第19話  三浦妹らしいよ知らんけど

 で、翌日らしいよ。


 いきなり会うのは無理と言われ、妹ちゃんの心の準備ができたら呼んで来てほしい…とのこと。


 う~ん恋する乙女だね~。ま、妹ちゃんどんな子なのか知らんけど。

 三浦みたいなボーイッシュ系の、貧乳少女かな?妹だし多少は似てるだろうからーーかわいらしい女の子なんだろうな。多分。


 案外タケの奴妹ちゃんも目文するつもりだったりしてな。

 でも弟くんが気に入るようならさすがにしないか。


 兄弟仲良さそうだし、もめ事はタケも嫌いだろうからね。



 ♢



 なんて言ってたら放課後になったんだけど。

 おいおい、心の準備かかりすぎでしょ…


「三浦さん、今日はやめとく?」


 タケは三浦に聞いた。


「う~ん。妹からも連絡ないしそうしようか…」


 と、思っていたら、


「ね、姉ね!」


 三浦が誰かに声かけられた。

 ドア越しに隠れてる、黒髪ロングヘア―のかわいらしい女の子が見えた。


 この子が三浦の妹か…可愛いけどボーイッシュでもないし、引っ込み思案っぽい性格に見えるね。

 背もタケより小さい三浦と違い、そこそこ大きいね。


 しかし顔も性格もあんま似てないや。ホントに姉妹?


 まだ佐藤の妹って言ったほうが信じれるかも。まあ、あっちは引っ込み思案というか陰気なビビりだから少し違うかな?


ねえね…か。可愛い呼び名~」


 …タケがデレデレしてる。そうかこいつロリコンの気もあるのか。

 ロリ巨乳が好きとかほざいてやがったし。

 相変わらずキショイ笑顔してるらしいよ。


「お、来たねー。どう?準備できたかい?」

「う、うん…」

「よーし!なら善は急げだ!朝馬くん、さあ行こう!」


 と、三浦はタケの手を掴んで走りだす。

 …またも手を握られて嬉しそうだなタケの奴。


「み、三浦さん!勝手に走るのはいいけど弟の居場所わかってるの?」


 そのタケの発言で急ブレーキ。


「…ハハ、知らないや!テへッ」


 この子猪突猛進というかゴーイングマイウェイというか…思い立ったら一直線だね…


 しかしテへッて…ぶりっ子嫌いな人は苛立つよそれ。

 ちなみにアタシは少しいらっとした。でもタケはデレっとしてる。



 ♢



 弟の月人くんの待つ教室にやってきた。とりあえず帰らずに待ってるよう頼んでいたらしいよ。


「えっと、とりあえず三浦さんを紹介する呈でいいんだっけ?」

「うん、そうそう!ついでみたいな感じで妹は僕が紹介するからさ!」


 教室内を覗くと…あ、いるいる。


「つき~悪い待たせた。」


 まずタケが手を上げて月人くんに声をかける。するとタケの声に気づきこちらを向く。


「遅いよ兄さん」

「悪い悪い」


 月人は寄ってくる。

 ん?妹ちゃんどこ行った?姿が見えない。


「紹介するぜ。同級生の三浦百合子さん。陸上部所属で男女問わずの人気者さ」

「はじめましてこんにちは~三浦百合子です~よろしくね月人くん!」


 元気いっぱいな挨拶のあと握手を求めるように手をだす。


「ど、どうも…」


 流れに逆らわず月人くんは三浦と握手した。


「ていうか、褒めすぎだよ朝馬くん!」


 照れ隠しかバシバシ軽くタケの背を叩く三浦。


「仲、良さそうですね兄と」


 と、月人くん。

 …確かに気のおけない関係と見えなくもないね。三浦が気安いだけだけど。


「うん!仲良くさせてもらってるよお兄さんとは!」


 否定せず肯定。こんな風に言ってもらえたらそりゃあいい気分だろうね。タケもニヤついてるし。


 …なんかこの子がモテるの、わかる気がする。


「…それでね、月人くん、…えーっと、ついでに僕の妹のー」


 いよいよ本題らしいよ。…しかしいきなり棒読みみたいになってるよ三浦の奴。演技下手くそだな…


向日葵ひまわりちゃんでーす。ついでに仲良くしてあげてねー同い年らしいしー」


 と、三浦は柱に隠れてた妹を掴んで前に付き出し紹介。

 姿見えないと思ったらそんなところにいたのか。


「よ、よよよよよよよよろ、しく、おねが、お願いします!」


 めっちゃしどろもどろで呂律も回ってない!

 そして勢いよくお辞儀したらその勢いのまま前に倒れ込んだ!


 いやいや緊張しすぎでしょ…


「ちょ、大丈夫!」


 三浦が妹を助け起こす。

 月人くんは怪訝な表情…こりゃどうやっても上手くいくビジョンがみえないな~


「は~っ…ギャルゲーアイ!!」


 !?急にタケがいつものポーズでギャルゲーアイを発動した!?

 なんで?


「…え?兄さん何?」


 突然の兄の奇行に動揺の顔を見せる月人くん


「…ハハ!どーしたの朝馬くん!」


 三浦は笑ってる。…が、


「ごめん朝馬くん変な空気を変えてくれたんだね!」


 小声で三浦はタケに感謝する。

 …え?そういう理由でやったのタケのやつ?


 確かに今の奇行に月人くんの意識はいったけど…

 ん?


 タケの目に選択肢が!?


 1 ダブルデートでもしないか?


 2 じゃあ若いお二人に後は任せて


 3 実は月、ギャルゲーアイとは…


 お、攻めた選択肢あるじゃんデートか…

 2はなんか世話焼きなおばさんみたいだし…3は話を続けるのか。


 …どうする?タケ。


 つづくらしいよ


 次回は妹ちゃんと弟くんの話のつづきかな?もしかしたら他の奴も、

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