第15話  最初の選択肢らしいよ知らんけど

1 図書委員の仕事の手伝い

2 広い範囲でなんでも手伝う

3 返した本が面白いのか聞く


…という選択肢か。

さてタケはどれを選ぶか…


「お、おいラズ!」


は~いカワイイ天使ラズちゃんでーす。

…ん?あたしになんか用なの?


「何?この子はアタシ見えないんだから独り言はげしい奴と思われるよ?」

「そんな事よりどれ選べばいい?」

「は?そんな事自分で選びなよ」


まさかどれ選べばいいか聞かれるとは思わなかったらしいよ。


「んなこと言ってもどれが好感度上がるかわかんないし」

「そんなのアタシもわかんないよ。感覚に任せなよ。ちなみに好感度下がる可能性ある選択肢もあるから注意ね」

「は!?き、聞いてねえよそれ!」


バカ!大声出すなよ。また佐藤がビビるぞ。


案の定少しおどおどしてるよ。


「早く決めな。ぐずぐずしてるとタイムオーバーらしいよ」

「時間制限もあんの!?」

「そりゃそうでしょ?ゲームじゃないんだよ?なら選択肢考えながらここにずっといて彼女もその間待っててくれるとでも?真夜中になっても?」


現実はこうしてる間に時を刻むからね。当然時間制限くらいあるらしいよ。


「真夜中ってのは極端だな。…うーん、なら!」


タケは腹をくくったらしいよ

さてどれを選んだか…


「佐藤さん、お、お詫びとしてなんでもいいから手伝うよ。なにかあればい、言ってくれてかまわない」


…これは2だね。

何故選んだか後で聞いてみようか


「な、…なんでも…で、ですか?」


おどおどしつつ、様子を伺うように問う佐藤。


「あ、ああ。お、俺にできることなら…」


…なんであんたまでしどろもどろというか言葉つっかえてんだよ


不安からか?選択肢の。


佐藤はなにか考えた様子を見せ、なにかを思いつく。


「あ、あの自分…放課後教室の掃除当番押しつけられてまして…」

「掃除?それを手伝えばいい?」

「は、はい…」

「そういうことなら…任せてよ」


…どうなんだろこれうまいこといくかな?


ん?後ろが混雑してる


あ、貸し出しで並んでるのか

タケの奴邪魔だよ


「ん?あ、ごめん。じゃ、じゃあ後で放課後!」

「…は、はい…」


タケは後ろの方々にお辞儀してからそそくさと去るよ。



「はあはあ…どうなんだろアレ。正解なのか?」

「まだわからないよ。その手伝いの後に判定出るし」

「そうか…」

「ところでさ。2番選んだ理由は?」


選択肢的には1や3のが無難に見えなくもなかったけど、あえて2番選んだよね。


「…直感もあるけど1の図書委員の手伝いってのはやったことないオレが手伝っても迷惑になるかもと思って…」


…ありえるかも。

なにやるかはわかんないけど足引っ張る可能性ないこともないか。


「じゃあ3は?世間話だし本好きの彼女を考えれば無難な気がしたけど…」

「迷ったよはっきり言ってな。でも本好きといっても趣味あるだろうし読んだことない作品なら話も続かないだろ」


…一理ある。


これ面白い?…知りません。

…で終わる可能性あるもんね。


「美波が借りた本がどんなのかも確認してなかったしな。あとオレが借りた物と勘違いされてたら読んでないの!?とか言われかねない」


後者は友人が借りた物とさっき言ってたから大丈夫だったろうけどね。


それに佐藤が好きな話題だとテンション上がるようなわかりやすい子とはかぎらないもんね。


そう考えると罠の可能性あったかも。


はっきり言って驚いたよ。タケにしては考えられてる。見直したらしいよ。


結果はどうなるかな…


つづくらしいよ


次回はその放課後の掃除手伝いだね。


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