第12話  攻略への第一歩らしいよ知らんけど

 タケのやつ大ピーンチ!


 武内を見ながらぶつぶつ言ってる事で、変態のストーカーと怪しまれ中!

 目付きの悪い、ぱつきんヤンキーの睨みにひびって震え上がる寸前のタケ。


 背もタケよりだいぶ高いし、喧嘩なれしてそうだよ。


 …そんなタケはつい目線が胸の方へ?


「で、デカッ!」


 あ、バカだよこいつ。つい口にだしてやがる。…ただ、確かにデカイ。……めちゃくちゃデカイ。


 なんつー巨乳だよ……

 G…いやHか?

 わかんないけど相当な物をお持ちで…


「…てめえ。どこ見てんだ」


 まあどこ見てんだいうても、この子制服着くずしてるから、少しとはいえ谷間が見える。だからつい見ちゃうのは仕方ないかと。

 タケを擁護する気はないけど。


「人の胸は見るわ、武内のが平らだのほざいてるけど……変態かお前?」

「い、いや違…とにかくすんません!」


 お、きれいなお辞儀!

 素早く下げられたその頭の角度といい素晴らしい!

 これは取り柄だね!


 …無理やり褒めてみたらしいよ。


 あーあ、武内もこっちの様子に気づいてるしいや~な目で睨んでる。


 あーあ、おーわった。


「お前どこのクラスの誰だ?武内に伝え…」

「…ストップ」


 美波くんが歩いてきて、タケの前に立つよ。

 庇ってくれるのかな?


「…シン。どうした?」


 シン?あれ、この女ヤンキー美波くんと知り合い?

 なんかキョトンとしてるし、さっきの殺気みたいな睨みが消えちゃってるらしいよ。


 …さっきの殺気さっき…プププ。


「なっちゃん、…彼は変態とかそんなのじゃない。後、俺の友人なんだ。…あまり威圧しないでくれ」


 へ?前回話してた美波くんの幼なじみってこの女ヤンキー!?

 うっそ…こいつをちゃん付けしてたんだ。


「シンの?……」


 急に態度変わったらしいよ。

 なんか表情も穏やかになったし。

 普通にしてるとまあまあカワイイな。


「…あまり疑われるような事、ぶつぶつ言うなよなまったく」


 あれま。あっさりと納得してくれた。

 さすが幼なじみ、信用されてる。


「疑って悪かった」


 まさかの謝罪!?


「い、いやいや!」


 ブンブン手を振るタケ。


「なっちゃんは勘違いされがちなんだが…悪い子じゃないから許してやってくれないか」

「も、もちろんだ!美波の友達として、同じく美波の友人の事くらい許すさ」


 タケは冷や汗かきながらも、ウンウン頷いて許す。


 が、女ヤンキーこと夏目がまたも睨む。


「ただの友人じゃねえ。私とシンは幼なじみだ。それ以上な関係なんだよ」

「あ、ハイ…」


 あれ?これってもしや…


「なっちゃん…睨むのはやめな」

「…わかってる」


 うわー夏目は美波くんにはかなり素直なんだ~。


 ……そういや武内は……


「ホントに変態じゃないかは、微妙かもしれないよ美波くん」


 あ、と言ってたら武内が!


「こいつと友達だったんだ」

「…まあ」

「人の交友関係にどうこう言う気はないけどこいつやな奴よ」


 …なんだもっとボロクソに言うかとおもったけどその程度か。

 だいぶオブラートらしいよ。


 アタシはてっきり、ゴミクズの変態のカス以下で、最低最悪の男とか言うかと思ったらしいよ。


 …え、怖い?アタシはそんなこと人に言わないって~。


「…ヘーヘーやな奴ですいませんねー」


 そう言うとくるりと背を向けて去っていくタケ。


 …おいおい攻略する気あるのか?


「朝馬?…悪い、なっちゃんに武内、俺も行く」


 美波くんはついてきてくれるらしいよ。


「あ、シン…武内、お前あいつと何かあったのか?」

「別に~大したことじゃないよ」


 実際ホントに大したことじゃないのかも。

 ちょっとしたいざこざで、互いにムキななってるだけだったりして。



 ◇



 教室に戻ると……


「とりあえず、情報はそれなりに得たわけだが…個人的にはまだ三人の内一人にまだ絞れてはいない。まだ大して会話もしてないし」


 まあ、そう考えると仕方ないのかも。


「他にも候補探したくはあるが攻略不可ばかりだし…とりあえず妥協とは言わんが、今の三人を攻略する。好みドストライクでもいればすぐしぼれたんだけど」


 攻略可能で興味持ったのがとりあえずその三人だけだった。

 ただドストライクではないか…まあ貧乳はどうの文句つけてたしね。


「…で、ちなみにあんたの好みドストライクってどんなん?」

「え?ロリ巨乳」

「キッショ」


 ドン引きだよ。

 巨乳だけでなく幼女趣味をお持ちとかドン引き案件。こりゃ幼女は近づかせないほうが身のためだわ。


「待て待てそれは見た目の話で性格とかはだな…」

「いーよもう…興味ないし…キッショ」

「おい!」

「いいから三人の好みとか情報並べようよ」


 アタシは今までのタケが見た情報を紙にまとめておいたらしいよ。

 できる女~。


「スポーツマン、頭のいい人、イケメン。…どれもおれに当てはまらないけど、どうすりゃいい?」

「いや知らんけど。いいものあるんだから、それ利用して攻略にかかりなよ。先に自分磨きとかもいいかもしれないらしいよ。知らんけど」

「…苦手だが、やれるだけやるか」



 かくしてヒロイン候補も決まり、いよいよ攻略がスタートか?自分磨きするのか玉砕覚悟でアタックするかはわからんらしいよ。知らんけど。



 つづくらしいよ。

 次回動…と見せかけてプロフィールかな。

 とりあえず登場人物まとめらしいよ。

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