー。ね、向日葵!」


三浦は乗ってきた!やはりね。妹のためを思えば乗ってくると思ったよ。


「う、うあううううううう、うん!」


…動揺しすぎでしょ。この子普段はどんな子なんだろ。


「な、いいじゃんか」


月人くんにタケはウインクする。

…キッショ。


「兄さん、ちょっと」


月人くんはタケだけ連れて少し離れる。


「なんだよ」

「兄さんさ、企み読めたんだけど」

「た、企み?」

「兄さん…」



「あのお姉さんの事、好きなんでしょ?」

「はえっ!?」


変声出して驚くタケ。

んー狙ってはいるがそこのところはまだなんとも…なんだよね、

三浦一人に絞ったとかいうわけでもないし。


一応目的は月人くんと妹ちゃんの仲を、取り持つ事だからズレてはいるね。


…でも顔赤くなってるし勘違いされるなこれ。


「やっぱね。弟だしにしてるわけか…」

「い、いやちが、」

「でもま、いいよ。兄さんの恋路のためだし付き合うよ」


…とにかく月人くんが納得してくれたならいいんじゃね?

障害はなくなったわけだし。


二人は三浦姉妹の元へ戻る。


「じゃあ、よろしくお願いします」


ペコリとお辞儀する月人くん。


「あ、じゃOKってことだね!やった!」


ピョンピョン跳ねる三浦。ホント子供っぽいな…

妹ちゃんは赤くなってうつむいてる。可愛いじゃん。


「じゃ、ダブルデートの場所はどこにする?」

「ん?んーと…」


まあこういう時はだいたい…ん?


1 遊園地


2 水族館


3 映画


ありゃ?連続で選択肢出るなんて珍しい…


…ただこれ、一番の難問かも。

どれもおかしな場所じゃないし。


でも1つは地雷あるんだよね…


「ゆ、遊園地とか?」


…無難かも。それでハズレはさすがにないと思うけど。


「いいね!じゃ次の休日に!」


三浦は小指つきだす。


「…へ?なに?」

「なに?って指切りだよ!知らない?」

「い、いや知ってるけど…いちいちそんなこと…」

「ガタガタ言わない!ハイ!」


タケの手をつかむ。つられてタケは小指を出す。三浦は小指同士を絡ませ…


「ゆーびきーりげーんまん、嘘ついたら針千本のーます!指切った!」

「幼稚園以来かも、こんなのするの…」


なんか照れくさそうにしてるタケ。


「僕も久しぶりかも!…な、なんか子供っぽくて照れくさいね!」


おいおい自分でやって赤くなってるよ。でもまあこういうとこが可愛いのかもね。


「じゃ、じゃあ約束したからね!忘れないでよ!に月人くん!」


顔真っ赤にしながら妹ちゃんを担いでそそくさとこの場を退出。


健人たけびとくん?


「な、名前で呼ばれた…」


いやでも…弟の月人くんいるから朝馬じゃ通じないし、だから名前で言っただけかも…


でもギャルゲーアイの好感度アップ効果は本物…

まだ回数少ないのにという疑問はあるけど、ギャルゲーアイを持ってる時点で選択肢以外でも好感度上がる可能性はあると聞いた事あるし…


…どうなんだろ?





「てなわけでデートすることになったんだ」

「…そうか。よかったな」


タケは友達の美波くんと安野くんに報告してるらしいよ。


「いやいやそれで終わらせないでくれよ。…どうすりゃいい?」

「どうって…なにが?」

「いやその…」


聞いといてなんだこいつ。

美波くん達に迷惑かけるなっての。


「…俺に相談されても困るぞ。特にそんな経験ないしな」


え、意外。美波くんほどの美形が経験ないなんて。


「いやお前女友達いるじゃん」

「友達は、な。そういう友人の遊びなら聞いても仕方ないだろ」

「友達以外にもあの、幼なじみの子…いるじゃん」

「…どっちだ」


どっち?この間の女ヤンキー以外にもいんの?

あ、女ヤンキーってのは12話に出てきた奴のことらしいよ!


「ヤンキーじゃなくて、お前とよく一緒にいる方の子だよ。その子と遊園地とか行かないの?」

「……行かないな。俺、インドア派だしな。というか友達はだいたいそういうタイプばかりだ」

「それはオレも同じくだしなあ。こういうときは困るんだよなー」


そんなことよりアタシは美波くんのもう一人の幼なじみが気になる!彼女じゃないだろうね!


「着てく服とか…」

「…悪いがそういうのもアドバイスできないんだ。センスないし」

「ううう、ならせめてついてきてくんない?」

「…は?」


保護者同伴じゃないんだからさ…


「影で見てて助け舟出したら何か手助けを…」

「あのな…」


やれやれ先が思いやられる。



つづくらしいよ


次回はダブルデートだ!


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